静安寺から人民広場にかけてのショッピングストリートの南側・地下鉄九号線「打浦橋」駅から徒歩5分程の場所にある石造りの古い集合住宅街(日本で言う同潤会アパートメントのような感じ)・「田子坊」はアートとショッピングが楽しめるトレンドスポットとして上海の若者や欧米人に大人気。
もともとは石庫門様式という租借地時代に建てられた集合住宅地の一角に陳逸飛(チン・イーフェイ/1946年-2005年)という画家がアトリエを作ったことから、若いクリエイターや外国人たちが集まるようになり、次第に色々なお店が立ち並ぶようになりました。
今も時尚創意地区(アートスポット)≠ニいう街のコンセプトは継続されており、道路を挟んだ東側にある工場跡も次々とリノベーションされ、IT企業の集まる活気ある場所として新たに注目されています。
テーマパーク的に再開発された「新天地」や「豫園」といった地区とは異なり、「田子坊」内には今もお年寄りから芸術家志望の若者たちが生活しているため、路地内のあちらこちらに上海人の暮らしと文化を色濃く感じられるところが大きな魅力。
迷路のような狭く長い路地の両側にはクリエイターたちが作るオリジナル雑貨やアクセサリー、アート作品を扱うお店からカフェバーや各国の料理を扱うレストラン、地元の人たちが買い物する生鮮市場まで揃っており、ウインドショッピングするだけでも十分に楽しめます。
ちなみに店や人が少ない路地や突き当たり等は住宅への入り口と理解し、立ち入るのはやめましょう。また、住宅の路地を抜けて通りに出られますが、あくまでも住民専用の通路のため、通行するのは遠慮しましょう。
田子坊の建物もそうですが、上海の古い建物は石庫門というレンガ門と二階建ての長屋が特徴的な1900年代初頭の建築様式です。
当時の人々の暮らしを知ることができる「石庫門屋里厢」という施設が「新天地」という再開発スポット内にあります。
玄関を入って正面の部屋には家長が座り、客人を迎えるとのこと。一階奥にはキッチンや食堂があり、二階から上には寝室や子ども部屋があります。
天井は高く、薄暗いながらも開放的。京都に残る古い長屋建築のような趣と陰影を感じ、夏涼しく冬暖かく過ごすための工夫は似ていると感心するのではないでしょうか。
こちらも太陽の光が差し込む昼間よりも照明が灯る夕方頃がオススメです。
ちなみに入場料は20元。展示物に触れたり、座ることはできませんが、ノーストロボ・三脚なしであれば写真撮影は可能です。
上海と言えば黄浦江沿いに立ち並ぶ租借地時代の西洋建築群を思い起こす人は多いでしょう。
アールデコやネオクラシック様式の建物が立ち並ぶ景色はとても魅力的。この街なみを眺めるなら外灘の遊歩道ではなく、川向こうの「浦東新区」から一望する夜景をお勧めします。
概ね19時頃からライトアップが始まり、20時頃には全てのビルに照明が灯ります。黄浦江上にはイルミネーションに彩られた遊覧船も行き来するため、川面にも光が反射しとてもきれいです。できればうっすらと残照が残るぐらいの時間帯から暮れ行く景色を眺めるのがお勧めです。
外灘を一望するバーやレストランは人気です。早めに予約しておくことをオススメします。
東京やニューヨークの高層ビル群とは異なり、オリエンタリズムを感じる上海の高層ビル群。
「東方明珠塔(テレビ塔)」と正大広場というショッピングセンターを結ぶように設けられた環状の大きなペデストリアンデッキ(道路上の歩行者回廊)からは東方明珠塔や上海環球金融中心(ワールドフィナンシャルセンター)、中国一高い新ランドマークの上海中心大厦(上海タワー/632m)、金茂大厦(ジンマオダーシャー)といった高層ビルを間近に見ることができます。
外灘の街なみを一望しがら夕食を楽しんだ後はペデストリアンデッキを散策し、現代の中国らしい景色を堪能されてはいかがでしょうか。
ちなみにペデストリアンデッキの下、正大広場前にはタクシー乗り場があるため、ホテルに戻るにも楽々です。
日本で見聞きする中国のイメージは怖い、危ない、臭い、汚い≠ニいうものが大半です。しかし、現地を訪れてみれば、東京や大阪の区部と空気も喧騒もあまり変わりません。
街の各所に立つ公安(警察)や武装警察の人たちも親切に道案内してくれます。
一見、無愛想に見えますが、こちらからにっこり笑いかけると笑顔で答えてくれますし、「謝謝(ありがとう)」と伝えるとやはり、拙い英語や日本語で返してくれます。
偏見と先入観を持たずに接することと、節度を守って旅を楽しまれることをお願いいたします。
また、一部の都市で感じられる日本人へのギスギスした空気は全くありません。しかし、旧日本軍が行った二度における上海事変等もきちんと理解した上で訪問することが旅人としての矜持ではないかと思います。
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