写真:根岸 早都子
地図を見るトラピスト修道院(正式名称は厳律シトー会 灯台の聖母トラピスト修道院)は、日本で最初のカトリック男子修道院として1896年(明治29年)に創設されました。ヨーロッパを思わせるような美しい赤レンガの建物は、最初の修道院が焼失してしまったため、1908年(明治41)に建て直されたものです。
内部見学は男性のみ、更に事前予約が必要になるため、入れるのは修道院から少し手前の格子門まで。神聖で凛とした雰囲気に、心がすっと落ち着き、背筋が伸びるような不思議な感覚に包まれます。
修道院周辺は自然がとても豊か。1年を通して季節ごとに楽しむことができるのも魅力です。春には満開の桜、夏には木々が青々と生い茂り、秋はほんのり色づく紅葉、そして澄んだ空気と静粛な時間に神聖さを増す冬。四季折々の風景を修道院とともに堪能できる素晴らしい環境です。
写真:根岸 早都子
地図を見る修道院で生活している修道士たちは、祈りに始まり祈りに終わる生活を送っています。ミサの他にも、敷地内にある果樹園での農作業や、函館を代表するお土産のトラピストクッキーなどが、敷地内にある工場で、修道士たちの手により作られています。祈りと労働による規律正しい生活を送る修道士たちの姿を見ることはできませんが、敷地内にある「資料展示室」では修道院内で行われている作業や、院内の様子などが写真と共に紹介されています。
写真には、焼失する前の修道院の姿を見ることができる貴重なものも。小さい施設ながら、歴史や歩みを知ることができるツールとして重要な役割を果たしています。展示室は正門の左手に設けられており、こちらは見学自由。
実は知らない人も多いのですが、正面駐車場から徒歩30分、裏の駐車場から徒歩で20分のところに「ルルドの洞窟」があります。
「ルルド」とは、フランスにある小さな町で、そこにある「ルルドの泉」は、有名なカトリックの巡礼地であり、世界中から人々が訪れます。聖母マリアが出現した場所ともされており、泉から湧き出る水は、不治の病をも治すと言われた大変神聖な場所でもあります。
そんな世界的にも有名なルルドの洞窟が1910 年(明治43 年)、トラピストの裏山にもつくられました。洞窟までは坂や階段を上り、山道が続くのですが、道の途中には緑々とした草原やポプラや杉並木など、北海道ならではのさわかな風景を楽しむことができます。更にルルドの洞窟は展望台としても有名で、よく晴れた日には海の向こうに函館山、更には青森を見渡せるという絶景を堪能できます。時間に余裕がある時、天気が良い時に訪れたい場所です。
写真:根岸 早都子
地図を見る修道院は小高い丘にあるため、坂を上がらなければなりません。そこにはスロープもついており、子供でも登ることができますが、冬は足元が大変滑るので注意が必要。坂を登り切って振り返えるとそこには、綺麗に並んだポプラと杉の木々が道なりにずっと先まで続いており、並木道の間からは太平洋のパノラマビューが!春〜夏にかけての、木々の緑と青い海のコントラストの美しさには感動です。
修道院だけでなく、異国の雰囲気、風景の美しさ、神聖な空気、様々なものを肌で感じることができるのが、トラピストの魅力。いつまでもそこに立っていたくなるような不思議な空気をぜひ味わってみて下さい。
提供元:みなみ北海道フォトライブラリー
http://www.minami-hokkaido.jp/photo_lib/一度はお土産でもらったこと、買ったことがあるのではないでしょうか?函館土産の代表、全国的にも有名なのが「トラピストクッキー」です。空港やお土産屋さんで売られているクッキーやバター飴、実はこのトラピスト修道院の敷地内にある工場で、修道士たちの手により作られています。
作られたお菓子やバター、ジャムは同じく敷地内にある、修道院直営売店で購入することができるので便利。4月末頃〜10末にかけてはソフトクリームも販売されます!ソフトクリームは直売所限定発売ですので、ここでしか味わえない貴重なもの。濃厚な味わいで美味しいと大好評です。ぜひ一度お試しあれ。
何度も足を運びたくなる不思議な魅力があるトラピスト修道院ですが、公共交通機関を使いづらいのが難点。JRやバスを使って行くことは可能ですが、本数がとても少なく、1本乗り過ごすとその次は数時間後なんてことも・・・。
確実に、そして時間を有効に使って行きたい場合はやっぱり車が便利。割高ではありますが、レンタカーや観光タクシーがおすすめです。車が難しい場合は、JR「渡島当別」駅下車、徒歩20分で行くこともできますが、公共交通機関の利用は天気のいい日を選んで行きたいものです。
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(2024/4/25更新)
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