開湯1300年の秘湯!聖地・雲南市の温泉宿「海潮荘」と出雲神話

開湯1300年の秘湯!聖地・雲南市の温泉宿「海潮荘」と出雲神話

更新日:2015/11/30 16:26

ご縁のくに島根の雲南市。出雲大社と松江城のある地域の南に位置し、日本最古の歴史書・古事記に登場する神々の聖地として神話や伝説の舞台となった所です。その古事記が出来た1300年前と時を同じく開湯したのが秘湯・海潮温泉。怪我や病気に特に効能があるこの温泉は、医療が不十分だった時代には聖地としても崇められたそう。山々に囲まれた秘湯に今では1軒だけとなった温泉宿「海潮荘」と、出雲神話の神楽を紹介します!

山陰地方唯一!秘湯を守る会認定の宿「海潮荘」

山陰地方唯一!秘湯を守る会認定の宿「海潮荘」
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島根県でも出雲と松江の南にある雲南(うんなん)市は、1300年前に書かれた「古事記」をはじめ、様々な歴史と神話の中で多くの神々が活躍した地。その古事記と同じ開湯1300年の歴史を持つ海潮(うしお)温泉を源泉かけ流しで贅沢に楽しめるのが「海潮荘」です。

うっすらと雲がかかる幻想的な山々に囲まれ、神話の息づく日常が今も至る所に息づいている「海潮荘」は、ただただゆったりと静かに日々の疲れを癒すのに最適な宿。山陰地方で唯一の秘湯の会に認定された温泉宿でもあります。

薄茶色の壁に黒瓦、2階建ての秘湯らしい佇まいの宿に足を踏み入れると、そこには吹き抜けの大空間と力強くそびえ立つ柱が。いくつもの時代を経てきた落ち着いた雰囲気の中、時間の流れが止まったようなどこか懐かしい優しい空気に包まれています。

開湯1300年!源泉かけながし天然温泉露天風呂は神話の秘湯

開湯1300年!源泉かけながし天然温泉露天風呂は神話の秘湯
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「出雲の国風土紀」にも出てくる奥出雲町にある峡谷「鬼舌震(おにのしたぶるい)」は国の天然記念物に認定された、川の急流によって削られ芸術作品のような岩が連なる見応えのある景勝地。

その奇勝を彷彿とさせるような巨大な自然石と、樹齢800年のシイの大木を眺めながら、ゆったりと海潮温泉の湯浴みを楽しめるのが、宿自慢の天然露天温泉「宝樹の湯」です。源泉かけ流しの贅沢な湯は、開湯1300年の歴史を持つ、出雲風土紀にも記されている神話の湯。江戸時代には、松江城藩主の松平公も傷を癒しに訪れた名湯です。

美肌効果や関節痛などたくさんの効能がある神話の湯に浸かり、四季折々に表情を変える自然を眺めながら、ここでしか味わえない癒しと安らぎを身体の中から感じてみてください。
内湯から露天まで続く湯の中をガラス戸を開けて行き来できる楽しい仕組みにも驚きますよ!景観の違う男湯と女湯は日替わりで入れ替わりますので、宿についたらまずこの温泉を楽しみましょう。

古事記に登場する伝説の川が流れる「海潮荘」の庭園

古事記に登場する伝説の川が流れる「海潮荘」の庭園
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湯上りには、客室の前に広がる素晴らしい庭をぜひ楽しんでみてください。女将のこだわりの1つでもある宿の庭は、古事記に登場するスサノオノミコトとヤマタノオロチの伝説が残る赤川から、ポンプを使って直接水を引き入れた自然の川が流れる清々しい庭園。

宿全体のどの施設からも野趣溢れる庭園が美しく見られるようにと設計されているそうですが、庭が最も堪能できるお勧めの客室が、1階にある「蛍」と「楓」の日本建築を活かした2つの客室です。大きな窓いっぱいに自然が広がり、ぬれ縁からは直接庭に降りられる草履も用意されていますよ。

季節ごとに四季折々の風情が広がる庭では、川でヤマメをみかけたり、夏にはホタルが舞う光景を眺められるそうです。夜の食事を部屋でいただくことが出来る宿泊プランもあるそうですから、ホタルが舞う光景や、しんしんと降る雪景色など四季折々の風情を楽しみながら、部屋でゆっくり地産地消の会席料理を味わうのも素敵ですね。

「海潮荘」の囲炉裏でいただく里の恵みと海の恵み

「海潮荘」の囲炉裏でいただく里の恵みと海の恵み
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水と緑が溢れる自然豊かな庭園を眺めながら、地元や山陰で採れた旬の自然食材を季節感たっぷりにアレンジした料理を、囲炉裏を囲みゆったりと楽しめる食事処。

夜の会席料理では、のどぐろや奥出雲和牛など地産地消の食材を中心に、美しい季節の前菜盛り合わせからデザートまで、お腹いっぱいいただけます。訪れた秋の季節には、松茸よりも香り高いと言われる人工栽培できない幻のきのこ香茸(こうたけ)や、キジ肉のステーキなど、山里ならではの秋の味覚を満喫しました!女将が想いを込めて名付けた宿オリジナルボトルのまろやかな日本酒「赤川」や「宝樹」も持って帰りたくなるほどの逸品です。

朝食も、朝からはじまる1日を元気に豊かに過ごして欲しいと願う女将の気持ちがいっぱい詰まった約30種もの食材が囲炉裏からはみ出すほど並びます。宍道湖(しんじこ)のしじみの味噌汁や自家製の梅干し、温泉卵や採れたて野菜の季節のサラダと朝から身体に優しい美味しい食事で幸せいっぱいになりますよ!

神話の聖地・雲南市ならではの神秘的な出雲神楽も!

神話の聖地・雲南市ならではの神秘的な出雲神楽も!
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秘湯というと車がないと行けないのではと思いがちですが、「海潮荘」では、近くの駅との間で無料送迎を行っています。JR出雲大東駅が最寄の駅で、駅から車で約10分ほどの距離です。

その駅と「海潮荘」との間には、出雲神楽が催される「古代鉄歌謡館」があり、館内の劇場では一年を通して毎月決まった日(特別公演の無い月は毎月第二・第四土曜日※スケジュールや演目は下記MEMOのリンク先でご確認ください)に、雲南市で継承され続けている出雲神楽を観賞できます。

写真は出雲神楽のヤマタノオロチとクシイナダヒメとの一幕を特別に小河内神楽社中(おがわうちかぐらしゃちゅう)に舞っていただいたものですが、その迫力と舞の美しさに圧倒されます!古事記や日本書紀で残されている神話には雲南市を流れる斐伊川(ひいかわ)流域にまつわるものも多く、雲南市には現在16もの神楽社中があり、出雲神楽は地域の郷土芸能として今へと受け継がれています。

勇ましい太鼓や笛の音にのってダイナミックに舞う神秘的な神楽も、「海潮荘」での滞在とともに、足を延ばして観賞してみてはいかがでしょうか。

秘湯を守る会に認定された「海潮荘」の温泉と心温まるおもてなし

“旅行というのはお金がかかるものですから、充実したゆっくした時間を過ごしてもらいたいのです”と語ってくださった「海潮荘」の五代目女将・上田喜久代さん。そのこだわりは、土地のものをお客さまに合わせて考える食事から、スサノオノミコトも入った海潮の湯守り、客室の可愛い刺しゅう入りの手拭タオルまで、宿のあらゆる所に込められていて、帰りたくなくなるほど居心地がいいのです。
家とも格式ばった旅館とも違う、きどらない宿「海潮荘」は、まさに歴史と神話が混在する夢のような秘湯宿です。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/10/29−2015/10/30 訪問

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