明治初期の町家をリノベ!金沢「カフェ 安江町ジャルダン」

明治初期の町家をリノベ!金沢「カフェ 安江町ジャルダン」

更新日:2015/12/23 18:32

Mayumi Tのプロフィール写真 Mayumi T 金沢出身の歴史探索家、B級グルメマニア、北陸の旅先案内人
北陸新幹線開業後、金沢市内には個性あふれる魅力的な飲食店やカフェが次々とOPENしています。そして現在、JR金沢駅周辺は飲食店やカフェがひしめく激戦区!観光される方々にとっては、どのお店に入ってみようか悩むことが多いもの。今回ご紹介するのは、金沢駅から徒歩すぐ。町家をリノベーションし、美味しいスイーツや食事を提供しているカフェです。町家の風情も併せて楽しんでみてはいかがでしょうか。

金沢駅から徒歩で程近く!

金沢駅から徒歩で程近く!

写真:Mayumi T

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北陸新幹線が開業後、JR金沢駅構内また駅周辺は商業ビル、店舗などの再開発、整備事業などによって開業前とは様子がすっかり変わり、観光される方々でとても賑わいをみせています。

金沢駅は「鼓門」や「もてなしドーム」が設置され、さらにアメリカのTravel & Leisure(トラベルアンドレジャー)のWEB版による「世界で最も美しい駅」の一つに選ばれてからは、写真撮影のスポットの一つとしてもとても人気があり、一日中ひっきりなしに多くの観光客の方々が訪れています。

このように常に混雑するJR金沢駅周辺ですが、ひとつ小さな通りに入るだけで、北陸新幹線が開業する前の金沢の街並みや、古くからの面影がそのまま今でも残されている光景に出逢うことができます。

「カフェ 安江町(やすえちょう)ジャルダン」は、JR金沢駅からも徒歩約6、7分程。「別院通り」と呼ばれる通りから、もう一本さらに細い小道を入った場所に、明治の初期の頃に建てられた町家があります。その建物をリノベーションし、2014年2月に「Machiya5」としてOPEN。他の店舗やオフィスなどと共に入居、町家内の一角にあります。

独特の風情ある建物

独特の風情ある建物

写真:Mayumi T

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JR金沢駅前と「カフェ 安江町ジャルダン」の途中に位置する、「別院通り(駅前ふらっと通り)」という通りは、地元の人にとってはおなじみの通りなのですが、観光客の方々はあまり通ることのない静かな通り。金沢駅周辺の再開発や整備によって近代的になったJR金沢駅前の雰囲気とは違い、古くからの住宅街が立ち並んでいます。

「カフェ 安江町ジャルダン」というお店の名前にもありますが、「ジャルダン」とはフランス語で「庭」という意味。一見、お店の外観は和風な建物なのですが、店内はとってもナチュラルなフレンチスタイル。何だか懐かしい感じを持ちながらも、洗練されたインテリア…という雰囲気から、様々な年齢の方々が訪れやすいカフェとして話題になっています。

明治の初期に建てられたという町家の中に、他の店舗やオフィスなどと一緒に入居しているというちょっと珍しいスタイル。一歩、町家に足を踏み入れると、手前にまず別の店舗が見えてきます。さらにドンドン奥へと歩き進めていくと、建物の奥にひっそりと佇む「カフェ 安江町ジャルダン」に到着することになります。

お店の前に到着する途中の、建物の造りも古くからの情緒や雰囲気たっぷり。歴史を感じさせる梁、どこかぬくもりやあたたかみをもったシンプルな四角い窓の木枠…。明治の時代の町家独特の奥行きのある建物の造りも、しっかりとお楽しみください!

落ち着いたインテリア

落ち着いたインテリア

写真:Mayumi T

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店内はとてもナチュラルなフレンチスタイル。大きなテーブル席一つと、他にテーブル席が三つ設置されていますが、そのテーブルと椅子も実にシンプル。このようにスッキリとした店内なので、何だか落ち着けていつまでもいたくなってしまうような、そんな気持ちにさせてくれるお店なのです。

カフェを切り盛りしている方は、さりげなくその日のおススメのメニューを伝えてくださったり、常に明るい笑顔で接してくださいます。メニューは、壁に掲げてある大きな黒板から注文することができますよ。とてもコクのある各種のコーヒーやドリンク、地元の食材を使った食事メニューやスイーツが好評です。

ゆったりくつろげる!

ゆったりくつろげる!

写真:Mayumi T

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写真は「宝達葛(ほうだつくず)のミルクゼリー」。このメニューは、石川県羽咋郡の宝達志水(ほうだつしみず)という地区で生産されている稀少な葛を使ったスイーツなのですが、このゼリーのプルッとした食感と、あっさりとした中にもミルキーな甘さがとっても絶妙で、おススメなんです!

日本各地にも葛を生産している地域はいくつかあります。宝達志水の葛は450年以上の歴史があり、そして古くは宝達山が金鉱山だった頃、宝達金山の鉱夫たちのための「漢方薬」だったといわれています。鉱夫たちが胃腸の調子を悪くした際などの健康管理に役立てるために、その薬として葛粉を作っていたようです。

宝達葛の商品として生産が始まったのは幕末の頃。この地区のとある生産者が加賀藩の「御用葛出来方」として任命され、幕府へ葛粉を献上したところから始まっています。

現代では金沢の老舗和菓子店などでもこの「宝達葛」が使われ、和菓子などがつくられていますが、生産者の数も非常に減ってきている為、貴重な「宝達葛」です。是非、味わってみてはいかがでしょうか。

散策の足休めにも

散策の足休めにも

写真:Mayumi T

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「ブレンドコーヒー」などを始め、ドリンクのメニューも豊富に揃っています。

スイーツは先にご紹介した「宝達葛ミルクゼリー」の他、厚みがしっかりとある甘さ控えめのしっとりした「厚焼きパンケーキ」も人気。フードメニューは、地元の野菜をたっぷりと使った「加賀野菜えびドリア」がおススメ。貴重な加賀野菜がたっぷりと味わえますよ。

このように「安江町ジャルダン」では、絶品のスイーツや地元の食材を使った食事メニューが気軽に味わえるとあって、地元の人は勿論、観光客の方々にも話題になっているカフェなのです。金沢市内では「ひがし茶屋街」や「長町武家屋敷跡」などの観光スポットでも古くからの街並みは散策できますが、もしお時間があればこのような観光スポットを巡るのと併せて、古くからの地元の街並みをのんびり散策してみてはいかがでしょうか。

おわりに

金沢市内の観光や散策のちょっとしたひと休みがてら、また金沢駅構内の飲食店やカフェが満員で入店できない…といった場合など、そして各種公共交通機関などの待ち時間などにご利用してみるのも、便利でおススメです。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/08/12−2015/08/17 訪問

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