金剛峯寺を訪れた際、最初に通るのが正門。金剛峯寺の中で1番古い建造物となっています。一歩足を踏み入れれば、そこには1200年という長い歴史を築いてきた神聖な空気の流れを感じます。
正門の左右には、異なった2つの寺紋が掲げられていることにお気づきでしょうか?左には「五三の桐」、右には「三頭右巴」という2種類の寺紋。五三の桐は豊臣秀吉拝領の青厳寺の寺紋であり、三頭右巴は高野山の鎮守であり天野大社とも呼ばれる丹生都比売神社の定紋です。一般的に寺紋は1つですが、金剛峯寺ではこれら2つが寺紋とされています。
檜皮葺の大きな屋根が印象的な金剛峯寺の「大玄関」。今で言うところのメインエントランスです。この大玄関から中へと入れるのは、天皇・皇族・位の高い僧侶のみと厳格に決められていました。外観には華美な装飾こそ施されていないものの、長い時を刻んできたその佇まいは威厳と気品に満ち溢れています。
拝観ルートに沿って寺内見学をしていくと、見事な襖絵を施した広間に行きつきます。大広間、持仏間、梅の間、柳の間、別殿、奥書院とそれぞれの部屋の襖には美しい絵図が描かれており、見学者の目を引き付けています。四季折々の動植物たちが力強く鮮やかに描かれた襖絵の迫力に魅了されること間違いありません。
弘法大師が入定して1150年がたった1984年に、参拝者の接待所として新設された「新別殿」。普段は参拝者の休憩所として開放されており、高野山のお坊さんが開講する法話を聴くことができます。初心者も抵抗のないように例やユーモアを交えながらわかりやすくお話してくれるので、弘法大師の訓えをしっかりと学ぶことができます。
「蟠龍庭」は奥殿を中心に広がる日本最大の石庭。勅使門の左に雄龍、右に雌龍を表す石が奥殿を守るようにして配置されています。使用されているのは弘法大師誕生の地である四国の霊石。地面には雲海を描くよう京都の白川砂が敷かれています。自然と調和し季節によってさまざまな表情を見せる「蟠龍庭」の美しさを堪能してください。
金剛峯寺で弘法大師の訓えを学んだ後は奥之院を訪れてみましょう。奥之院には弘法大師が入定した御廟があり、そこに続く緑深い参道には無数の墓石と供養塔が並んでいます。身分や宗派を問わず多くの魂が眠り、弘法大師が偉人のみならず一般市民からも支持を集めていたことがわかります。
この地そのものが弘法大師とともに生きているような不思議な力を感じさせる「高野山」。この地ならではの歴史・文化・自然に触れ、弘法大師そして金剛峯寺についてさらに理解を深めてみてはいかがでしょうか。
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