上の写真は中央駅です。こちらのエントランスは、かつて皇帝専用の出入り口でした。
古くは1233年の文献にも登場するキール。中世からハンザ同盟の一員として海洋交易においては抜きん出た存在感を示していました。
時はたち1919年。再びキールの名前が脚光を浴びます。第一次世界大戦で疲弊した海兵たちが帝国政府に対し反旗を翻して、共産主義的なコミュニティ、レーテを立ち上げます。この動きがドイツ各地へと広がり、ドイツ帝国政府は連合国に対して降伏を決断。戦争が終結します。
バルト海に面した入江の奥に位置するキールは古くから海軍の街として発展してきました。そのため、戦時中の港湾部・市街地への爆撃は凄まじく、現存している当時の建物は残念ながらほとんどありません。しかし当時の町並みを復元しつつ、戦後の発展へと歩み始めた西ドイツと歩調をあわせるようにして、キール市も発展していきます。
人口は24万人。主な産業は、今ではサービス業ですが造船業でも有名です。
それでは、キールに訪れた際ぜひ抑えておきたいポイントを、おすすめルートと共にご紹介します。
まず最初はなんといっても港。中央駅からすぐハーバースポットにアクセスできます。海辺には昔懐かしい帆船の姿も。海べりをまっすぐ進んでいけば豪華客船のターミナルへと続きます。
駅前からは小型船に乗って、対岸Laboeという海岸や1972年のミュンヘン・オリンピックで使用されたオリンピックハーバーへと足を延ばすこともできます。
キールは、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン州の州都(日本で言う県庁所在地)でもあります。
駅前のバス停で41番のバスに乗って「Landtag」停留所で下車します。目の前には大きなレンガ造りの建物が。そこには入らず、まず港に向かいましょう。振り返ると、そこにガラス張りの大きな直方体が目に飛び込んできます。こちらは州議会。
ガラス張りの建物の中では、なんと議会が開催されているのです。開かれた地方政治を目指して2004年に完成しました。晴れた日には太陽がさんさんと差し込んで、とても明るい雰囲気の中で議論がなされています。
港沿いに遊歩道が整備されているので、こちらでは散策がおすすめです。南に向かって歩いていけば海上警察・海洋研究所・豪華客船の桟橋など興味深い建物・船がたくさんあります。また対岸に目を向けるとそこには造船所のドックなども。興味深いのは海に面しているのに潮風があまり気にならないところ。さわやかな風が吹き抜けます。
州議会の前から港に向かって右方向(南西方面)に20分から30分ほど歩くと、大通りが出てきます。ここで32番もしくは41番のバスに乗って「Andreas-Gayk-Strasse」停留所で下車します。
ここから、市内中心部へと続くショッピングストリートが始まります。少し歩いた先には、シュパーカッセンアレーナという大きな体育館が。ハンドボールチームTHWキールの本拠地です。ドイツをはじめヨーロッパでは、サッカーだけではなくハンドボールも人気のスポーツ。THWキールはそのなかでヨーロッパNo.1の座に何度も輝いたことのある強豪です。機会があったら試合を見てみるのも面白いかもしれません。バスケットボールのように点がばんばん入るので、試合の間は常にスタジアムが熱狂の渦と化します。
ショッピングストリートを抜けた先には、市庁舎が出てきます。1911年に完成し、現役で通常業務にも使われています。そこから10分ほど歩くと旧市街に。ここにはキールを代表する教会、聖ニコライ教会が立っており、町の歴史を今に伝えています。プロテスタントの教会で中はシンプルでありつつも厳かな雰囲気。ぜひ入ってみてください。付近は新しい建物も多いのですが、どこか懐かしい香りがする一帯です。
教会前の広場を越えてほぼ正面に、キーラーブラオエライ(Kieler Brauerei)という地ビールを提供するレストランがあります。おなかもすいてきたことですし、こちらでディナーといきましょう。ドイツが誇る豚肉料理の数々をご堪能ください。
今回はおすすめルートで、街歩きにぴったりの北ドイツの街、キールをご紹介しました。
首都ベルリンから新幹線ICEにて3時間のところにあります。ドイツ北部の中心都市ハンブルクからは電車で90分。市内交通はバスが基本。1日乗車券(6ユーロ)を購入して街歩きを開始しましょう。
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