東京でパナマ運河体験!小名木川(おなぎがわ)クルーズ

東京でパナマ運河体験!小名木川(おなぎがわ)クルーズ

更新日:2013/07/16 15:06

大竹 進のプロフィール写真 大竹 進 元旅行会社勤務、元旅行専門学校講師
東京でパナマ運河が体験出来るなんてどういう事? と不思議にお思いの人がいるかと思います。その真相は、パナマ運河と同じシステムを使って通過できる運河が東京にもあるということ。パナマ運河のように水位に高低差がある場合、途中に閘門を設けて人工的に水位を上下させ、船を往来させるのです。そんな場所が実は東京にもあるなんて驚きです。そんな、パナマ運河の雰囲気が味わえる(?)運河クルーズを今回はご紹介します。

「扇橋閘門(おうぎばしこうもん)」(1977年完成)

「扇橋閘門(おうぎばしこうもん)」(1977年完成)

写真:大竹 進

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その場所は江東区を流れる小名木川にあります。
小名木川は行徳(ぎょうとく)の塩を江戸に輸送するため1590年に作られた運河で、江戸時代には物流の大動脈でした。しかし、明治以降近代工業による地下水の汲み上げなどで地盤沈下が起こり、水害が発生するように。そこで、内部の水位を隅田川や荒川より低く設定することで水害を防いでいます。その途中にあるのが水門で、この水門がパナマ運河と同じ仕組みとなっている訳です。

隅田川方面から入る場合、船が扇橋閘門に近づくと
(1)後扉が閉まっている状態で前扉が開き、閘室(こうしつ)へ船が進入。
(2)船が閘室へ進入後、前扉が閉鎖。
(3)閘室内の水位を進行方向の運河の水位まで降下。
(4)進行方向の運河の水位と同じになると後扉が開き、船は閘室から出て前方へ航行開始。
通過には約20分かかりますが、通行料はかかりません。

閘門通過後の小名木川

閘門通過後の小名木川

写真:大竹 進

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小名木川は隅田川から旧中川まで、江東区を東西に横断している長さ4640mの運河ですが、現在両岸には遊歩道が整備されつつあります。
都内の河川は隅田川を始め、多くの河川でかつての味気ない護岸だけの状態から、遊歩道などの整備が進み、川沿いに散策するのも楽しい場所が増えているのは嬉しいですね。

「荒川ロックゲート」(2005年完成)

「荒川ロックゲート」(2005年完成)

写真:大竹 進

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旧中川と荒川を結ぶ閘門「荒川ロックゲート」。
小名木川から旧中川へ抜け、この荒川ロックゲートに入って閘室で荒川の水位まで上昇するのを待ち、同じ水位になった段階で前の扉が開いて荒川へと航行して行きます。こちらも通行料は不要。
東京湾の場合、満潮と干潮では約2m干満の差があり、船に乗っていると両岸の水位がどんどん上がって行くのが見え、貴重な閘門体験を実感出来ます。

今回乗船した船(乗客定員10名)

今回乗船した船(乗客定員10名)

写真:大竹 進

このツアーは「NPO法人 あそんで学ぶ環境と科学倶楽部」が主催する「都心の水辺でエコツアー」の中の「小名木川1日コース」です。
閘門を2箇所通って来る珍しい体験が出来るコースで、船は勝鬨(かちどき)橋近くの事務所に10:00に集合して説明を受けた後近くの桟橋から出航し、隅田川→小名木川→荒川 を巡る所要時間約4時間(14:30〜15:00頃解散)。 
途中、夢の島マリーナで昼食休憩(個人負担)となるコースで、料金は5000円(子供2500円)。
環境にやさしいエレクトリックボートで巡る体験型環境教育ツアーで、私達の生活と水路の関わり方を、認定ガイドの人が色々解説してくれ、歴史的背景や高度経済成長期の変貌、現在の使われ方などを楽しみながら学べるツアーですので、親子で社会科見学というのも良いですね。
普段見ることのない視点からの風景、閘門という珍しい施設の通過体験、まさに遊んで学べる面白い1日です。
他に「神田川・日本橋川コース」「天王洲・芝浦コース」などがありますので、興味をお持ちの方はお問い合わせ下さい。

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/04/29 訪問

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