写真:瀧澤 信秋
地図を見る温泉宿へ来たつもりでエントランスへ足を踏み入れると一瞬戸惑います。畳敷きの大ロビーに和装の女将が迎える、いわゆる温泉宿の雰囲気は皆無です。ロビーホールは、ゆったりしたソファに薫り高いコーヒー、一流の絵画、書籍にサロンと上質な空間。まるで貴族の洋館へ招かれたような錯覚に陥ります。
一変、広大な敷地は贅沢な日本庭園です。本格的な茶室が3室も点在しています。茶の湯の心に触れることで、日常にはない落ち着いたひとときが取り戻せそうです。この和洋折衷の妙が、離れの宿 よもぎ埜のコンセプトでもあります。
写真:瀧澤 信秋
地図を見る豊かな緑の庭園に、全14室の離れが点在しています。主張しない、でも贅を尽くした設えは、合理性も尊ばれる時代へのアンチテーゼすら感じます。書院造りを取り入れた客室は純和風調、源泉を配した古代檜風呂やジャグジー、半露天風呂なども完備しています(「猩猩」「蝉丸」「花ごろも」各室には専用露天風呂あり)。
利用したのは「石橋(しゃっきょう)亭」の「井筒」。間取りは10畳+8畳+4畳の贅沢な続き間。明るく開放的で季節を感じる印象的な濡れ縁から、広々とした庭を眺めていると時間を忘れてしまいそうです。
写真:瀧澤 信秋
地図を見るデザインアワードも受賞した、山を見ながらゆったり入れる大浴場は、男女入れ替え制で時間に応じて2つの風呂を満喫できます。また、桜の花に抱かれるように作られた露天風呂「森と桜の湯」、茶室風の露天風呂「侘び湯」は貸し切りでの利用も可能です(有料)。すこし浸かっただけでしっかり温まる泉質は、リウマチ、胃腸病などに効果があると言われています。
また、発汗効果抜群の岩盤浴「石の陽だまり」があり、デトックス効果もバッチリです。入浴後は本館2階、大浴場そばにある「らうんじ湯あみ」へ。大きな窓から蓬山を眺めながら、落ち着けるリラックススペースです。
写真:瀧澤 信秋
地図を見る旅館といえば、和室に座卓というイメージが一般的ですが、滞在した客室には、適度な高さのテーブルと正座をしなくても良いチェアが完備されていました。和の室礼を洋間感覚で過ごせ、多くの利用者に優しい客室といえそうです。
よもぎ埜での夕食は部屋食で、先付けから前菜、椀、お造り、焼き物、中皿のステーキをはさみ煮物、揚げ物、酢の物と食べきれないほどのコース※。温かいものは温かく、冷たいものは冷たく供される料理の数々は感動的です。地物の芋焼酎、ワインなどでゆっくりゆっくり楽しむことができます。
※料理の内容は季節、客室で変わります
写真:瀧澤 信秋
地図を見る朝風呂を楽しんだ後の楽しみは、客室で供される朝食。旅館で食べる朝食はついご飯がすすんでしまいます。昨今、ピークエンド効果が注目され、朝食なのに驚くような豪華メニューを展開、記憶に留めてもらうよう印象づける施設が増えています。
よもぎ埜の朝食は「食材のクオリティ」に尽きます。ピークエンド効果を恣意的に狙うような奇をてらった豪華さはありませんが、選び抜かれた食材で、躰の隅々まで健康が染み渡っていくような感覚。見た目ではなく体が覚える印象深さです。
離れの宿 よもぎ埜の滞在は、純和風と洋風の絶妙な折衷と上質な空気感を味わえることで、きっと深く印象に残ることでしょう。多彩なシーンで温泉を楽しめる工夫が随所に感じられ、癒しとリラックスを利用者目線で実現する極上の温泉ステイで、日常の緊張をほぐしてみてはいかがでしょうか。
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(2024/4/26更新)
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