外国人にも大人気!中山道馬籠宿から妻籠宿への峠越えハイキング

外国人にも大人気!中山道馬籠宿から妻籠宿への峠越えハイキング

更新日:2023/07/24 10:11

「中山道」は江戸・日本橋と京・三条大橋の間を結ぶ古くからの街道です。中でも、長野県南木曽町の「妻籠宿」、岐阜県中津川市の「馬籠宿」は江戸時代からの佇まいを色濃く残す宿場町として、海外からの観光客も多い人気の観光地。この二つの宿場間の馬籠峠を越える8km、約3時間のハイキングは、ほどよい達成感が得られるので大人気です。

これらの宿場町と、木曽義仲も越えた峠越えのハイキングをしてみませんか?

中山道

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中山道は、江戸時代の江戸・日本橋を起点とする五つの陸上交通路(東海道、日光街道、奥州街道、中山道、甲州街道)として定められた街道の一つで、江戸日本橋から北武蔵・上野国・信濃国・美濃国と諸国を通り、近江国草津宿で東海道と合流して京都を結ぶ約540kmの道です。途中六十九次の宿場があります。

木曽義仲の挙兵、関が原の戦いに向けて軍を進めた徳川秀忠、幕末の皇女和宮の降嫁、新撰組結成前の浪士隊として上京した近藤勇、等の歴史上の人物を見つめてきた街道でもあります。

中山道は山の中を往来する道程ですが、東海道のように川の増水による川留めを避けることができる利点から、女性の旅人も多かったそうです。なかでも幕末の公武合体策のために14代将軍・徳川家茂に嫁いだ和宮の大行列は絵巻物のような豪華さだったと語り継がれています。

途中、急峻な木曽谷を通る11の宿場町(今の岐阜県中津川市の馬籠宿〜長野県塩尻市の贄川宿まで)のおよそ88Kmほどの区間を「木曽11宿」と言い、妻籠宿、馬籠宿はその中の宿場町です。

馬籠宿

馬籠宿
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木曽馬籠宿は、今も江戸時代の佇まいを残す町並みとして、岐阜県中津川市にあります。馬籠宿はJR中央線の中津川駅からバスで20分ほどの場所です。

馬籠宿は中山道の四十三次目の宿場です。歌川広重・渓斎英泉によって、『木曽街道六十九次』として浮世絵が描かれていて、ここ馬籠宿は峠道を恵那山を正面に見ながら歩く旅人の姿で描かれています。また、「木曽路はすべて山の中である」で始まる小説『夜明け前』を書いた文学家島崎藤村の出身地としても知られ、夜明け前の舞台となった場所や藤村記念館もあります。藤村記念館の隣の大黒屋は、藤村の初恋の人「おゆふ」の実家で、島崎藤村の若菜集の詩『初恋』、「まだあげ初めし前髪の林檎のもとに見えしとき前にさしたる花櫛の花ある 君と思ひけり やさしく白き手をのべて林檎をわれにあたへし ...」は有名です。

かつては長野県木曽郡山口村に属していたこともあり、木曽谷を通る街道「木曽11宿」の南端に位置します。石畳の急斜面の坂に沿った江戸情緒あふれる町並みが続き、坂道を登りきった高札場近くの展望台からは、浮世絵の絵のように正面に百名山で知られる恵那山を一望できます。

山道の峠越え

山道の峠越え
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馬籠峠は標高800mほどの峠ですが、妻籠・馬籠峠間の標高差は約400m、馬籠峠・馬籠間は200mほどです。妻籠〜馬籠峠はゆるやかな長い坂、馬籠峠〜馬籠は急な短い坂なので、どちらから歩いても少し上りがきついかも知れません。街道に沿うように造られた岐阜県道・長野県道7号を走るバスもありますので、足の具合が気になる人は上りをバスを使う方法もあります。

観光案内所で、妻籠⇔馬籠ハイキング券を受け取って、ハイキング終着の馬籠又は妻籠の観光案内所で引換に、桧(ヒノキ)で作られた立派な完歩証明書がもらえます(200円)。

男滝・女滝

男滝・女滝
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馬籠峠近くには、男滝・女滝(おだき・めだき)という二つの滝があり、剣豪 宮本武蔵が修行した地だとも云われています。吉川英治の時代小説『宮本武蔵』の中にも 男滝女滝の場面があり、武蔵とお通の恋物語の舞台にもなっています。

「松本平の豪族・倉科左衛門尉時元が、豊臣秀吉の関白就任のお祝いに金の鶏をもって上洛する途中、大妻籠宿付近で地元の豪族に襲われ殺害された。その時、お祝いの品であった金の鶏が女滝に舞い込んでしまった」という「倉科様伝説」というものも伝えられています。

妻籠宿

妻籠宿
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妻籠宿は、今も江戸時代の佇まいを残す町並みとして、現在の長野県木曽郡南木曽町にあります。JR中央線の南木曽駅からバスで10分ほどの場所です。

妻籠宿は中山道の四十二次目の宿場です。今も当時の景観を保っていて、日本初の重要伝統的建造物保存地区に指定されています。妻籠宿の町並みをのんびり散歩すると、まるで江戸時代にタイムスリップしたような感じを受けます。

国重要文化財に指定されている「脇本陣奥谷(わきほんじん おくや)」は、代々脇本陣・問屋を勤めた家で、現在の建物は明治10年にそれまで禁制であった桧をふんだんに使い建てられました。島崎藤村の初恋の人「おゆふ」さんの嫁ぎ先でもあり、旧家の堂々たる造りを見ることができます。現在は脇本陣奥谷に加え、江戸時代後期の間取図をもとに復元された本陣、資料館の3館によって構成される博物館として公開されています。

妻籠宿から少し上り下りがありますが、妻籠城跡を経由してJR中央線の南木曽駅まで約1時間ほどハイキングしてみるのも、天気の良いときはよいでしょう。

木曽十一宿

急峻な木曽谷を通る11の宿場町(贄川宿 奈良井宿 藪原宿 宮ノ越宿 福島宿 上松宿 須原宿 野尻宿 三留野宿 妻籠宿 馬籠宿)は、およそ88Kmほどの区間にあります。木曽の山中を通る難所ですが、江戸時代から変わらない風景を留めている場所でもあります。

妻籠・馬籠の有名な宿場町巡りや、自然豊かな木曽谷の街道を歩いて、あなたも江戸時代にタイムスリップしてみませんか。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/09/28 訪問

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