写真:Hiroko Oji
地図を見る北イタリア・リヴィエラ海岸への入り口ともいえるラ・スペツィア(La Spezia)の町からバスに乗ること30分ほどで到着するのは、ポルトヴェーネレ(Porto Venere)。バス停で降りるともうそこは、カラフルな建物とリヴィエラ海岸の絶景の始まりです。建物群の上方には、港町と地中海を見下ろすようにして建つ城塞跡とそれに続く城壁の素晴らしい眺め!建物群の裏には細い路地が入り組んで、絵のように美しい町です。
ポルト(porto)は港、ヴェーネレ(venere)は女神ヴィーナスという意味で、ポルトヴェーネレとは即ち女神ヴィーナスの港!何だか素敵なことがたくさん詰まったような名前ですね。リヴィエラ海岸へのハイキングの出発地点でもあり、海岸巡りの船着き場でもある所です。古くからの漁村だけあって、コッツェ(ムール貝)の養殖でも有名で、建ち並ぶレストランでは、新鮮なムール貝料理をはじめ美味しいシーフードが味わえます。
写真:Hiroko Oji
地図を見る地中海沿岸に多く見られる「カラフルな建物」は、昔からの漁村によくある、漁を終えて帰ってくる漁師たちが自分の家を見つけやすくするためだったとのこと。たしかに、海上から見たときに、独自の色でペイントされていると、遠くからでも「あれが我が家だ!」と見つけやすく、漁で疲れた心身が一気に元気づけられたことでしょう。港沿いには、漁に出る準備をする小型漁船もたくさん停泊していて、漁に使う網の修理中の様子も見られる、こじんまりした港町です。
写真:Hiroko Oji
地図を見るこのこじんまりした町の一番端っこの断崖絶壁にあるのが、世界遺産に登録されているサン・ピエトロ大聖堂です。白と黒の縞々模様に大理石が積まれ、内部はシンプルな祭壇とパイプオルガンが置かれているのみ!どこが世界遺産なんだろうと思ってしまいますが、壁際にひっそりとたつ聖人の像は、とても神秘的な雰囲気に包まれています。テラスに出ると、足元には洞窟もある断崖絶壁が続いており、地中海の波が岩場に打ちつけているのを間近に見れば、その勢いの迫力に一瞬怯んでしまいます。
写真:Hiroko Oji
地図を見る岬の先端に位置するサン・ピエトロ大聖堂は断崖絶壁上に建っており、さらに荒削りの断崖が背後に続きます。すぐ隣にある石段の上のサン・ロレンツォ教会のテラスには、柱のアーチがいくつも並ぶ、石板で敷き詰められた広間があります。このアーチの柱のシンプルな装飾が歴史を感じさせ、アーチ越しに眺める地中海や断崖の風景もまた絶景!
夕方になって、地中海に沈んでいく夕陽に照らされるサン・ピエトロ大聖堂と城塞が、周囲の荒々しい絶壁と共にオレンジ色に染まる風景は、ただただ見惚れるばかりの素晴らしさ!ぜひ、お天気の良い夕方に訪れて、この眺めをタップリ鑑賞してくださいね。
写真:Hiroko Oji
地図を見る更に上り詰めると、断崖上には廃墟となった城塞跡が広がります。崩れかけの石壁が何とも言えず哀愁を漂わせ、背後からは遥か先に続くチンクエ・テッレを含めたハイキングコースが始まります。廃墟と共に見下ろす、海に突き出た大聖堂を見下ろす眺めは格別です。
ハイキングコースは、ポルトヴェーネレに一番近いチンクエ・テッレの東端リオマッジョーレまで、約4時間半のもので、時間と体力にたっぷり余裕のある方にお薦めのコースです。山がちで結構ハードな個所もありますが、時折見える地中海の眺めに癒されながら進めます。
世界遺産の港町、ポルトヴェーネレをご紹介しました。カラフルな建物や教会、城塞跡も見応えありですが、ここは何といっても自然の姿がたっぷり楽しめる所です。美味しい新鮮なシーフードを味わい、心ゆくまで地中海の眺めを堪能してくださいね。
ハイキングコースは、チンクエ・テッレの西の端にあるモンテロッソ・アル・マーレまでなら10時間半もかかる壮大なコースになっています。チンクエ・テッレの五つの村の内、マナローラとリオマッジョーレ間の「愛の小道」だけなら、30分もかかりません。一気には大変でも、数日に分けて歩くことも可能なので、列車移動と組み合わせて一部分だけでも、歩くことを経験なさってみてはいかがでしょうか。
また、歩きたくないという方には、チンクエ・テッレとを結ぶボートのご利用をお薦めします。海上から眺める風景も格別で、きっと素敵な思い出になることでしょう。
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(2024/3/29更新)
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