ご紹介する「恵比須島」は、伊豆急「下田駅」からバスで約15分。終点の「須崎海岸」下車、徒歩約5分の場所にあります。
須崎御用邸で知られる下田市の須崎半島の南端に位置し、海にぽっかりと浮かぶようにあるこちらの島が「恵比須島」。南北100m〜200m程の小判の形をした島で、周囲は約300mある無人島です。島の周りをぐるりと回って歩ける遊歩道が整備されていて、散策することができます。
島の山頂は、商売繁盛などにご利益がある「恵比須神社」が祀られています。境内の敷地からは、奈良時代の祭祀跡「夷子島遺跡」が出土。かつては、古代の人々が「海の神」に祈りを捧げた場所で、古くから信仰されてきた島です。そんな聖域とも言える場所に、神の仕業と思えるような神秘的な光景が広がっています。島へは、恵比須橋を通って簡単に行くことができるので、早速絶景を見に出掛けてみましょう!
島を右手側から回ると、島肌にこんな風景が見られます。
滑らかでしなやかな曲線が美しく、まるでカーテンのドレープのような気品溢れる優美さで、この地層は、アメリカの「ザ・ウェーブ」と同じ砂岩。白く綺麗な縞模様を作り出しているのは、海底に降り積もった軽石や火山灰です。悠久の時間が織りなしてできた神々しいほどの眺め。見ただけで、脳裏に焼き付いてしまうほど印象深く、この景色を見た人は、思わず「うわぁ〜」と声が漏れてしまうほどです。この地層は、伊豆半島ジオパークの顔とも言える代表的な景色で、ジオパークのポスターなどに使用されています。
伊豆半島ジオパークは、世界ジオパーク認定へ期待がかかっているので、やがては日本を代表する素晴らしい景色になるかもしれませんよ。なので、絶対に見ておきたい絶景です。
さぁ、うっとりとした光景を見た後は、次の見所へご案内しましょう。
遊歩道を歩いて行くと、ガラリと変わったこの景色が見えてきます。
先程までの優雅さはどこへいったのか、今度はゴツゴツとしたこんな光景が、目に飛び込んできます。先程のやさしくしなやかな女性的なイメージの地層とは違って、大きな岩や小さな岩が混じった黒っぽく力強い男性的な地層です。2つの異なった景色が見られるのも、この島の特徴で見所でもあります。
この層は、かつて海底を流れた土石流「水底土石流」と言うそうです。難しい名前のようですが、土や石が入り混じったこの眺めを見れば、名前の由来にうなずくことができます。
歩いてわずかな距離で、これ程までに異なった景色が見られるのは、不思議で面白く感じてしまいませんか?
この地層は、落石の危険があるので、歩く時は注意しながら歩いて下さいね!
こちらは、島の南側にある「千畳敷」と言われる平らな岩場。波が削った浅瀬が、隆起して海面に現れた「波食台」と呼ばれる場所です。先程の景色に加えて、こんな奇怪な景観が見られるのも魅力の一つです。
この岩は、加工しやすく耐火性に優れていたため、昔は蔵などの建物に使用されたそうです。この場所では、石を切り出した跡が見られ、歴史を感じられるスポットでもあります。
夏場は、干満によって潮だまりなどに取り残された魚や蟹などの生物の観察ができ、子供達の格好の遊び場にもなっていますよ。
如何でしたか?
島の周辺は、海底が見える程透明度が高く、シュノーケリングの大人気スポットです。
遊歩道は、コンクリートで整備されていますが、海水などで濡れて滑りやすい箇所もあるので、スニーカーなどの歩きやすい靴で行くのをお勧めします。悪天候の場合は、波がかかる恐れがあるため、天気の良い日に散策して下さいね。
遊歩道からは、水平線に浮かぶ利島などの伊豆諸島が見え、気分爽快な景色も広がっていますよ。太古の地層に触れれば、大地からエネルギーが頂け、ロケーションも最高なので、波音に癒されながら、是非、恵比須島を歩いてみては如何でしょうか?
この記事の関連MEMO
- PR -
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索