萩市に行ったことのない人は、萩のイメージを「山中にある城下町」と思っている人が多いようです。しかし、実際には日本海に面した町で、気候も比較的温暖となっています。
城下町の赴きを残す萩は、古い武家屋敷や商家が残されており、散策していると江戸時代にタイムスリップしたような感覚を覚えるでしょう。そして、萩を散策しているとあちらこちらの木に黄色い実が付いているのに気づきます。これが萩名物の「夏みかん」。普通に歩いているだけで、沢山の夏みかんを見かけます。それも夏だけでなく、寒くなる季節にまで実が沢山付いているのです。
萩は歴史の町だけではなく、「夏みかんの町」でもあったのです。
萩の城下町にある「光國本店」は創業安政5年(江戸時代後期)の老舗菓子屋です。
萩と夏みかんの関係は、江戸中期に海から流れついた種を植えたことが起源とされています。しかし、当時は誰も食べることはなく、実際に食用に使用したのが幕末近くになってからでした。
お菓子の材料としては苦味がネックとなって苦労したそうですが、明治になって光國本店の店主が「砂糖煮」を開発したのです。以降、夏みかん菓子の専門店として、今日までお菓子を作り続けているのです。
ここのオススメはやはり明治からの老舗の味である「萩乃薫(夏みかんの砂糖煮)」でしょう。ほんのりと苦味の利いた甘さが特徴で、その上品な味はお茶うけとして全国にファンがいるくらいです。
写真には手前から夏みかんの皮、みかんの果肉のようなゼリー、そして緑の輪切りのようなものが写っていますよね。これは9月〜11月限定で販売されている、夏みかんのまだ青い子供のスライスです。
まるでキュウリみたいですが、ちょっと青臭さが残る風味もまた良しですね。
光國本店で特にオススメしたいのが、缶のパッケージの「マーマレード」。一般的なマーマレードは、柑橘類の皮とジュースで作るのですが、ここのマーマレードは皮だけでなく果肉も含まれています。そしてこのマーマレードは「夏みかん」「砂糖」「水あめ」以外の材料は一切使われておらず、保存料や香料も未使用。昔ながらの製法で、自然そのものの味が楽しめるマーマレードだったのですね。
全国にファンがいるこのマーマレード。季節によっては売り切れになる場合もありますので、絶対に欲しい人はお店に確認を取る方が良いでしょう。
明治維新の立役者となった長州志士と夏みかんでは、ちょっとイメージが合いそうにはありません。しかし、古い城下町の塀沿いに実が成る夏みかんは風情があって、お似合いの風景に見えます。
志士達の中には、夏みかんの木々を見て旅立った人も沢山いるのかも知れませんね。
「歴史薫る萩」そして「夏みかん薫る萩」で、のんびりと歴史を散策してみてはいかがでしょうか?
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(2024/4/24更新)
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