100周年を迎えた函館市電に乗って、大河ドラマで脚光浴びる「新島八重」の夫ゆかりの地を訪ねてみよう!

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100周年を迎えた函館市電に乗って、大河ドラマで脚光浴びる「新島八重」の夫ゆかりの地を訪ねてみよう!

100周年を迎えた函館市電に乗って、大河ドラマで脚光浴びる「新島八重」の夫ゆかりの地を訪ねてみよう!

更新日:2013/07/09 18:46

カナマル トモヨシのプロフィール写真 カナマル トモヨシ 航海作家、船旅ジャーナリスト

大河ドラマ「八重の桜」。ヒロインは綾瀬はるかさん演じる新島八重(1845〜1932年)。これまで新島八重を知らなかった人たちも、彼女の存在とその生き様に関心を持つようになり、ドラマの舞台となった福島県会津若松市は観光客で賑わっている。
ここ北海道・函館にも八重の人生に多大な影響を与えた人物ゆかりの地がある。ちょうど今年は函館市内を走る路面電車の開業100周年。市電でドラマの舞台を訪れてみよう。

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2015年に北海道新幹線がやってくる函館!でも旅情を求めるなら津軽海峡を渡るフェリーで上陸だ

2015年に北海道新幹線がやってくる函館!でも旅情を求めるなら津軽海峡を渡るフェリーで上陸だ

写真:カナマル トモヨシ

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はるばる来たぜ、函館。

函館といえば、北島三郎さんの名曲「函館の女(ひと)」の一節が思い浮かぶ。かつては本州の北の果て・青森と函館を結ぶ青函連絡船で津軽海峡を越えてゆかねばならず、船を降りた時には「はるばる来たぜ」と旅人は感じたはずである。そんな函館も今でこそ日本各地と飛行機で結ばれ、遥かなる土地とは感じにくくなった。

また、鉄道でも青函トンネルが1988年に開業し、本州と鉄路でつながった。
そして2015年には新青森まで伸びた新幹線がさらに新函館駅(仮称)まで延伸し、北海道新幹線が東京と函館を乗り換えなしでつなぐようになる。

函館に関する名曲といえば、もうひとつ。石川さゆりさんの「津軽海峡冬景色」を忘れてはならないだろう。歌詞では、上野発の夜行列車を降りて、青函連絡船に乗って函館に向かう情景が描かれている。
青函トンネルの開通で連絡船は廃止されたが、津軽海峡冬景色に登場するような北へ向かう独特の旅情を味わいたいなら、いまも青森と函館を結ぶフェリー旅が断然オススメだ。

かつての青函連絡船は青森駅に直結した乗り場から出ていたが、現在、青森と函館を結ぶフェリー乗り場は市内から少し離れた場所にある。
青森駅または新青森駅から有料(200円)のシャトルバスがフェリーターミナルまで運行されているので、これを利用すると便利でリーズナブルだ。

「21世紀の青函連絡船」は津軽海峡フェリー(画像)と青函フェリーの2社が運航。青森と函館の間を4時間足らずで結んでいる。とりわけ、津軽海峡フェリーの函館便到着に合わせて、ターミナル前からJR函館駅に向かうシャトルバスが運行されている(大人300円)ので、観光にも大いに便利だ。

今年で100周年を迎えた函館の市電。観光には「市電1日乗車券」がお得

今年で100周年を迎えた函館の市電。観光には「市電1日乗車券」がお得

写真:カナマル トモヨシ

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フェリーターミナルからシャトルバスでおよそ20分。JR函館駅前に到着。函館駅前からは市電に乗り換えて、今回の目的地を目指すことにする。

すると、なんともハイカラな雰囲気の電車がやってきた。全面の青い数字「5」の下にある「百」という文字に注目していただきたい。

実は今年の6月29日、函館の路面電車は開業100周年を迎えた。100年前といえば大正2(1913)年。1世紀にわたって函館市民や、観光客の足を支えてきたのだ。

運賃は大人料金200円から。観光には「市電1日乗車券」が便利でお得。200円区間を4回以上乗れば、元が取れる!函館駅では観光案内所で買える。

さて、これから向かうポイントへは「函館どつく前」行きに乗る。
ちなみに青数字5は函館市電の5系統(函館どつく前路線)を意味する。

明治18年にできた建物にあるカフェの名はJOE

明治18年にできた建物にあるカフェの名はJOE

写真:カナマル トモヨシ

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函館駅前電停から4つめの「末広町」で市電を降りる。観光客のほとんどはここから基坂(もといざか)や八幡坂など函館山に通じる坂道を上ってハリストス正教会、旧函館区公会堂などの名所に向かう。

しかし筆者の目はひたすら海に向けられる。市電の走る道路を函館どつく方面にしばらく真っ直ぐ進み、やがて右折。こんなおしゃれなカフェが目に入る。

その名は「CAFE dining JOE」。

ジョー?明日の?
立て、立つんだ!
いや、矢吹の方ではなく新島が今回は正解だ。

このカフェのそばに新島八重の夫であり、京都にある同志社大学の創設者・新島襄(1843〜90年)にゆかりの地があるので、このネーミングとなったのだろう。
しかし先を急ぐことなかれ。このカフェの建物をよく見てもらいたい。なにか歴史の重みを感じないか?

この建物が建てられたのは明治18年。西暦では1885年。函館市電よりも28年も早い。函館市の景観形成指定建築物に指定されている。

しかしそれ以前からここは諸国物産回漕業を営む成田商会があった。成田商会は幕末、上海や大連(当時の清国、今の中国)への航路を持つ唯一の回漕店であった。そのつてで日本から飛び出したのが、新島襄だったのである。

それではこの建物の前にある道路を渡って、海の方へ行ってみよう。

新島襄はここから世界へ飛び出した!

新島襄はここから世界へ飛び出した!

写真:カナマル トモヨシ

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突き当りには石碑がぽつんと立っている。これが、「新島襄海外渡航の地碑」だ。

新島襄が生きた幕末は、日本が開国し、欧米の文明が流入してきた時代であった。
実は当時、新島襄は最初から襄と名乗っていたわけではない。この頃は七五三太(しめた)という名である。七五三太は新しい知識を海外で吸収しようとして、外国への密航を考えた。
そして、日本脱出の地として選んだのが、欧米諸国との条約で開港し、上海航路のある函館であった。

そして1864年6月14日(新暦では7月17日)、まさにこの碑のある地点からアメリカ船ベルリン号で日本を離れることに成功した。
上海に到着した七五三太は船を乗り換え、アメリカに向かう。その船中、船長にジョセフというニックネームで呼ばれた。七五三太は以後、ジョセフを略して襄(じょう)と名乗るようになった。

1年後の1865年、新島襄はボストンに到着。足掛け10年におよぶ修学をへて1874年、明治の世を迎えた日本に戻った。

その翌年、京都で同志社英学校を開校し、校長に就任。八重と結婚するのは1876(明治9)年のことである。

「八重の桜」では、新島襄をオダギリ・ジョーさんが演じている。よく考えてみれば「ジョー」つながりである。
函館からの密航の場面と、ボストン入港のシーンはすでに放送済み(2013年7月10日現在)で、新島襄の登場はまだまだ少ないが、今後はドラマでも重要なキャストとして出演回数も増えてくるだろうから、このスポットには今から注目だ。

なお碑に書かれているのは渡米の途上、香港で新島襄が作った漢詩。見知らぬ天地へ旅立つ男の決意が時代を超えて伝わってくる。ここを訪れたら、ぜひ読んでもらいたい。

余談だが、電停「末広町」から海の方に行くと、すぐに「北海道第一歩の地碑」をみつけることができる。
そばには一艘の小舟に乗り込み、ベルリン号に向かう新島襄の姿を再現したブロンズ像もあるので、こちらもあわせて見ておきたい。

あの「ミシュラン」が星一つ★を付けた建物もすぐそば!

あの「ミシュラン」が星一つ★を付けた建物もすぐそば!

写真:カナマル トモヨシ

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グルメの権威といえばミシュラン。そのミシュランが日本の魅力を紹介する旅行ガイド「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」を発行しているのはご存知だろうか。

その改訂第2版(2011年5月発売)では、函館地区のスポットが数多く紹介されている。掲載地は旅行者へのオススメ度という観点で、星なしから「わざわざ旅行する価値がある」という三つ星まで分類されている。

星は「わざわざ旅行する価値がある(★★★)」、「寄り道する価値がある(★★)」、「興味深い(★)」を意味しているが、函館では
★★★・・・函館山からの眺望
★★・・・・五稜郭跡、旧函館区公会堂など
となっている。

実は「新島襄渡航の地碑」の周囲には興味深い、つまり星一つスポットが点在している。たとえば画像の相馬株式会社社屋。

ペパーミント色というだけでもずいぶんと珍しいが、ここは幕末の1863年(新島襄密航の1年前)に米穀商として開業した相馬商店が起源。
ミシュランの星二つの旧函館区公会堂など、街の整備に初代社長が私費を投じたことでも知られる。この建物は1915(大正4)年に完成し、今なお現役である。

そしてここから元町公園さらに旧函館区公会堂にいたる基坂も星一つ。道一つ隔てた北方民族資料館の建物も星一つ。

新島襄ゆかりの地をめぐるついでに、こうした「興味深い」スポットを訪ね歩くのも新たな函館の魅力発見になるはずだ。

掲載内容は執筆時点のものです。

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