100万人が虐殺された「ルワンダ大虐殺」の記憶を残す4つの場所。

100万人が虐殺された「ルワンダ大虐殺」の記憶を残す4つの場所。

更新日:2015/11/10 09:47

ルワンダは東アフリカの内陸にある、四国の1.5倍程度の広さの小さな国です。多くの日本人にとってこの国のイメージかも知れないのが、『ルワンダ大虐殺』。ここにはもともとフツ族とツチ族という2つの民族がいましたが、1994年にツチ族及びフツ族穏健派の約100万人が虐殺されました。首都キガリとその周辺には、虐殺が行われた場所が未だに保存されています。今回はそのうち、代表的な4つの場所をご紹介します。

ルワンダの歴史・虐殺を学ぶことができるキガリ虐殺記念館。

ルワンダの歴史・虐殺を学ぶことができるキガリ虐殺記念館。
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首都のキガリでも市の中心付近にある記念館。

外からみると雰囲気のある洋館です。中にはルワンダの歴史・虐殺に関するパネル展示。かなり丁寧に分かりやすく説明されています。

フツ族によってツチ族の人々が虐殺された訳ですが、特徴的なところは、兵士だけでなくごく普通の民間人も虐殺に加担したところ。昨日まで家族、友達、隣人であったツチ族を、フツ族がナタや農具で次々と殺していきました。そうしなければ、フツ族の人も兵士に虐殺されるという酷い状況でした。

なお、記念館の展示は全て英語なので、事前に予習していくことをお勧めします。

映画『ホテル・ルワンダ』の舞台となったホテル、「ホテル・ミル・コリンズ」

映画『ホテル・ルワンダ』の舞台となったホテル、「ホテル・ミル・コリンズ」
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『ホテル・ルワンダ』は、ルワンダ虐殺での実話を基にした映画です。当時の支配人、ポール・ルセサバギナはホテルの高き格式を守りつつ、1286人のツチ族、フツ族穏健派をホテルにかくまい、命を救いました。彼自身はフツ族ですが、ツチ族をかばえば例えフツ族であっても惨殺されます。

今では虐殺の跡もない高級ホテル。欧米からのビジネスマンと思われる方が多いです。

部屋の数も多く、多くの人がここに隠れていたことが分かります。当時ホテルは水道を止められ、このプールも飲み水として使われていました。街の中心にあり、高い柵や塀に守られている訳でもない。フツ族強硬派が侵入しようと思えば簡単にできそう。支配人のポールも、隠れている人も生きた心地がしなかったでしょう。

当時大虐殺が行われた教会がそのまま残された、ニャマタ虐殺記念館。

当時大虐殺が行われた教会がそのまま残された、ニャマタ虐殺記念館。
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1万人のツチ族が虐殺を恐れ逃げ込んだ教会。しかし、1994年4月14日、フツ族民間兵が襲撃。教会も虐殺に加担したといいます。

現在は虐殺の様子を残す記念館となっています。キガリの街からバスで1時間。入場料は寄付制です。

明るい外から電気の付いてない中に入ると、一気に暗くなります。入口向かって正面の祭壇を中心に、扇状に並ぶ椅子。全ての椅子には、無造作に古い洋服が置いてあります。これらは被害者が当時着ていたもの。

教会、そして建物の裏には地下室があります。階段を降りると、そこにはたくさんの遺骨。といっても、日本のように綺麗な箱に入れられているわけではありません。頭蓋骨がそのまま所狭しと並べられています。

虐殺当時の様子が最もよく保存されている、ムランビ虐殺記念館。

虐殺当時の様子が最もよく保存されている、ムランビ虐殺記念館。
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拠点の街、ニャマガベまではキガリからバスで3時間。そこに虐殺当時の様子が最もよく保存されている記念館があります。

人里離れたところにある立派な建物ですが、もともと中学になる予定だった場所でした。当時ここにはフランス兵が駐在しており、守ってくれるという情報が流されていました。その結果集まった周辺の住人5万人。しかしフランス兵は何もせず、住民たちは応戦用の道具として石を拾い集めていました。ところが水も食料も底を尽きてきて、弱ったところを民間兵に襲われました。

正面の一番大きな建物の中にはパネル展示。
そしてこの裏には、建設途中だった校舎が並びます。中に入ると、ツンとしたにおいとともに、石膏で塗り固められたご遺体がたくさん。これらはガラスケースに保管される訳でもなく、木で作られた棚の上にただただ敷き詰められています。四肢が折れているもの、頭蓋骨が押しつぶされたりしてもの、亡くなった状態がそのまま保存されています。

まとめとして

どうしても虐殺のイメージがつきまとうルワンダですが、20年経った現在は『アフリカの奇蹟』と呼ばれるほど急激に成長中。治安も良く、国内の雰囲気も明るいです。そしてルワンダの人は、真面目で勤勉で、礼儀正しくシャイで謙虚。日本人に近い性格の人たちです。

そんな中でも、一歩道を外れるとこれほどの虐殺が起きてしまう。日本人にとっても決して無視はできないことです。なかなか日本からは遠いですが、訪れる価値のある場所です。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/08/18−2015/08/21 訪問

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