足元にも注目しよう!京都・西本願寺におけるさまざまな造形

足元にも注目しよう!京都・西本願寺におけるさまざまな造形

更新日:2015/11/12 13:44

乾口 達司のプロフィール写真 乾口 達司 著述業/日本近代文学会・昭和文学会・日本文学協会会員
京都の西本願寺といえば、浄土真宗本願寺派の本山。日々、信徒の方々のお参りで境内はにぎわっています。世界遺産「古都京都の文化財」として世界遺産に登録されていることもあり、観光客もたくさん訪れます。そんな西本願寺には魅力的な造形がたくさん!特に足元にはあっと驚く造形が見られます。今回は西本願寺ならではの魅力的な造形を中心にご紹介しましょう。

西本願寺を代表する造形といえば、やはりこれ!国宝・唐門の見事な彫刻類

西本願寺を代表する造形といえば、やはりこれ!国宝・唐門の見事な彫刻類

写真:乾口 達司

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西本願寺を代表する造形といえば、やはり国宝・唐門(からもん)の見事な彫刻類を見逃すことは出来ません。唐門の建立は桃山時代から江戸時代初期と考えられており、一説には豊臣秀吉が晩年の居城とした伏見城の遺構とされています。

なかでも、目を見張るのは、極彩色に彩られた見事な彫刻類!中国の故事にちなんだもののほか、中国で伝説上の動物として崇められている麒麟、唐獅子、鶴など、さまざまな人や動物が刻まれており、絢爛豪華な桃山文化をしのばせてくれます。境内南側の目立たない場所に位置しているため、気がつかない人も多いようですが、西本願寺に参拝した折は忘れずにご覧下さい。

天水受けを支える御影堂前の天の邪鬼

天水受けを支える御影堂前の天の邪鬼

写真:乾口 達司

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写真は国宝・御影堂正面に据えられた天水受けを支える石製の天の邪鬼。天水受けの四隅を一体ずつで支えています。その表情もそれぞれ異なり、ユーモアに富んだ愛らしい様子が見るものの笑いを誘います。

足元に注目!阿弥陀堂の廊下に見られる軍配の「埋め木」

足元に注目!阿弥陀堂の廊下に見られる軍配の「埋め木」

写真:乾口 達司

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御影堂の北側に並んで立つ阿弥陀堂へは、ぜひ、靴を脱いで上がりましょう。そして、広い廊下に目をやってみて下さい。足元に目を凝らすと、ところどころ、写真のような造形が目に入って来るはず。これは破損した床板を補修した際、新たな部材をはめ込んだもので、一般に「埋め木」と呼ばれています。

写真は、ご覧のとおり、大相撲で行司が手にする軍配をかたどった部材。補修部分に機械的に新たな部材を埋め込むのではなく、私たちの良く知るさまざまな形にあわせて部材を加工する点には、昔の大工さんのユーモアに富んだ粋な遊び心が感じられませんか?

瓢箪をかたどった埋め木

瓢箪をかたどった埋め木

写真:乾口 達司

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写真は瓢箪をかたどったと思われる埋め木。瓢箪をかたどった埋め木はその数も多く、もっとも目にとまるものであるといえるでしょう。

チビッコたちも大喜び!ゾウの形の埋め木

チビッコたちも大喜び!ゾウの形の埋め木

写真:乾口 達司

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写真の埋め木は、もちろん、鼻の長いゾウをかたどったもの。チビッコたちにも大人気のゾウ。キミの足元にいるよと教えてあげると大喜びするはず。子ども連れの方は、ぜひお子さんを驚かせてあげて下さい。

おわりに

西本願寺ならではの魅力的な造形の数々、ご堪能いただけたでしょうか。埋め木の種類はまだまたあり、ご自身で埋め木を探す楽しみもありますし、それ以外にもさまざまな造形が境内の各所に見られます。西本願寺を訪れたら、数々の造形美も楽しんでみて下さい。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2015/10/18 訪問

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