謎の禁断ゾーンに迫る!南蛮文化の歴史が詰った・長崎「出島」

謎の禁断ゾーンに迫る!南蛮文化の歴史が詰った・長崎「出島」

更新日:2015/11/04 18:03

鎖国時代に日本で唯一、海外文化に触れることが出来た出島。その出島跡に再現された長崎市「出島」では、オランダ商人が住んでいた当時の生活を垣間見ることが出来ます。
東京ドームの3分の1にあたる、わずかな面積に秘められた暮らしぶりとは? 歴史好きにはたまらない知られざるゾーン「出島」をご紹介します。
さぁ、ご一緒に、かつて日本人が足を踏み入れることが出来なかった、禁断の世界を覗きに出掛けませんか?

オランダ・日本の国境!?

オランダ・日本の国境!?
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長崎駅前の路面電車から電停「築町」で下車し、徒歩約1分の場所にある「出島」。
ここは、出島跡にオランダ商人たちが住んでいた街並などが再現された施設。早速、出島に行きたいところですが、まずはこの景色をご覧下さい。
一見どこにでもありそうな川。川に沿って延びる塀が綺麗ですよね。さて、これは一体何だか分かりますか?

ピンっと閃いた勘が鋭い方もいらっしゃるでしょうが、川に沿う塀は、かつての出島の地形の名残り。時代の流れと共に、開発が進み埋め立てられ、出島自体の地形が分かりにくくなっているものの、ここは原型の地形が見られる希少な場所。ここはその名も「出島橋」からの眺めで、江戸時代で言うなれば左手はオランダ、右手は日本の国境ラインなのです。

当時、出島の入口には、見張りの役人や出入りを禁止する「御禁制」の立札などがあり、厳重に警備されていました。ここに暮らすオランダ人が許可なく出るのも禁止されていたそうで、そんな場所に今では簡単に入れるなんて、不思議な気持ちですね。
 
いよいよ、お次は出島に向かってみましょう!

街並みに感激!現代に蘇る出島!

街並みに感激!現代に蘇る出島!
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西側のメインゲートから入ると、街並が原寸大に再現され、まるでタイムスリップしたかのような光景!
ここには、オランダ人商人が住んでいた「へルト部屋」、輸入品などを納めていた「一番蔵」などが建ち並び、右側の手前に見える建物は「拝礼筆者蘭人部屋」。ここでは、出島から入ってきた西洋の学術や文化を紹介しています。

オランダ人が暮らしていた当時、日本と西洋では時間の決め方が違っていて、目と鼻の先位の短い距離にあっても、時刻に食い違いがあったそうです。
思わず興味をそそられてしまう様な面白い紹介もあるので、是非足を運んでみて下さいね。

本物さながら!生活感が感じられる調理場!

本物さながら!生活感が感じられる調理場!
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変わってこちらは、裏通りにある料理部屋です。
この調理場は、オランダ人が費用を負担して建てた数少ない建物。料理部屋に入ると、机の上には、出しっぱなしにされた包丁、リンゴを咥えさせられた豚の顔がまるごと置かれ、生々しい様子。オランダ人は、肉や野菜など手に入りにくい食材は、驚くことに出島で自給自足。
島には牛小屋・豚小屋があって、牛や豚を飼育していました。その上、牛飼人小屋など、動物の世話をする専用の人もいたのだとか。

100年以上前だと言うのに、果物・野菜・肉など食材が豊かで、驚かされるばかり!
当時、日本人の庶民が食べていた貧しい食事とは違って、食文化のギャップも感じられます。
食事は、商館長のカピタン部屋で食べたそうで、カピタン部屋の建物には、優美な装飾に囲まれた食堂や、商館長の生活の様子を再現展示してあるので、そちらも忘れずにご覧下さい。

ここで食べたい!とろける旨さ!

ここで食べたい!とろける旨さ!
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出島は、日本が開国するまで約218年間に渡って、唯一の西洋との窓口でした。そのため、ここには、バトミントンやビリヤード、ビール、コーヒー、パセリ、ピアノ、ペンキなど、食材や食品、スポーツや楽器に至るまで、あらゆるものが入って来たと言われています。

チョコレートもその一つ。屋台に書かれているようにチョコレート発祥の地で、チョコレートを使った出島限定の「ちりんちりんアイス」が販売されています。「チリンチリン」と、鐘を鳴らしながら販売するため名前が付けられた移動屋台で売られているアイスで、長崎の名物! 人工甘味料は一切使っておらず、体に優しく食べてみると、とろりと独特の食感で程よい甘さがたまりません! 創業1960年から変わらぬ美味しさで、発祥の地で食べるチョコ味のアイスは格別です。写真のようにお花の形にしてくれるので、見た目も可愛く食べ歩きにぴったり!

おわりに

車椅子でも見学できる「バリアフリーコース」もあるので、家族みんなで楽しまれても良いですね。土曜日・日曜日は、出島史跡内をツアーするボランティアガイドを行っています。
所要時間は1時間程度で利用は無料です。
詳しい内容は、下記のMEMO【出島 Dejima】よりお問い合わせ下さい。

15分の1に縮尺された「ミニ出島」、新石倉を利用して出島案内を上映している「出島シアター」、日本最古のキリスト教の神学校「旧出島神学校」など、ご紹介した以外に見所はまだまだ! 2016年には「組頭部屋・銅蔵」などの更に6棟の復元建造物が完成し、2017年には「出島表門橋」が完成予定。復元整備計画完成の目標年の2050年に向けて、出島は、まだまだ進化中! 訪れる度に変化を遂げ目が離せません。

出島の出入口は監視が置かれ、日本人は入ることが出来ませんでした。そんな状況にも関わらず、ある境遇の人は入ることが出来たそう。一体その人達とは・・・? 気になる方は、是非出島に行って答えを探ってみて下さいね。

出島は、歴史の流れが面白く感じられ、異国の文化を体感できる長崎ならではの観光名所です。一見の価値あり!

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/10/22 訪問

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