写真:ろぼたん
地図を見るクライネシャイデック駅と頂上にあるユングフラウ駅を結ぶ「ユングフラウ鉄道」は、ヨーロッパで一番高い場所を走る鉄道です。クライネシャイデック駅へは、ラウターブルンネン経由の西回り・グリンデルヴァルト経由の東回りルートがあり、クライネシャイデックで登山列車が合流します。このクライネシャイデックの駅自体が標高2,061m。咲く花は高山植物、見えるのはアイガー山のそびえる絶壁。既に雲と同じ高さに立つ、そこはハイジの世界です。
ユングフラウ鉄道は100年以上前に開通したルートで、なんとアイガー、メンヒの山の中を通って、ユングフラウの途中まで登ることになります。どうやってこの山をくり貫いて線路を引いたのだろう…と驚愕せずにはいられない、人の手の力の凄さを感じるルートでもあるんですよ。
ユングフラウ鉄道は行程の大部分がトンネルの中となるので、景色を楽しむことができる時間はわずかです。右手に広がる美しいハイジの世界、正面にそびえる絶壁の山肌、迫り来る氷河は必見!特に景色の美しいのは、上りでは進行方向右側の席。座れたらラッキー!
写真:ろぼたん
地図を見るユングフラウ鉄道では上りのときに、3つの駅に停車します。中でも山の中にある2つの駅では、数分間下車をして眺望を楽しめるポイントがあります。たびたび映画や小説でもとりあげられたことのある覗き窓は必見ポイントです。
最初のアイガーグレッチャー駅までは、美しい車窓からの景色を楽しみながら10分ほどで到着。アイガーのグレッチャー(氷河)という名前からもわかるように、ここからは氷河を目の当たりにすることができます。そして広がるアルプスの美しい景観。帰りの下り列車で天気がよければ、下車してクライネシャイデックまでハイキングするのもオススメです。
2つめは標高2,865mのアイガーヴァント駅。ヴァント(壁)という名前そのままの山の絶壁を感じる駅で、数々の登山家が挑戦し散っていった切り立った崖に面しています。ガラス越しに、北壁と遥か下のクライネシャイデックとグリンデルワルトの景色を眺めることができます。
3つめは標高3,160mのアイスメーア(氷の海)駅。写真のように間近に迫るアイガー氷河とクレバスが望める、まさに氷の海の世界。天気がよければ、絶景が楽しめるポイントです。
※アイガーヴァント駅とアイスメーア駅は観光用に一時停車するための駅で、停車するのは上りのみ。下り列車では停車しません。停車時間はたった5分。クライネシャイデックでトイレは済ませておき、景色を堪能するのがオススメです!
写真:ろぼたん
地図を見る終着駅であるユングフラウヨッホ駅は標高3,454m!そしてここから更に上のスフィンクス展望台へは高速エレベーターで。なんと3,571mまで、高速エレベーターで108mを一気に25秒で登ります。
そこから楽しめるのは、ガラス張りの展望台からアレッチ氷河をはじめとする360度の大パノラマ!写真正面のアレッチ氷河は、スイス南部のアルプスにあるヨーロッパ最長の氷河です。美しい髪の毛のように流れる筋が印象的。世界遺産の景色を堪能しましょう!
写真:ろぼたん
地図を見るアレッチ氷河側だけではなく、反対方面の世界も絶景。ここは崖の天辺の展望台だった…ということを思い出させてくれる、ちょっと足もすくみそうな世界。「地球は丸い」そのことを実感できる水平線の向こうまで見下ろすような景観です。足元には雲海と更に下にはアルプスの村里が。アルピニストでなければ見られないような景色を、鉄道とエレベーターでやってきて見ることができるのです。
ユングフラウ駅の建物の中は平均20度くらいの快適な温度になっていますが、地下にある氷の宮殿(アイスパレス)では、夏で2度から-3度。スフィンクス展望台や外(プラトー)などに出るときには外気温になるため、天気がよくても、風がちょっと吹くだけで手がかじかむくらいのかなりの寒さです。防寒対策はしっかりとしましょう。
写真:ろぼたん
地図を見るユングフラウ駅内部は、スフィンクス展望台、スノーファンとプラトーは地上に、残りの観光スポットは全て地下にあります。地下部分には鉄道駅、展示や写真ギャラリーなどのアトラクション、氷の宮殿という氷河内部をくり貫いたトンネル、土産展やレストランもあり、案内経路順に周るとだいたい1時間半程度の時間がかかります。
そして駅の出入口にはなんと日本の赤いポストが。ちょっと懐かしい形の丸いポストですが、置き物ではなく、実際に使用されています。富士山五合目簡易郵便局とユングフラウヨッホ山頂郵便局が姉妹提携をしており、友好の証として日本から贈られたものとのこと。逆に、富士山五合目簡易郵便局にはスイスの黄色いポストがあります。
売店で切手もハガキも売っていますので、旅の記念に親しい人へヨーロッパの一番高い場所からハガキを出してみましょう。ちなみに、ここから出すハガキは1週間程度で日本へ到着。自分にも出してみて、どちらが早く日本に到着するのか比べても面白いかもしれません。
「AIR MAIL JAPAN」と上に目立つよう赤字で書いたあとは、全部日本語で宛先を書くだけで届くので海外からハガキを出すのって意外と簡単なんですよ。
1km進む間に標高が250mアップする、このユングフラウ鉄道で注意しないといけないのは高山病です。列車での移動のため気づきにくいのですが、ユングフラウ駅の標高は3,454m、富士山の標高が3,776mであることを考えると、気圧の変化、酸素不足による高度障害(高山病)が生じてもおかしくないくらいの高さです。
歩くときなどは、特にゆっくりと移動することを心がけてください。旅の疲れとの差異を判断しにくいのですが、眠気や生あくびが出たりすれば、酸素不足の兆候かもしれません。頭痛が出てきたら要注意。行きの列車では眠ると息を意識することができなくなるため、疲れていても眠らないように。息が浅くなって余計に高山病にかかりやすくなります。帰りはどんどん標高が下がるので、眠ったせいで具合が悪くなることはありません。高山病の軽減に有効なのは睡眠と多めの水分摂取。前日はじっくり眠って、移動中はこまめな水分補給を忘れないようにしましょう。
15年以上の歳月をかけて、1912年に開通したユングフラウ鉄道。そこで味わうアルプスの絶景と、ケーブルカー並みに傾きながら進む登山列車での旅は、一生の思い出になるはずです。
最後に、山は天候がかわりやすい場所ですので事前の準備は怠りなく。ユングフラウヨッホの気温や天気予報をMEMOにリンクしていますので、参考にしてくださいね。
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(2024/3/29更新)
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