青森・五所川原「太宰治疎開の家・旧津島家新座敷」ファン必訪の聖地

青森・五所川原「太宰治疎開の家・旧津島家新座敷」ファン必訪の聖地

更新日:2018/04/04 12:49

太宰治の観光スポットと言えば、「太宰治記念館・斜陽館」が有名ですが、同じく青森県五所川原市金木町には「太宰治疎開の家・旧津島家新座敷」という“裏・斜陽館”ともコアなファンの間では呼ばれている場所があります。
1945年7月に家族と共に疎開して、一年四ヶ月を過ごした家。太宰治ファンの“もう一つの聖地”、青森県五所川原市にある「太宰治疎開の家・旧津島家新座敷」を御紹介致します。

「津軽鉄道線」と「金木町」

「津軽鉄道線」と「金木町」
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JR東日本・五能線の五所川原駅に併設している津軽五所川原駅から津軽鉄道線に乗車します。津軽中里駅までの全長20.7キロメートルの鉄道で、“つてつ”の愛称で呼ばれる津軽鉄道線を北上すると六個目の駅が金木駅(かなぎえき)。

太宰治が生まれ育った青森県五所川原市金木町の駅です。「太宰治疎開の家・旧津島家新座敷」はこちらから徒歩で約4分の場所となります。
金木駅では、太宰号と名付けられた無料レンタサイクルのサービスも提供しています。4月初旬〜11月中旬までの期間に実施されているので、必要に応じて利用してみて下さい。

「太宰治疎開の家・旧津島家新座敷」の歴史

「太宰治疎開の家・旧津島家新座敷」の歴史
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1922年(大正11年)長兄・文治の結婚を機に生家の離れとして建てられたのが通称「新座敷」。1945年(昭和20年)7月31日に家族と共に金木に疎開し、終戦を迎えます。その後、再び東京に出る1946年(昭和21年)11月12日までの一年四ヶ月間をこの家で過ごしたのです。

元々の位置は、母屋(現在の「斜陽館」)に隣接していましたが、現在は約90メートル東に離れたこちらに在ります。
昭和23年の6月に長兄・文治は母屋を処分し、その際に「新座敷」を現在の位置へと移設して家族のための住宅としたためです。

「太宰治疎開の家・旧津島家新座敷」で執筆、発表された作品

「太宰治疎開の家・旧津島家新座敷」で執筆、発表された作品
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太宰治はこちらの家で、『パンドラの匣』『庭』『親といふ二字』『嘘』『貨幣』『やんぬる哉』『津軽地方とチェホフ』『チャンス』『海』『雀』、最初の戯曲『冬の花火』、第二戯曲『春の枯葉』などの作品を執筆し発表していきました。
その他、座談会に出席したり、弘前やつがる市木造(きづくり)からやって来る青年たちの訪問を受けたりと平穏で安定した生活を過ごしました。

「太宰治疎開の家・旧津島家新座敷」は、太宰治が文壇に登場してから暮らした居宅としては唯一現存する貴重な邸宅です。その存在はほとんど知られていませんでしたが、2007年(平成19年)に私設ミュージアムとして開館されたのです。

気さくな御主人による楽しい解説付き

気さくな御主人による楽しい解説付き
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「太宰治疎開の家・旧津島家新座敷」では管理をしている御主人・白川公視さんが丁寧に解説、案内をしてくれます。写真をどんどん撮って下さいと声を掛けてもらえるので、一般的な博物館や美術館とは違った雰囲気の中、じっくりと観覧できます。

太宰治が実際に執筆した仕事部屋の書斎が手前側です。『親友交歓』ではこの部屋に“親友”を招き入れ、押し入れからウィスキーを取り出した場面が描かれています。またその奥が、『故郷』で34歳の太宰治が床に伏した70歳の母と対面した部屋となっています。

女優・松たか子を始め多くの著名人が来訪

女優・松たか子を始め多くの著名人が来訪
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こちらは、太宰治の小説『ヴィヨンの妻』を原作として、2009年(平成21年)に公開された映画『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』に出演した女優・松たか子さんが座ったソファです。(※ 現在この場所に写真は飾られていません)

松たか子さん以外にも、太宰治ファンとして有名な芸人・芥川賞作家の又吉さん(受賞前・受賞後の二回来訪)、ミュージシャンの矢野顕子さんなど多くの著名人も訪れています。

青森・五所川原「太宰治疎開の家・旧津島家新座敷」のまとめ

青森県五所川原市にある「太宰治疎開の家・旧津島家新座敷」は、太宰治ファンなら必訪のもう一つ聖地です。金木駅から「太宰治記念館・斜陽館」までの丁度、中間に位置しているので、アクセスも簡単です。その他、太宰治のTシャツやトートバッグなどのオリジナルグッズも販売されていますのでチェックしてみて下さい。

また周辺には「太宰思い出の広場」、文学碑と銅像のある「芦野公園」、多くの太宰治ゆかりの場所があるので、是非お見逃し無く。下部の関連MEMOには「太宰治記念館・斜陽館」の記事へのリンクもありますので、そちらも御確認下さい。
以上、気さくな御主人が案内してくれる「太宰治疎開の家・旧津島家新座敷」の御紹介でした。

掲載内容は執筆時点のものです。 2011/08/08 訪問

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