年の初めは火渡りから!東京・秋川「西福寺」で身体を清め無病息災を祈ろう

年の初めは火渡りから!東京・秋川「西福寺」で身体を清め無病息災を祈ろう

更新日:2015/12/03 17:08

松縄 正彦のプロフィール写真 松縄 正彦 ビジネスコンサルタント、眼・視覚・色ブロガー、歴史旅ブロガー
火渡りは、“清められた火”で心身を清める儀式です。これが東京でも体験できます。西福寺・秋川不動尊の火渡りは、招福除厄の火生三昧(かしょうさんまい)、また多摩の風物詩として有名で、後北条時代から続く伝統ある護摩修行なのです。年の始めに火渡りを行い一年間元気に過ごしましょう。

縁日気分で楽しめる

縁日気分で楽しめる

写真:松縄 正彦

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「西福寺」は東京あきる野市にあります。建立は900年代末とされ、1000年以上の歴史をもつ古刹です。本尊は大聖不動明王並びに両童子(写真)で、真言密教のお寺です。この西福寺では、毎年一月の第三日曜日に、初不動護摩供(火渡り荒行)が行われます。

祈祷では家内安全、交通安全また商売繁昌や除災招福が不動明王に祈願されますが、多摩地区や都内から多くの方々が集まって火渡り体験をされています。さああなたも参加してみましょう。
当日は境内にたくさんの屋台が出され、縁日気分を味わいながら楽しめます。またペット用のお守りなども多数販売されていますし、名物の“不動そば”も食べられます。

儀式開始〜山伏登場!

儀式開始〜山伏登場!

写真:松縄 正彦

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火渡りの儀式は普段お目にかかる事がありませんが“清浄な火”と“集中”がポイントです。少しご紹介しましょう。
火渡りの儀式が行われる場所は、西福寺の下にある広場です。広場中央には青々とした杉の枝が積み上げられ、正面に祭壇が準備されています。この場所に西福寺から法螺貝をふきながら山伏の集団が登場(写真)して愈々儀式が開始されます。

ここで、山伏の皆さんの腰に注目!刀を提げているのに気がつかれると思います。この刀はもちろん“真剣”です。杉の小山に火をつける前、清浄な火が周りから汚される事のないように、会場の四隅がこの刀で清められるのです。点火前に、火の清浄さを保つ入念な準備が行われるのも火渡りの特徴の1つなのです。

その後、弓矢が放たれますが、放たれた矢を取ると良い事があるといわれます。しかし取り合い競争は激しいようです。また点火前に祝詞があげられます。

火渡り開始!

火渡り開始!

写真:松縄 正彦

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準備を終え、杉の小山に火が放たれます。このとき、祭壇横の篝火から火が貰い受けられます。ちょっとオリンピックの聖火の点火に似た手順が思い出されます。

点火後、火焔が上がってきますが、火焔が上がるにつれ、見ていても身体がポカポカしてきます。寒い中、これを体験するだけでも良い気分です。
炎がおさまりはじまると、まず燃えている小山が崩され、通り道が作られますが、通り道の開始点と終点に大量の塩(清めの塩)が置かれます。

そしていよいよ最初の山伏の火渡り開始です。通り道の両脇にはまだ炎が見えています。山伏は履いていた足袋を脱いで裸足になり、真剣を手に塩の上で次第に気合いを整えてゆきます。そして、いざGO!

剣を持ちながら熱い中を渡り(写真)、渡り終えた時に気迫のピークが来るようにして、地面に立てられた竹を一刀両断!
切り終えると山伏の緊張がゆるみ、刀を納める顔がすがすがしいのが傍らからも分かります。緊張・弛緩、この間合いは見ているだけでもリズミカルで面白いものですが、さあ次は我々の番です。

火渡り体験

火渡り体験

写真:松縄 正彦

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何人かの山伏の火渡りが終了すると、いよいよ一般の参加者の火渡り体験です。

火渡りをしている方は老若男女さまざま。裸足になって順番を待ちましょう(写真)。火渡りの順がきましたらまず塩の上に立って下さい。
緊張しないでも大丈夫です。まず山伏さんが呪文を唱えながら呪具で背中を何回か撫でてくれます。そして、背中をそっと押してくれます。これが合図です。さあ、足を踏み出しましょう。

赤い火が足元に見えますが、集中するとあっという間に渡り切る事ができるはずです。これで聖なる火、清浄な火であなたの心身が清められたはず。厄除け効果で無病息災、また商売繁盛が叶い一年間無事にすごせるはずです。

この火渡り体験をするには、当日に事前の申し込みが必要です。お寺の入口に受付がありますので、そこでチケットを購入しておいて下さい。

春を呼ぶ風物詩

この火渡りの行事は春を呼ぶ多摩の風物詩ですが、火という危険なものでもあり、かつ聖なる存在に身をさらす事で一年の誓いを新たにする事もできるはずです。

火渡り当日は非常に混み合います。車で来られる方は早めにお越しください。秋川街道沿いに駐車場がありますが、すぐに満杯になります。また臨時駐車場が多摩聖地霊園側に用意されていますが、タイミングをはずすとすぐに満杯になってしまいます。なおバスで来られる場合には五日市駅から“つるつる温泉”行に乗車し、温泉入口で下車してください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2015/01/18 訪問

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