エストニア・タリン旧市街のヘンな伝説!歩きながら探してみよう

エストニア・タリン旧市街のヘンな伝説!歩きながら探してみよう

更新日:2015/11/16 16:19

バルト三国の中で最北に位置するエストニアの首都タリン。
中世の面影を残す美しいタリンの旧市街は、よく「おとぎの国」と形容されますが、歴史ある通りや建物にも、昔からの言い伝えがいくつか残されています。
歴史や観光スポットと合わせて、知っておくと街歩きをより楽しめる伝説のいくつかをご紹介しましょう。

トーマスおじいさん

トーマスおじいさん
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まずは、旧市街の中心「ラエコヤ広場」へ。
この広場に建つ旧市庁舎は、北ヨーロッパに唯一残るゴシック様式の市庁舎。その尖塔にいるのが、タリンのシンボル「トーマスおじいさん」です。

その昔、貴族が主催するアーチェリーのコンテストが毎年春に行なわれていました。
ポールの上の木製オウムを狙うコンテストで、誰も撃ち落すことができない中、貧しい家庭に育ったトーマスという少年が、見事に1発で撃ち落すことができました。
以降、トーマス少年は衛兵の仕事を任され、町のヒーローに。
後年、市庁舎の尖塔に立つ監視兵の風見がトーマスに似ていることから、タリン市民はこの風見を「トーマスおじいさん」と呼び親しんでいます。

塔は65メートルもあるので、おじいさんを肉眼ではっきり見ることは難しいです。カメラ越しにズームして見てみてください。
尚、現在のトーマスおじいさんは2代目。初代おじいさんは旧市庁舎内に保管されています。

のぞき見トム

のぞき見トム
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ラエコヤ広場から北へ少し歩くと、ピック通りがあります。
ピック通りの25番地の前では、建物の上を見上げてみてください。
カラフルで変わった壁のレリーフがあるこの建物は、「のぞき見トム」の家です。
写真左端のトムは、このように通りの向かいに住んでいた女性を、いつものぞいていたとか。
ちょっと気持ち悪いですが、実在の人物だそうですよ。

ヴァイム通り

ヴァイム通り
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ピック通りを北に向かって歩いていると、左手に続く薄暗い道があります。
これが、恐ろしい昔話を伝える「ヴァイム通り」、ヴァイムとは「幽霊」のこと。
その昔、この通りに住むオランダ商人が、妻を惨殺しました。以降、通りに幽霊が出るようになったとのことから、幽霊通りと呼ばれています。
夜歩くのは、ちょっと勇気がいるかも!?

巨人の職人オレフ

巨人の職人オレフ
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ピック通りをさらに北へ進むと、鋭くとんがった高い建物「聖オレフ教会」が見えてきます。
旧市街で最も高い建物で、塔の頂上まで124メートルと言われています。

オレフという巨人が建てた教会なので、聖オレフ教会と名付けられました。
自分の名前を明かさなかった職人オレフは、もし教会を建て終わる前に名前がみんなにバレたら、報酬は1ペニーでいい、という条件で、ひとりで教会を建て始めます。
市民たちは、彼の家をつきとめ、彼の妻が歌う子守唄から"オレフ"という名前を聞き出すことに成功。
教会がほぼ完成し、塔の頂上に十字架を取り付ける最後の仕事に取りかかっていたオレフに、市民が「オレフ!」と名前を呼んだところ、彼はそのショックで落下して、石化してしまいました。

教会の外壁には、石化したオレフの亡骸が横たわっています。巨人といわれたオレフですが、石像はそれほど大きくありません。キリスト受難の物語のレリーフの下にあるので、探してみてくださいね。

長い足・短い足

長い足・短い足
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最後に、タリン旧市街の有名な通りをご紹介。

かつて、貴族が住む山の手と、一般市民が築いた下町の間には、一本の道がありました。
それが、"長い足"という意味のピック・ヤルク通り。
その後、"短い足"という意味のリュヒケ・ヤルク通りができますが、幅が狭く勾配がきついこちらの道を一般市民が使うようになり、長い足の通りは貴族専用の道となりました。
街を人に見立てて、「タリンの街は片足をひきずって歩く」という冗談もあるとか。
ピック・ヤルク通りには、ブーツ型の雨どいがあり、長い足のシンボルとなっています。

是非、この2つの通りを歩いてみてください。タリン旧市街の見所である、トームペア城や大聖堂、見晴らしの良い展望台に続く道です。

まとめとして

異国の支配を受けながら築かれた長い歴史の中には、今でも語り継がれるストーリーが色々とあって、街歩きの前にサラッとおさらいしておくと、より楽しめると思います。
タリンの旧市街はとても小さく、一日あれば一周のんびり歩けますよ。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/10/26−2015/10/27 訪問

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