「京都府立陶板名画の庭」で世界初の絵画庭園を体感!

「京都府立陶板名画の庭」で世界初の絵画庭園を体感!

更新日:2013/06/26 11:22

「京都府立陶板名画の庭」は歩きながらミケランジェロやモネ、ルノアールの名画が間近に迫ってくる不思議な美術館です。さわやかな風に吹かれながら、建物と絵画のコラボレーションを楽しめます。作り手は建築家の安藤忠雄さん。シャープな設計で構成される建物の間から眺める空が素敵です。京都には公私合わせてたくさんの美術館がありますが、ここが一番個性的。京都旅行の際には、世界初の絵画庭園にぜひお立ち寄りください。

東洋と西洋を結ぶ安藤建築の不思議

東洋と西洋を結ぶ安藤建築の不思議

美術館の入口を入ると、写真のようなスロープが目に飛び込んできます。左手の奥に微かに見えるのがミケランジェロの巨大な絵画「最後の審判」。誰もが知っている名画なだけに、スロープを下って近づくたびにグングン大きくなっていく感じは、とてもドラマチックで一般の美術館とは違う感動がありました。その右手、前方奥には壁面を流れ落ちる水が見えます。安藤建築に欠かせない水ですね。そして、スロープの右手の壁には「鳥獣人物戯画」。巻物をほどいたように長く続きます。世界で初めての絵画庭園では、これまで経験したことのない絵画、アートとの触れ合いがあります。既成の概念を取り払った空間の中で世界的に有名な絵画を鑑賞する。とても贅沢な時間を過ごすことができるのです。

陶板の「最後の晩餐」は雨に打たれても大丈夫!

陶板の「最後の晩餐」は雨に打たれても大丈夫!

この美術館に展示されている8点の絵画はすべて、原画を撮影したポジフィルムから写真を製版し、それを陶板に転写したものです。原画を拡大したものがほとんどで、館内に大小、強弱をつけた陶板に描かれる名画が空間を生かすように展示されています。陶板は変色も腐食もしないので永く保存することができ、焼物と芸術の複合した新たな芸術のジャンルだそうです。その技術によって、写真のような横幅2mは優にある巨大な「最後の晩餐」を見ることができます。すごいですね。

鑑賞者を惹きつけるユニークな展示

鑑賞者を惹きつけるユニークな展示

入口を入った時に遠くに目にした「最後の審判」は、ゆるやかなスロープを下って地下2階まで下りた時に、ものすごい迫力で目の前に現れます。ここまで拡大されると、描かれる絵の細部までチェックすることができます。もしかしたら、イタリアのミラノの美術館で見た「最後の晩餐」より心に残る展示かもしれません。美術館は芸術に触れることのできる非日常の空間。「京都府立陶板名画の庭」では非日常を強く意識するとともに、絵画を自由に鑑賞することの楽しさに気づかされます。もっと自由に絵を楽しもう。そんな声が、この個性的な美術館からは聴こえてきます。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2013/06/01 訪問

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