江戸時代へタイムトリップ!大阪・富田林寺内町の歴史的街並みをぶらり散歩

江戸時代へタイムトリップ!大阪・富田林寺内町の歴史的街並みをぶらり散歩

更新日:2015/09/21 13:16

竹内 あやのプロフィール写真 竹内 あや トラベルライター
大阪市内から電車で約30分。雄大な金剛山を望む富田林市の一角に、まるで江戸時代に紛れ込んでしまったかのような街並みが広がっています。大阪府で唯一、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている富田林寺内町で、気ままにぶらり散歩はいかが? 古民家を改装したカフェや食事処で、ゆったりとした時間を過ごすのもおすすめです!

ここはどこ?! 戦国時代から続く歴史的街並み

ここはどこ?! 戦国時代から続く歴史的街並み

写真:竹内 あや

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富田林寺内町(とんだばやしじないまち)の起源は、戦国時代の永禄(1558〜69年)に遡ります。興正寺の門跡証秀上人が興正寺別院を建立し、その周囲に屋敷を建てていったのがはじまり。400×350mほどの平地に南北6筋、東西7町の道路が整備され、寺を中心とする自治都市として発展していきました。

さらに江戸時代には、紀伊国(現在の和歌山県)などに続く街道が交わる交通の要衝であったことから商業地として繁栄。酒造、米、木材などの交易の中心地として、多くの商人や職人を抱える町へと発展しました。今でも当時の様子を物語る、瓦葺屋根の豪壮な商家が軒を連ね、美しい景観を醸し出しています。

歴史的建造物の細部にも注目!

歴史的建造物の細部にも注目!

写真:竹内 あや

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散策マップを片手に、各家の特徴を見て回るのも楽しみのひとつ。なかでも現存する最古の家屋、造り酒屋として栄えた旧杉山家住宅は必見です。4層の大きな屋根が特徴的な母屋に土蔵、庭園などが当時の姿のまま残されていて、内部を見学することもできます。

ほかにも幕末に吉田松陰が逗留していたことで知られる仲村家や木綿問屋として栄えた田守家、三階蔵と呼ばれる3階層から成る珍しい米蔵が見ものの葛原家など、気になる家屋が点在。内部へ入ることはできませんが、それぞれの建造物の特徴を外からでも十分に見て楽しむことができます。

虫籠窓(むしこまど)と呼ばれる明かりとり用の窓をはじめ、関西地方の農家に見られる屋根裏部屋のような厨子二階(つしにかい)、馬をつなぐための石や環など、見どころが満載。各家の家紋を刻んだ丸瓦やさまざまなデザインの格子窓、屋根の上に設けられた煙出しなども見逃せません。

日本の道百選にも選ばれた、石畳の通りへ

日本の道百選にも選ばれた、石畳の通りへ

写真:竹内 あや

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ちょっと変わった「あてまげ」と呼ばれる道の構造にも注目! 整然と区画整理されているはずなのに、ずっと先まで見通せる直線道路があまりないことに、散歩途中でふと不思議に思う人も多いのでは?

実は、道と道が交差する部分を半間ほどずらし、わざと見通しを悪くしているのです。これは戦国時代、外部からの侵入を防ぐために考えられた知恵だとか――。

とりわけ中央を南北に走る城之門筋は、「日本の道百選」にも選ばれた石畳の美しい通り。「あてまげのみち」とも呼ばれ、まるで時代劇のセットのような街並みが続いています。

レトロなカフェや食事処で、ほっこり気分に浸る!

レトロなカフェや食事処で、ほっこり気分に浸る!

写真:竹内 あや

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寺内町でのもうひとつの楽しみは、散策途中でのひと休み。ここには伝統的な町家を再生・活用した食事処やカフェがいくつかあり、レトロな雰囲気に包まれてゆったりとした時間を過ごすことができます。

おすすめの店のひとつが、寺内町交流館の目の前にある八町茶屋。手作りの甘糀(あまこうじ)と素朴な伝統菓子「赤ねこ餅」で知られるソバ屋で、寺内町産のワインもここで飲むことができます。

ほかにもボルシチが人気の喫茶ナロードや、畳敷きの部屋で新鮮野菜を贅沢に使った日替わりランチが食べられる町家カフェ栞など、気になるお店がいっぱい! 陶芸工房やアートギャラリーを併設した店もところどころに点在しています。

最後に

寺内町へ来たら、まずは町の中心にある交流館へ。ここで散策マップを入手してから、ゆったりと町歩きを楽しむといいでしょう。散策モデルコースや見どころなども教えてもらえます。街並みに溶け込むかのようにかわいらしい店が佇んでいたり、歴史的な道標が立っていたりと、ここにはさまざまな発見が待っています!

■アクセス:近鉄南大阪(長野)線富田林駅で下車し、徒歩約10分

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/01/20−2015/09/21 訪問

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