「銀閣寺」を楽しむ5つのポイント!足利義政が追求した日本の美

「銀閣寺」を楽しむ5つのポイント!足利義政が追求した日本の美

更新日:2017/06/23 15:24

室町幕府八代将軍であった足利義政が、自分のもてる芸術的センスのすべてを注ぎ込んだ世界文化遺産「銀閣寺」。金閣寺との違いは、四季折々の花が咲く、美しき庭園です。

銀閣寺を巡るおすすめルートを案内しつつ、その本当の姿を知るために必要なポイントを伝授します。

ポイント1 いきなり目隠し。まるで迷路の始まりのような高い垣根

ポイント1 いきなり目隠し。まるで迷路の始まりのような高い垣根
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両サイドがお土産物の並ぶ参道を上がっていくと突当りが銀閣寺の山門になる。門をくぐると、目の前にまるで外の世界をシャットアウトするような背の高い垣根が現れる。

これは「銀閣寺垣」といって石垣、低い垣根と、背の高い椿や樫をはじめ18種類もの常緑樹の組み合わせで構成されているので四季おりおり季節ごとに花や実がつき、その姿が微妙に変化していく。

狭い参道と高い垣根という効果によって、次にどんな景色が現れるのかという期待を訪問者に与える目隠し効果になっている。

銀閣寺の美はもうここから始まっているということを知って欲しい。

ポイント2 窓枠の中に季節を感じよう

ポイント2 窓枠の中に季節を感じよう
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銀閣寺の観光でもっとも必要な事は、教科書通りの知識などではなくて、目の前にあるものの奥にあるものを見抜く感性だといえる。

この窓は方丈への玄関の前にある「花頭窓」といって禅宗寺院のお堂でよく使われるデザインなのだが、ほとんどの人が気付かずスルーしてしまうのは残念。

今でこそ連日、ものすごい数の観光客が押し寄せる銀閣寺だが、本来は将軍義政公の別荘であり趣味の館のようなものだったので、招かれる客人は当時の歌人、茶人、絵画や陶芸におぼえのある友人に限られたはず。

そういった客人が玄関へのアプローチで最初に目にするのがこの窓なので、彼らの心をつかむためには一番大事なポイントかもしれない。

この写真は初夏なのでツツジだが秋になれば紅葉、冬には雪、春には桜といった四季の景色がこの小さな窓一つで表現されている。

ポイント3 感覚は500年前、目線は常に東求堂から

ポイント3 感覚は500年前、目線は常に東求堂から
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この銀閣寺の中の建物のうち、オリジナルで現存しているのは銀閣とよばれる観音殿とこの東求堂だけである。(ともに国宝)

そして義政公が日ごろ生活をされていたのも東求堂であり、観音殿の建設途上、完成を心待ちにされながら逝去されている。

ということは、義政公は常にここから見た状態を念頭に置いて庭を造られていたに違いないと考えられるわけだ。

東求堂は非公開であるが、春秋の特別公開の折りには是非一度中へ入ってみて義政公の気分に浸ることをおすすめする。

その他の季節には、とりあえず方丈の縁側に座ってしばし景色を眺めるだけでも全然ちがう見かたができるはず。

ポイント4 月の明かりを味方にしよう

ポイント4 月の明かりを味方にしよう
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何回も言うが、銀閣寺はお寺であるが他の観光寺院とはちがい、将軍足利義政公が心血を注いだ究極の別荘である。

観光で訪れる場合、どうしても朝から夕方の時間帯に限られてしまうのだが…ここで少し頭の中で想像してみてほしい。

そう「夜の銀閣」だ。

今から500年も前の話であるから、電気もネオンの明かりもなく数本のろうそくがその周囲を照らすだけで、あとは真っ暗闇であったことだろう。

しかし、庭にある砂で固められた白く大きなプリンのような造形物は「向月台」一筋の滝が落ちるこの泉は「洗月泉」何よりこの銀閣寺の東にあるのは「月待山」という名前が付けられている。

これが一体何を表しているかは容易に想像できるはず。

銀閣寺の本当の姿は月明かりが差し込んだときに現われるが、残念ながら夜間の拝観はしていないので、あくまでも頭の中で思い描くしかない。

ポイント5 「金閣寺」より華やかな「銀閣寺」

ポイント5 「金閣寺」より華やかな「銀閣寺」
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どうしても「金閣寺」と「銀閣寺」は常に比較されてしまう。

そして残念なのは、そのほとんどの人たちが「華やかなのが金閣」で「地味なのが銀閣」と思い込んでいるところである。

これは現場に立って頂くと良くわかるが、金閣寺のお庭には松をはじめとする常緑樹が圧倒的に多いのに対して、銀閣寺の庭には桜、楓、ツツジ、サツキ、椿、カキツバタ等々数えきれないほどの草花が生息しており四季を彩る。

それから特筆するのは庭はもちろん斜面全体に広がる「苔」だ。

京都の西芳寺は「苔寺」として有名だが、この銀閣寺の苔もけっして引けを取らないほどよく手入れがされており、素晴らしい。

ただし、春と秋はもの凄く混雑するので一番良い季節は5月のGWが終わった頃の新緑をおすすめいたします。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2013/06/04 訪問

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