世界認定の味の箱船!?西伊豆「カネサ鰹節商店」工場見学

世界認定の味の箱船!?西伊豆「カネサ鰹節商店」工場見学

更新日:2015/10/12 19:43

西伊豆を代表するB級グルメ「しおかつおうどん」。うどんに使われている「潮かつお」が、世界150ヶ国に支部がある「スローフード協会」から、Ark(味の箱船)に登録されました。食通で知られるイタリアに協会本部を置く世界から認められた「潮かつお」とは?
西伊豆でしか見られない世界に誇れる味「潮かつお」を製造する、「カネサ鰹節商店」の工場見学をご紹介します。

3軒のみの、貴重な製造元

3軒のみの、貴重な製造元
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こちらは伊豆半島の西海岸、西伊豆町にある「カネサ鰹節商店」です。国道136号線から、田子港へ向かう細い道の途中にひっそりとあります。
この商店がある田子地区は鰹漁で栄え、1950年代には40隻の漁船がありました。
一時期は、鰹の町として全国的に知られる焼津と張り合っていた時期があったほど盛んで、鰹節のお店も漁船と同じ数だけあったと言われています。

今では、航海の長期化やコストの上昇などによって鰹漁は途絶え、鰹節商店はわずか3軒を残すのみとなりました。カネサ鰹節商店はそのうちの一軒で、創業は明治15年。
西伊豆に古くから伝わる製法で、潮かつおや鰹節などを製作している製造元です。
伝統製法にこだわって作る、ここでしか見られない貴重な工場見学を早速体験しに、中へ入ってみましょう!

日本を誇る、プレミアムな食材!!

日本を誇る、プレミアムな食材!!
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工場は、削り節などを販売している店舗の横に併設。中へ入る前から、燻された鰹節の良い香りが漂っています。
工場の奥へ突き進むと、外で無数に吊り下がって干される魚。これが「潮かつお」です。2014年に「味の世界遺産」と言われる「Ark(味の箱船)」から認められた代物。

「潮かつお」は、この地区で古くから正月の縁起物として食べられている保存食。内臓を取り除いた鰹を10日程、塩漬け。その後、竹ざおに吊るし、2週間程伊豆西海岸特有の強い西風に当てて乾燥させると完成。
西風に当てることによって、身が引き締まった美味しいものができます。潮かつお作りは、毎年11月中旬から12月中旬頃まで行われ、見学できるのもこの季節限定です! 

因みに、潮かつおはお茶漬けやお吸い物として食べられるものが一般的。西伊豆町の飲食店では、B級グルメの「しおかつおうどん」が食べられます。ここの店舗では、潮かつおのお茶漬けや、潮かつおを丸ごと1本買うこともできちゃいます。他にも、かつおの塩辛・ハラモの燻製など珍しい商品もあるので、売店は要チェック!
お茶漬けで頂くと、潮かつおから良いだしが出て、塩っ気と相まって美味しさを引き立てくれます。

朝廷に納めていた、カツオ節!?

朝廷に納めていた、カツオ節!?
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この工場に来たのなら、もう一つ見ておきたいのが「カツオ節」です。
この地に伝わる「手火山式燻乾法(てびやましきくんかんほう)」「鰹節の日干法(にっかんほう)」という方法で、頑なに造られているため、旨みがギュッと閉じ込られた風味豊かなカツオ節ができあがります。
ただ単に、鰹節を燻すだけでなく、燻す前や後の工程を合わすと20以上の工程があります。燻した後、最低でも4ヶ月間天日干しを繰り返し、手間暇かけて作られたカツオ節。
733年、カツオ節の原型とも言える田子地区で作られた「荒堅魚(あらかたうお)」が、奈良の平城京に税として納められていたそうで、美味しさのルーツは、遥か昔までさかのぼります。

工場では、煙を上げながら燻す鰹が見られ、空腹の胃を刺激するような濃厚な鰹のたまらない香り! 一つ一つ手作業で、間近で作り手のぬくもりを感じることができますよ。

おわりに

「カネサ鰹節商店」の工場見学は、月曜日から金曜日まで行っています。所要時間は、30分程度で、見学料金は無料です。
見学の申込は、前日までに直接電話で申し込んで下さい。
その他の詳細は、下記のMEMO【カネサ鰹節商店】より、お問い合わせ下さい。写真を撮る場合は一言声をかける、騒がないなど、くれぐれもマナーを守って見学して下さいね。

潮かつおは、先人が生み出した日本古来の保存食。伝統的に生産され、絶滅が危惧される希少価値が高い食材。
「カネサ鰹節商店」では、代々、西伊豆で受け継がれてきた本物の姿を体感することができます。世界が認めた潮かつおを製造するレア度満点の見学スポットは、日本でもここだけ!
日本を代表する味「潮かつお」を、是非一度、目にしてみませんか?

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/12/16 訪問

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