写真:菊池 模糊
地図を見るサプサン号は、ロシアの新進気鋭の速く美しい超特急です。
サンクトペテルブルグとモスクワ間は、640kmあるのですが、この距離を、従来よりも50分短縮の最短3時間40分で結びます。
日本の新幹線でいえば距離的には東京―岡山間に相当し、ほぼ同じような時間で到着するので、そのスピードが分かります。
ロシアの広軌規格の在来線利用ですが、ドイツのシーメンス社製のヴェラロシリーズの高速型のスマートな車両で、なかなか美しいシルエットです。(写真参照)
1編成あたり定員は600名の10両編成で、全体の長さは250mです。
2009年12月より、サンクトペテルブルグ―モスクワ間で開通しました。
実際に乗ってみると旅行者だけでなくビジネス客の姿も多く見られます。Wi-fi環境も整っており、時間的に鉄道によるモスクワからサンクトペテルブルグへの日帰り出張も可能になったということで、日本の東京―大阪の新幹線のような利用状況になっています。
また、2010年7月より、モスクワとニジニ・ノヴゴロド間の運行も開始しました。
モスクワは恒常的な交通渋滞に悩まされており、飛行機で移動してきても、飛行場から都心への移動に非常に時間がかかる場合があります。
その点、サプサン号の到着駅であるモスクワのレニングラード駅は都心にあるので、サンクトペテルブルグからのモスクワへの移動に最適です。
サンクトペテルブルグでエルミタージュ美術館を観光して、次はモスクワ観光というロシアの二都を結ぶ旅行にピッタリなので、ぜひ利用してください。
写真:菊池 模糊
地図を見るサプサン号には、特等(1等プレミアム)、1等、2等の3種類の座席があります。
1等以上は革張りシートで、食事料金がチケット料金に含まれており、スリッパ・アイマスクなども装備されています。
2等は布張りシートで、食事サービスはありませんが、食堂車があり車内販売もあります。
写真を御覧ください。2等車両の光景です。
1等と2等は、見た目はほとんど変わりませんので、普通は2等で十分でしょう。
日本の駅弁のようなものはありませんが、テイクアウトの軽食を買ってきたり、お菓子などを持ち込み、テーブルに広げてくつろげば、存分に半日の列車旅行を楽しめます。
注意すべきは、日本の新幹線のように、席のすべてが進行方向に向いているわけではなく、向きが固定されているということです。
また、窓が座席それぞれにあるわけではないので、車窓風景が見にくいことがあります。
そこで、あらかじめ予約される場合は、進行方向に向いている座席を確保することと、景色の妨げとなる柱の位置の座席を避けるようにしてください。それが、より快適なサプサン号の旅をするコツです。
写真:菊池 模糊
地図を見るまずは、自分の座席にゆったり座り、車内雑誌などを見て、くつろぎましょう。
サプサン号は高速で走行しますが、意外に乗り心地は快適で、ロングレールが使われているので線路つなぎ目の音もあまりしません。
サンクトペテルブルク―モスクワ間は、ほぼ真っ直ぐで、急なカーブもないので、車内でパソコンのキーボードを叩いたり、本を読むこともまったく問題ありません。
座席に座って車窓風景を楽しむのも良いですが、車両編成中央の5号車のビュッフェ車両(食堂車)で好きな料理やコーヒータイムを味わうこともできます。
写真は食堂車の風景ですが、いろいろな料理も用意されています。また、サプサン号関係のグッズも販売されていますので、鉄道ファンの方は見逃さないようにしてください。
トイレは各車両にあり、とても清潔です。
スーツケース用の荷物棚は各車両にありますが、全部の座席分あるわけではないので、混む季節や大きな団体ツアーで旅行される場合は、早めに格納場所を確保してください。小さなスーツケースや手荷物は、座席上の棚に置くことができます。
写真:菊池 模糊
地図を見る鉄道旅の楽しみのひとつは車窓風景です。せっかくのロシアの地上を走るサプサン号ですので、ゆっくりと景色を満喫しましょう。
サンクトペテルブルクからモスクワへ向かう場合、発車後しばらくすると、白樺の森が見えてきます。
時折、森が途切れると、沼地や原野が広がり、荒涼とした冷帯の景色が連続します。
日本のように起伏に富んだ地形はなく、高い山や深い谷はありません。どこまでも広い平原と森のいわゆるタイガで、日本では見られない景観ですので、これがロシアの大地なのかと実感します。
ごくたまに、町や湖に面した集落が見え、なぜかほっとします。
また、季節と時間によりますが、西の平原に夕日が沈む光景は、とても感動的です。写真は車窓から撮影した湖に沈む夕日です。
サンクトペテルブルク―モスクワ間には、四つのサプサン号停車駅がありますが、時間帯によって停車する駅が違います。早朝や夜に走行する場合は、途中無停車のことが多いので、途中下車利用する方は、あらかじめ時刻表で停車駅を確認してください。
写真:菊池 模糊
地図を見るサプサンとは、ユーラシアの広い地域に生息し、地球上最速の肉食鳥であるハヤブサを意味します。まさに世界最大の国土を誇るロシアの大地を駆け抜ける超特急にふさわしい名前です。
実際は時速350kmで走行可能ですが、ロシアの最高法定速度である250kmに抑えているそうです。今後はさらに時間短縮されるかも知れませんね。
車窓風景を見ながら、食事をしたり、座席のラジオを聴いたりしていると、あっという間にモスクワに到着します。
写真はモスクワのレニングラード駅のホームです。夜に到着すると、しっとりとした雰囲気のある駅舎です。この建物は1849年に建設されたもので、夜にはライトアップされます。
もちろんサプサン号は、逆方向利用も可能で、モスクワからサンクトペテルブルグへの旅行にもおすすめします。安全で便利で快適な旅の移動手段として、ぜひ乗ってみてください。
サプサン号は、ロシアの二都を短時間で結ぶことで、新しい旅の形を提示しています。
上記の本文で説明しましたようにとても快適な旅ができますので、これからは必須の移動手段となるでしょう。
ヨーロッパに多い方式ですが、ロシアでは鉄道始発駅に関しては、出発地ではなく目的地が駅名になっています。したがってサンクトペテルブルグからサプサン号に乗車する場合、サンクトペテルブルグのモスクワ駅から乗車します。そして、モスクワのレニングラード(サンクトペテルブルグの旧名)駅に到着します。
このような方式が何故取られているかといいますと、モスクワのような大都会では、沢山の鉄道始発駅があるので、目的地方面の名前がつけてあるのです。そこでレニングラード駅というわけです。
日本人にはとても分かりにくいシステムですが、旅行者には極めて重要なことなので紹介いたしました。
なお、料金は統一されておらず、乗車日と時間帯によって料金が変動しますので、下記関連MEMOを参照して正確な料金や時間を確かめたうえ、利用してください。
この記事の関連MEMO
- PR -
トラベルjpで250社の旅行をまとめて比較!
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2024/3/28更新)
- 広告 -