松崎町の市街地から県道１５号線を５ｋｍ程の場所にある大沢温泉。その温泉入口から、那賀川沿いに上流へ約７００ｍ車を走らせると「大沢荘・山の家」があります。
来るまでの間、段々と緑が深まり、途中車がすれ違えないような狭い箇所もあるので、少し不安に思えてくるようなひっそりとした場所にあります。着いてみると、対岸に見えるあちらの建物が「大沢荘・山の家」です。築８０年以上は経つであろう古びた建物に、屋根は錆びたトタン板。周囲に他の建物は見当たらず、おまけに木々が生い茂り暗い印象。こんな状況を見ると、思わず「大丈夫？」と疑ってしまいますが、ここが間違いなく今回ご紹介する山の家。
ここは以前、川の少し下流に「大沢荘」と言う旅館がありましたが、老朽化したため閉鎖。
この「山の家」を残したため、現在のような形になったそうです。「日頃酷使している体を少しでも癒してもらおう」とオープンしており、日帰り入浴をやっています。
それでは早速、この橋を渡って山の家へ行ってみましょう！
山の家は、受付を兼ねた無料休憩室がある建物と、温泉がある小屋の２つの別棟になっています。こちらは、温泉がある小屋。山小屋風の建物で、お世辞にもお洒落とは言えない素朴な造り。入口を入ると、脱衣所になっており、棚やカゴがあるだけの味も素っ気もない脱衣室。
当然、乳液や化粧水などのアメニティーは充実しておらず、もちろんフェイスタオルやバスタオル、シャンプーリンス、石鹸など、入浴に必要なものは全て持参。お風呂は、内風呂はなく、露天風呂が一つあるのみ。
周りは、自然が多く、夏は蚊などの虫も寄ってきます。木々がうっそうと覆い茂っているので、昼間でも薄暗く、写真を撮ろうと思っても、ご覧のようなブレよう。
利用するには不便な環境で、「どうしてこんな所に来るの？」なんて、挙句の果てにそう思えてさえしまいます。ですが、お次をご覧下さい！
こちらはお風呂の底から湧き上がる温泉。女湯と男湯を分ける板の下から、勢い良く噴き出しており、凄まじさのあまり「ボコボコ」と音を立てています。その激しさから、見ているだけでも音が伝わってくるような感じがしませんか？
温泉分析書から見て、ここの源泉温度は４６．７度に対し、使用温度は４３．５度。
気温などにより多少違いはあるものの、この数値から分かるように、本物の温泉が空気にあまり触れることなくそのまま使われている、加水なしの源泉かけ流し。
常に、新鮮なお湯が浴槽の底から供給され続け、洗い場に目をやれば、水道の代わりに流れる源泉がパイプからそのまま流れ出ています。お風呂だけでなく、体を洗う湯も温泉！
惜しげもなく本物の温泉に入れるので、苦難を乗り越えてでも来たくなってしまうのが、ここの最大の魅力！
３００年前から湧く源泉は、別名「化粧の湯」と呼ばれ、入ったあとと、しっとりとしたもちもちのお肌に。この湯を求めて県内外から入浴客が来ており、その証拠に駐車場には他県ナンバーの車が目立ちます。休憩室には、噂を聞きつけてか、ここを訪れた芸能人や著名人のサインがずらりと飾られています。
源泉を、ほぼそのまま使用しているので、温度は高めですが、熱いお風呂が好きな人にとっては、たまらない温泉。お風呂の一部は、苔やシダが生えている自然の岩肌を使用。
温泉に浸かりながら新緑も見られるので、マイナスイオンたっぷりで秘境ならではの光景！
『温泉データ』
泉質：カルシウム・ナトリウム・硫酸塩温泉
（低張性・弱アルカリ性・高温泉）
源泉温度：４６．７度 ｐH８．４
外来入浴：あり
格安で素泊まりできる湯治処もあるので、詳しくは下記のMEMO【大沢荘・山の家】より、ご覧下さい。
日帰り入浴は、手頃な料金なのでお財布にも優しいです。無料休憩室があるので、川のせせらぎや鳥のさえずりが聞こえ、季節によっては河鹿蛙の可愛らしい声を聞くこともできますよ。
大沢荘・山の家は、作られていない自然のままの姿で温泉を提供していて、温泉効果は言うまでもなく抜群！ 入れば、リラックス効果・美肌効果など、身をもって体験できます。
何の手も加えられておらずシンプル。このシンプルさが逆に温泉の良さを物語っていて、一度は入っておきたい極楽の湯あみ処です。
地下からそのまま伝わる天然源泉１００％の生の温泉！ きっと温泉ファンの期待を裏切らないことでしょう。
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(2024/4/25更新)
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