ワイン好き必見!オーストリア名物「ホイリゲ」が山形で飲める!

ワイン好き必見!オーストリア名物「ホイリゲ」が山形で飲める!

更新日:2016/09/05 18:11

世界中のワイン好きに知られるオーストリアの「ホイリゲ」。秋から冬にかけて、その年取れたぶどうをつかった新酒の自家製ワインを振る舞う酒場です。

その「ホイリゲ」のワイン、実は山形県内にもあるんです。秋口にほんの僅かの量が流通するだけですが、これがまた、他のワインにはない味わいです!

今回はその「幻のワイン」を手掛けているワイナリーと、それが飲めるスポット月山志津温泉について紹介します。

その年造った自家製ワインが美味しいオーストリアの「ホイリゲ」

その年造った自家製ワインが美味しいオーストリアの「ホイリゲ」
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まず「ホイリゲ」について少し紹介しておきます。

秋から冬にかけてオーストリアに旅行すると、「ホイリゲ」と呼ばれる小さな酒場で今年できた自家製ワインを飲む楽しみがあります。「ホイリゲ」とは、ドイツ語で「今年の」という意味で、転じて今年できた新酒のワインを指します。そしてさらに、そうした今年できた新酒の自家製ワインを出す酒場のことも「ホイリゲ」と呼ぶようになったのです。

オーストリアの「ホイリゲ」は200年以上の歴史があります。1789年、時の皇帝ヨーゼフ2世が、ウィーンのぶどう農家に対して、年間300日以内に限って自家製ワインを小売りし、簡単な食事も提供してもよい、という特別許可を与えたのがその始まりなのだそうです。

この「ホイリゲ」の自家製ワイン、売っているワインとはちょっと違っています。もちろん、お店によっても違いますが、濁りがあり、かすかに炭酸の刺激があり、果実感のある白ワインである場合が多いです。「ホイリゲ」ではこのワインを、ワイングラスではなく、たいていの場合ジョッキで飲みます。

市場に流通している透明なワインを飲み慣れている人は、この「ホイリゲ」のワイン、見た目も飲み方も味もまるで違うのに驚くのではないかと思います。イメージで言えば、清酒に対する「どぶろく(濁り酒)」のような感じでしょうか。「ホイリゲ」も「どぶろく」も濁りがあって自家製であることが多いところも似ています。

そして、この「ホイリゲ」のワインが飲めるスポットが実は、山形県内にもあるんです。

東北一の「ワイン県」山形

東北一の「ワイン県」山形

提供元:月山トラヤワイナリー

http://wine.chiyokotobuki.com/index.html地図を見る

山形県はぶどうの生産量で全国第3位、県内には13のワイン醸造所(ワイナリー)がある、東北一の「ワイン県」です。

山形県内では秋になると、地元ワイナリーが収穫祭を開催したり、各地でワイン祭りが開催されたりしており、オーストリアの「ホイリゲ」と同じように、その年造られた新酒のワインを飲むことができます。

とりわけ、10月に行われる高畠ワイナリーの「秋の収穫祭」が有名ですが、それ以外にも8月末に南陽市内で開催される「ワインフェスティバル in 南陽」、9月に朝日町で開催される「朝日町ワインまつり」、鶴岡市内で開催される「月山ワインまつり」などが毎年開催されていて、いずれもワイン好きの人で賑わっています。

今回「ホイリゲ」があるということで紹介したいワイナリーは、出羽三山の一つ月山(がっさん)の麓、西川町にある「月山トラヤワイナリー」です。

山形にある希少な「ホイリゲ」ワイン

山形にある希少な「ホイリゲ」ワイン
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月山トラヤワイナリーでは、「月山山麓トラヤワイン」という銘柄のワインを各種醸造していますが、その中にその年に取れたぶどうを使って限定醸造する「月山山麓しぼりたて濁りワイン とらやのほいりげ」という無濾過ワインがあります。

「ほいりげ」という名前が付けられている通り、このワイン、月山トラヤワイナリーの社長が20年ほど前にオーストリアを旅行した際、「ホイリゲ」で飲んだワインの新酒があまりに美味しく、ぜひ自分のところでも造ってそれを瓶詰めにして、たくさんの人に飲んでほしい、ということで造り始めたのだそうです。発酵終了後、直ちに冷却することで、無濾過、非加熱、完全無添加でボトリングしたものだそうです。もちろん、酸化防止剤も使っていません。ですので、出荷日から2ヶ月以内に飲まないといけないことになっています。

マスカットベリーとセーベルを使ったロゼ、セーベルのみを使った白、それに自社農園のシャルドネを使ったシャルドネ(白)があります。写真はそのロゼとシャルドネです。アルコール度数は7度と飲みやすく仕上がっており、とてもフルーティーでウィーンの「ホイリゲ」と同様、ついジョッキでゴクゴクと飲んでしまえる、ある意味危険な味です。

この「とらやのほいりげ」、取り扱いには細心の注意が求められます。発泡性があり、酵母が生きているので、保管温度が高いと眠っている酵母が再活性化してしまいます。ですので、冷蔵庫にての保管が必須で、気温の高い部屋などに放置してしまうと、酵母が活性化して発酵が進み、ワインが吹きこぼれたり、瓶が破損したりすることもあります。強い振動や衝撃も禁忌で、やはり吹きこぼれの原因となります。

そのような取り扱いの難しさや出荷量の少なさもあって、「とらやのおいりげ」は、県外はおろか山形市内でもあまり見掛けない「幻のワイン」となっています。

幻のワイン+温泉の旅

幻のワイン+温泉の旅

提供元:月山志津温泉

http://www.gassan-shizuonsen.net

月山トラヤワイナリーは、平日の9:00〜17:00のみとなりますが、工場見学も可能です(要事前予約)。「ほいりげ」が出荷される11月は工場で試飲できることもあるそうです。ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。月山トラヤワイナリーの周辺には他にも朝日町にある「朝日町ワイン」(月山トラヤワイナリから16.3km)や鶴岡市にある「月山ワイン山ぶどう研究所」(同43.4km)があり、いずれも工場見学が可能ですので、ワイナリー見学のハシゴも楽しいと思います。

また、西川町の月山山麓には、月山志津温泉があります。平成になってから開湯した新しい温泉ですが、ブナの原生林や五色沼が美しいスポットにあるいい温泉です。泉質は「ナトリウム-塩化物泉(食塩泉)」で、とてもよくあったまる温泉です。

「月山山麓トラヤワイン」はまさに月山山麓にあるこの月山志津温泉のほとんどの宿泊施設で飲めます。そして、「まいづるや」や「ゆきしろ」など、宿によってはこの「ほいりげ」も数量限定ながら置いてくれてます。この時期を狙って「幻のワイン+温泉の旅」もいいかもしれません。ただし!事前確認が必須です。

ワイン好きの人もそうでない人もぜひ山形へ!

例年、11月に発売されると注文が殺到するこの「とらやのほいりげ」。ワイン好きの人にはもちろん、ワインはちょっと苦手という人もぜひ現地に足を運んで飲んでみてください。

とりわけ、寒くなるこの時期、温泉に浸かってあったまった湯上りに出来立てのワインを飲むという「至福体験」ができる月山志津温泉はおススメです。ぜひお出かけいただければと思います。

掲載内容は執筆時点のものです。 2008/11/07 訪問

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