写真:ザーカー 久美子
地図を見る「ブライスキャニオン国立公園 (Bryce Canyon National Park) 」は、ラスベガスから北東へ、車で約4時間の距離にあります。
岩の古城を彷彿とさせる素晴らしい景観は、1年の半分以上を占める激しい気温差により、日中にとけた雪や氷が石灰岩の亀裂に染みこみ、夜に凍り、水よりも体積を増した氷が内部から岩を砕き誕生しました。
「フィン (Fin) 」または「渓谷の壁 (Canyon wall) 」と呼ばれる第1段階では、大きな岩の塊が複数に裂けて、壁のようになります。その壁に穴が開き、第2段階の「窓 (Windows) 」を形づくり、その穴の天辺が崩れ落ちると最終段階の尖塔「フードゥー (Hoodoo) 」が完成します。
公園内には、14の展望台を巡る片道29kmの観光ドライブコースがあり、この魅力的な造形美を鑑賞することができます。観光の中心「ブライス・アンフィシアター地区 (Bryce Amphitheater Region) 」には、無料のシャトルバスが走っています(例年、5月初旬〜10月初旬まで運行)。
写真:ザーカー 久美子
地図を見る公園を訪れたら、まずはビジターセンターへ。展示室やお土産屋さんがあるほか、スタッフの方からトレッキングについての情報が得られます。
ブライスキャニオンには、10本のトレイルコースがあり、そのうち2本は、キャンプ場に宿泊しながらトレッキングする「バックカントリーハイキングトレイル (Backcountry Hiking) 」で、ビジターセンターでの登録(有料)が必要となります。
ビジターセンターに最も近い展望台「サンライズポイント (Sunrise Point) 」から「サンセットポイント (Sunset Point) 」の崖ぞいのトレイルコースは舗装されており、車椅子の方も安心して散策することができます。
天使が舞い降りてきそうなファンタジックな光景。想像以上の美しさに、うっとりすることでしょう。サンセットポイントの東側には、北欧神話の神・トールの武器をイメージさせる「トールハンマー (Thors Hammer) 」と呼ばれる、巨大ハンマーに似た岩の尖塔を眺めることができます。片道およそ1時間のコースです。
サンセットポイントの近くには、公園内にある唯一の宿泊施設「ブライスキャニオンロッジ (Bryce Canyon Lodge) 」があり、展望台まで歩いて朝陽&夕陽鑑賞ができて便利です。
写真:ザーカー 久美子
地図を見るブライスキャニオンの素晴らしい景色を間近で見たいなら、谷へくだるトレッキングが一番!
最も人気があるのは、サンライズポイントが起点の「クイーンズガーデントレイル (Queens Garden) 」とサンセットポイントが起点の「ナバホループトレイル (Navajo Loop) 」を組み合わせたルートです。
どちらのポイントを出発点にしてもいいのですが、「クイーンズガーデントレイル」は、ゆるやかながらも下り坂が続くので、サンライズポイントから時計回りに出発するのがベスト。というのも、ブライスキャニオンは、標高2500mの高地にあるため、思いのほか、空気が薄く、登りが大変なんです。
それでは、トレッキングスタート!
きちんと整備された歩きやすい砂の道をくだっていきます。時折、岩のトンネルがあり、その穴越しに見る尖塔は、絵画的で美しさがより際立ちます。このトレイルコースの中ほどには、「ビクトリア女王 (Queen Victoria) 」と呼ばれる尖塔があり、まさしく、ドレスを身にまとった女王様のよう。
出発点からおよそ3kmの場所に、「クイーンズガーデントレイル」と「ナバホループトレイル」、そして、急勾配ながら壮大な景観が楽しめる上級者向けの「ピーカブーループトレイル (Peekaboo Loop) 」の分岐点にたどり着きます。
ブライスキャニオンのトレイルコース上には、金のメダルのついた案内板が立っており、そのうちの3つを写真に収めて、ビジターセンターのスタッフに見せると、記念品が貰えます。健脚派の方は、ぜひ「ピーカブーループトレイル」にもトライしてみてください。およそ3〜4時間のコースです。
写真:ザーカー 久美子
地図を見る分岐点から、周回コースの「ナバホループトレイル」の西側の道を進んでいくと、迷路のように狭い「ウォールストリート (Wall Street) 」が見えてきます。光を求めてマツ科の針葉樹・ダグラスモミ (Douglas fir) がすらっと天高く伸びており、命の偉大さに感激します。
分岐点から東側の道には、岩壁の狭間に架けられた砂岩の小さな「二重橋 (Two Bridges) 」を見ることができます。お時間のある方は、ちょっと寄り道して、2つの見どころを訪れてみては?
圧迫感のある高い壁に挟まれた急な登り坂をジグザグのぼっていくと、標高差183mの頂点・サンセットポイントに到着。出発点からおよそ2〜3時間のトレイルコースです。
公園内には、希少種のユタプレーリードッグなど70以上の哺乳類と200種を超える鳥たちが暮らしています。トレッキングとあわせて、アニマル&バードウォッチングをお楽しみください。
そして、4月〜10月までは、トレイルコースでの乗馬ツアーに参加することも。冬には、積雪が1mを超える渓谷で、クロスカントリースキーが楽しめますよ。
※冬季には、サンセットポイント〜ウォールストリートの区間は閉鎖されます。
写真:ザーカー 久美子
地図を見るブライスキャニオンの美しい朝陽を鑑賞するなら、「ブライスポイント (Bryce Point) 」がおススメ! 前述の「ピーカブーループトレイル」を上から望むことのできる展望台です。観光の中心である「ブライス・アンフィシアター地区」で、最も標高の高い2529mに位置し、奇岩の「アンフィシアター (円形劇場)」をパノラマで見渡せます。
朝陽が昇るごとに変化するパステルカラーのグラデーションは、まるで魔法の世界。空気の震える音だけが耳にとどく静かな森で、幻想的な時間をお過ごしください。
この展望台には、ブライスキャニオンの由来となったエベネゼル・ブライス (Ebeneser Bryce) とメアリー・ブライス (Mary Bryce) 夫妻の説明板が立っています。
2000年ほど前から、北米先住民のプエブロ族 (Pueblo) がこの地に居住し、時を超え異なる部族が暮らした後、1875年に夫妻は入植、開拓をしました。説明板には彼らの肖像画のほか、エベネゼルの建てた家と教会の写真があり、当時を偲ぶことができます。
ブライスキャニオン国立公園では、年間を通して様々なイベントがあり、月明かりのフードゥーを歩く「フルムーンハイク (Full Moon Hikes) 」や天体観測のイベント「ダークレンジャー (Dark Rangers) 」などが開催されています。
ダイナミックで繊細な奇岩の森「ブライスキャニオン国立公園」で、パステルカラーの絶景をぜひトレッキングしてくださいね。
〈一旅一首〉
フードゥーの女王は毅然とたちむかう弦を絞った弓張り月へ
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(2024/4/27更新)
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