弘明寺(ぐみょうじ)商店街の歴史は長く、昭和以前は弘明寺の門前町として栄えていました。戦後、幸いにして空襲を免れた弘明寺商店街は、当時路面電車の終点になっていたなど交通の便がよいこともあり、賑やかに大きくなってきました。
かつては、「東洋一」ともいわれた商店街のシンボル大アーケードは、2001年に改修されましたが、町並みは昔と変わりない活気ある商業地域になっています。312mのアーケードに約130店が集まる大きな商店街です。
交通は、横浜市営地下鉄ブルーライン弘明寺駅より、降りたほぼ手前が商店街です。商店街入り口にある鎌倉街道は、江戸時代以降、交通の要所となっていた道でもあります。
商店街は食料品を中心に、最近のドラッグストアやコンビニエンスストアもあるのですが、昔ながらの呉服店、帽子の専門店など、ここにしかない店も数多くあります。かつては映画館、銭湯なども存在した、いわば下町情緒あふれる町なのです。
そこで、「酒学工房(さけがくこうぼう)」という聞き慣れないお店を見つけました。これが川松屋酒店、一見昔ながらの酒屋ですが、実はここの店主、川松正孝さんは発酵についての講義を大学で行うほどで、店内には「酒は学問である」などの張り紙も見られます。店主のこだわりは酒類だけでなく、みりんや醤油にも及んでおり、ここでしか扱っていない銘酒も何種類かあります。まずは、米と米麹だけで作られ、糖類を一切使っていない甘酒を味わってみるのがオススメです。
ほかの商店街に比べて、和菓子の店が多いのが弘明寺商店街の特徴で、鎌倉街道沿いにある盛光堂本舗で売られている観音最中などが代表的で、店ごとに、饅頭、団子などの名物があります。
写真は、弘明寺商店街の中でも老舗の呉服屋「濱田屋」。店舗も古風ながら一枚板の看板も古さを感じさせるもので、このお店は弘明寺でも90年の歴史を持つということです。
ここで例によってコーヒータイム、今回は商店街のほぼ中央にある「ふくや」という喫茶店に入りました。ブレンドコーヒーとショートケーキを注文しましたが、味も良好ながら、店内の雰囲気がよく、気さくなマスターの行き届いたサービスで、買い物の合間の一息タイムを楽しむことができました。
この商店街は門前町なのですが、歩いてすぐのところにある弘明寺についても書いておきましょう。
お寺の伝説によれば、弘明寺ができたのは奈良時代にまでさかのぼり、現在の「弘明寺」という名前になったのも鎌倉時代であるという、横浜市内で最も古い寺院です。ご本尊の弘明寺観音は国の重要文化財になっており、元日にもなれば参拝客が大勢集まる場所なのです。
ここで内緒のローカル情報を…。
7月と8月には弘明寺商店街で縁日が行われます。毎月3と8の日に開催され、様々な屋台が建ち並びます、18時頃から21時までがもっとも盛り上がるところです。先の初詣以外にも、商店街中央を通る大岡川にかかる観音橋は、春になれば桜の名所として賑わいます。四季を通じて楽しむことができ、通好みの観光スポット、お買い物もかねてぜひお越しください。
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