長らく釜山の海の玄関口であったフェリーターミナルですが、老朽化もあって、2015年8月31日に新ターミナルが供用を開始しました。
以前のターミナルが官庁街の中央洞(チュンアントン)に近かったのに対し、新ターミナルは国鉄釜山駅の近くにあります。
画像はターミナルの1階正面のものです。
噴水に6本の柱が立っていますが、そこにはいずれも日本の地名が。
下関、大阪、福岡、博多。
福岡と博多は同じ港なんですが、なぜか別々の扱いになっています。
大阪や下関、福岡(博多港)には国際フェリーが、さらに福岡からは高速船も就航しており、釜山への日帰り旅行も可能です。
あと、日本人にもあまり見慣れない地名が二つ。
ローマ字でIZUHARAとHITAKATSUとあります。
これはいずれも対馬(長崎県)の地名で、漢字に直すとそれぞれ厳原、比田勝となります。
日本と韓国の高速船が就航しており、対馬北部の比田勝まではわずか1時間10分で到着してしまう近さです。
このターミナルは5階建てですが、1階は駐車場、そして4階が事務所、5階が会議場となっています。
つまり2〜3階部分が旅行者にとって重要なエリアです。
日本から船で釜山に到着して、入国審査や税関を通って、まず足を踏み入れるのが2階の入国フロア。
以前のターミナルに比べて、ずいぶんと広く、そして明るく感じられます。
韓国入国したばかりで、通貨のウォンがない!
そんな人も大丈夫。
2階には銀行があり、日本円から韓国ウォンへの両替もスムーズに行えます。
また、釜山の観光案内所もあり、日本語での案内も受けられるのがうれしいところです。
ここから韓国旅行の第一歩が始まるフロアですが、建物の外に出るとタクシー乗り場と市内バスおよびシャトルバス乗り場があります。
ただ、以前のターミナルに比べるとあまりタクシーが客待ちをしていません。
後述しますが、旅行者はシャトルバスの利用がベストでしょう。
次に韓国出国の場となるのが3階フロアです。
バスやタクシーが到着するのは先述の2階ターミナル入口となるので、乗船および出国手続きが行われる3階へは段差のないムービングウォークを利用します。
大きなスーツケースがあっても、これなら楽々移動できます。
3階には各船会社のカウンターがあるので、まずここで乗船手続きを行います。
カウンターで案内された時間内に出国手続きを行い、待合室スペースへ移動します。
出国までに時間がある場合は、海が見えるテラスで過ごしてみましょう。
これから乗船する大型フェリーや高速船、そして港に架かる釜山港大橋を眺めつつ、コーヒーブレイクなんてのもいいかもしれません。
ちなみに、釜山港大橋は2014年に完成したばかり。
フェリーや高速船を利用すれば、釜山出入港の際には必ずその下を通過します。
とくにデッキに出られるフェリーなら、橋の下をくぐるシーンを間近に見ることができ、これは飛行機の旅では味わえないダイナミックな瞬間です。
出国手続きを終えたら、搭乗まで待機します。
こちらの待合室スペースも広く、免税店もあります。
3階フロアですが、乗船や出国手続きの場だけではありません。
韓国料理をはじめ、ファーストフード、カフェなどよりどりみどり。
とくに韓国料理レストランはメニューに日本語もあるので、ハングル文字が読めなくても注文できます。
韓国最後の食事を、乗船前に済ませることができますよ。
このほか、日本でもお馴染みのコンビニ「セブンイレブン」もあり、その内装やレイアウトも日本のそれと同じ。
なお、セブンイレブンは2階の入国フロアにもあります。
また、韓国みやげに「のり」やお酒の「マッコリ」、女性だったらコスメなどを買い忘れた人も、3階にある「SHINA SHINA」というスーベニアショップで購入可能。
船酔いが気になる人は薬局で酔い止めを用意。
こちらの薬局も2階にもあり、とにかく船旅の強い味方です!
さて、新しいフェリーターミナルへのアクセスです。
ターミナルからは国鉄釜山駅の建物がハッキリと見えるので、歩いて行くことも充分可能です。
だいたい10〜15分くらいの距離です。
でも、大きい荷物を抱えているときは、ちょっと大変。
オススメなのは2階出口から発着するシャトルバスです。
だいたい20分間隔で、ターミナル→釜山駅→中央洞→釜山税関前(旧ターミナル入口の目の前)→釜山駅→ターミナルというルートを巡回しています。
行き先が日本語でも表示してあるので、便利です。
乗車の際に運賃を支払うシステムで、現金払いだと1000ウォン(100円前後)。
国鉄釜山駅まではものの5分で到着します。
そのままソウルや慶州など他の都市にKTX(韓国高速鉄道)で移動する旅人にとっては、ものすごく便利です。
ただし、シャトルバス停は駅の海側、つまり地下鉄のある山側とは正反対にあります。
地下鉄(釜山では都市鉄道といいます)釜山駅を利用する人は、いったん駅を突き抜けて、さらに駅前広場を通り過ぎなければならないので、やや不便かも。
チャガルチ市場や繁華街の南浦洞(ナンポドン)、西面(ソミョン)などに行く人は、地下鉄駅にすぐアクセスできる中央洞で下車するのがベターかもしれません。
なお、新しいフェリーターミナルのことを韓国語では「プサンハン(釜山港)クッチェ(国際)ヨゲク(旅客)トミノル(ターミナル)」といいます。
ただ「ペリー(フェリー)トミノル」だけでは、済州島ゆきの船がでる沿岸旅客ターミナルと区別がつきませんのでご注意を。
供用がスタートしてまだ間もない新フェリーターミナル。
その周辺には何もなく、なんだか殺風景な感じがします。
しかし現在、新ターミナルのある北港周辺は再開発の計画があります。
その再開発の先陣を切ったのが、新ターミナルのサービス開始でした。
これをきっかけに、ターミナル周辺にはホテルやレストラン、さらにエンターテインメント施設の建設が進められるという話もあります。
また、釜山駅とのアクセスもよりよくする方針で、現在直接つながっていない国鉄と地下鉄をつなぐ通路の建設もまもなくゴーサインが出るそうです。
つまり新ターミナルの周辺エリアは、今後、釜山の新名所になるかもしれません。
ダイナミックに変貌を遂げようとする港町・釜山。
その変化を体感するなら、新しいターミナルから釜山に入るのがベストです!
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