中之島・北浜レトロ建築めぐり〜大人の大阪「ナカ」観光

中之島・北浜レトロ建築めぐり〜大人の大阪「ナカ」観光

更新日:2013/06/17 11:48

下川 尚子のプロフィール写真 下川 尚子 ライター
キタでもなく、ミナミでもない。その中間に位置する「ナカ」エリアは、大人の大阪観光にこそオススメ。該当するのは、淀屋橋、本町、中之島、北浜あたりです。
ここには、美術館やレトロ建築、リバーサイドのお散歩など、楽しめるポイントがたくさん。
このエリアで特に見ておきたいのが、明治〜昭和初期の建築物です。
時を経て大切にされるレトロ建築のたたずまいと、現代建築との調和をお楽しみください。

現代建築との調和が見どころ?日本銀行大阪支店旧館

現代建築との調和が見どころ?日本銀行大阪支店旧館

写真:下川 尚子

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今回ご紹介するのは、淀屋橋駅からスタートするコース。代表的なレトロ建築をいくつか巡って、北浜の素敵なレトロビルのカフェでお茶、というコースです。
写真を撮りながらぶらぶら歩くだけなら、所要時間は30分〜1時間程度の短いコースです。お気軽にトライしてくださいね。

まずは、日本銀行の大阪支店旧館。淀屋橋駅から降りてすぐです。
こちらは、明治36年に完成した建築です。
特徴は、真ん中のドーム型の屋根と両脇の三角屋根。
これはネオ・ルネサンス形式と言われる建築様式で、ベルギー国立銀行をモデルにして作られたのだそうです。
外壁はレンガ壁に花崗岩が使われています。もともとは白色だったそうですが、時を経て、今は深い色になっていますね。

また、注目してほしいのが、現代建築との調和。
この旧館の裏にある新館(写真には写っていませんが)は、現代建築らしい機能的デザインでありながら、旧館の景観を損なわないように、色調や素材が工夫されています。
こうした現代建築との調和も、面白いポイントです。

壮麗で重厚な存在感、大阪府立中之島図書館

壮麗で重厚な存在感、大阪府立中之島図書館

写真:下川 尚子

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日本銀行大阪支店旧館から、信号を渡って中之島方面へ少し進むと、大阪府立中之島図書館があります。
明治37年の竣工で、年代としては日本銀行大阪支店旧館と近いですね。
外観はネオ・ルネッサンス様式、内部はネオ・バロック様式を基調として作られたと言われています。
意匠の要は正面ポーチの4本の柱、そしてその後方に掲げられた円形の屋根。
中に入ってみると、その円形の屋根の下に吹き抜けの大きなホールがあり、どこか教会を思わせる建築となっています。

石造りのどっしりとした存在感は、なんとも壮麗で迫力があります。
入ってみると、歴史ある建物ならではの、しんとした空気に古い本のにおい。
一種独特の雰囲気が感じられる場所です。
現在では、国の重要文化財に指定されています。

赤レンガが美しい、大阪市中央公会堂

赤レンガが美しい、大阪市中央公会堂

写真:下川 尚子

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中之島図書館からさらに少し歩くと、見えてくるのが大阪市中央公会堂。
文化の情報発信源として昔から市民に愛されてきた存在で、現在でも大集会室や会議室、レストラン(中之島倶楽部)を利用できます。
その特徴はレンガ造りの外壁と白い帯、青銅色のドーム屋根。ネオ・ルネッサンス様式を基調としています。
設計者は旧東京駅舎にも携わった辰野金吾氏。どこか共通点を感じますね。

色調もデザインも華やかな存在感で、青空をバックに建つ姿はほれぼれするほど。
夜のライトアップも非常に美しいです。
堂島川と土佐堀川にはさまれた中洲、中之島に位置し、ひらけた場所ですので、このエリアを歩いているとあちこちから目にすることができます。
そんな中央公会堂は、まさにこのエリアのシンボル的存在といえます。

大正7年竣工。
現在では、国の重要文化財に指定されています。

ライオンが四方に鎮座する、難波橋(通称「ライオン橋」)

ライオンが四方に鎮座する、難波橋(通称「ライオン橋」)

写真:下川 尚子

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中央公会堂を出て、川沿いを歩いていくと、ちょっと立派な橋が見えてきます。
これが、難波橋。通称ライオン橋です。
土佐堀川、中之島公園、堂島川に渡ってかかるこの橋は、大阪に現存する橋のなかでも、もっとも古い橋のひとつとされています。
天神橋、天満橋とともに「なにわの三大橋」と言われる橋です。

もとをたどればその歴史は704年ごろからとなるそうですが、現在の橋の原型ができたのは明治45年のこと。
そして、昭和50年に大改修が行われ、現在の難波橋となりました。

「ライオン橋」という通称の由来は、一目瞭然ですね。橋の付け根の四方に、雄々しいライオンの像が鎮座しています。
これは橋がつくられた当時、大阪・天王寺動物園にいたライオンがモデルなのだとか。
阿・吽2体ずつのライオンとなっています。
夜には、やわらかな光でライトアップされる光景が素敵です。

レトロカフェ「GOKAN(五感)」で一休み

レトロカフェ「GOKAN(五感)」で一休み

写真:下川 尚子

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散策中、ちょっと疲れたら、レトロ建築を使ったカフェで一休みしてみてはいかがでしょう。
ご紹介するのは、GOKAN(五感)。
難波橋から歩いて3〜4分程度の場所にある、古いビルを使ったパティスリー&カフェ。地元でも人気のあるお店です。
旧報徳銀行大阪支店ビルを使っており、店内に入ると大きな吹き抜けの空間が印象的。一階はお菓子やケーキの販売、二階はティーサロンになっています。
一休みして疲れを癒しながら、優雅な気分に浸ってくださいね。

さて、大阪「ナカ」エリアのレトロ建築をご紹介してみましたが、いかがでしたか?
ここでは代表的なものに絞ってご紹介しましたが、まだまだ、必見の建築物は目白押し。地図を片手に一日歩いてみるのも楽しいですよ。

大阪の観光というと、キタ、ミナミ、ベイエリアあたりが定番だと思います。
でも、それ以外にも魅力あるエリアはたくさん!
特に、ここでご紹介したエリアは落ち着いた雰囲気で知的好奇心を刺激してくれるスポットが数多くあります。大人の観光にこそオススメですよ。
一味違った大阪を楽しみたい方、喧騒にちょっと疲れてしまった方は、ぜひ、立ち寄ってみてくださいね。

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/06/14 訪問

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