写真:Hiroko Oji
地図を見るドイツ北部のヒルデスハイム(Hildesheim)は、中世都市として栄え、千年以上の歴史を持つ小さな町です。
現在も活気がある町で、豪華な装飾で覆われた建物が取り囲むマルクト広場は、広々とした石畳の上に普段なら朝市が開かれ賑わいます。クリスマス前になると、クリスマスマーケットの屋台が所狭しと立ち並び、賑わいもさらにアップします。クリスマスタワーを中心として、お馴染みのグリューワイン(砂糖や香辛料の入った温かいワイン)に大きな鉄板で焼かれるソーセージやお肉、甘いお菓子、ランプやクリスマス用のオーナメント、ピッツァ・・・など、様々なお店に目も舌も楽しめるひとときです。また、子供たちが楽しめる乗り物やゲームコーナーもあって、歓声が沸き上がります。
写真:Hiroko Oji
地図を見るメインストリートからマルクト広場へ入っていくと、まず目を引くのが極彩色の模様が描かれた木組みの家。1987年から1989年にかけて、元の食肉業組合の家として建てられた建物を忠実に復元されたものです。現在は、1階はカフェ・レストランとして利用され、上階はヒルデスハイムの歴史博物館になっています。上階に行けば行くほど張り出しているのが特徴的です。建物の壁面全体や各階の張り出した軒下にも色使いの鮮やかな木彫りの装飾が施されていて、まるで美術品を鑑賞しているかのような気になって見惚れてしまいます。
隣に建つのは、木組みと煉瓦の壁のデザインが美しいパン職人の家だったもので、一階がアーケードになっています。1451年、パン職人組合がマルクト広場に最初の同業組合の家を建てたのですが、第二次世界大戦の際、空襲で完全に破壊されたため、1825年以来の外観を戦後復元したものです。
写真:Hiroko Oji
地図を見るマルクト広場に面して南側に建つヴェデキントの家は重厚な木造建築で、ファサードにはカラフルなレリーフが一面に施され、現在は金融センターになっています。高さも7階建てという、規模の大きさでも群を抜いています。隣に建つのはテンペルハウスといって、昔の貴族の館だったものです。今はインフォメーションが入っており、出窓の装飾が美しい彩りの彫刻で、素晴らしいの一言に尽きます。
マルクト広場の建物は第二次世界大戦で全て破壊され、その後昔と同じように再現されたので、建築としては新しいものばかりですが、その復元力には頭が下がるばかりです。
聖マリア大聖堂の中庭、後陣の壁に生い茂る樹齢1000年の世界最古といわれる野バラの樹が伝説となっています。昔、国王が失くしてしまった大切な聖遺物をこの野バラのもとで見つけ、感謝の印にその場所に聖堂を建て、町を造ったという伝説です。ところが、第二次世界大戦で壊滅的被害を受け、大聖堂も消失。町が悲しみに暮れる中、廃墟の下から芽を出して花を咲かせたバラのおかげで、人々は希望を持つことができ、大聖堂を再建し町も復興できたという新しい伝説も生まれました。
もう一つの聖ミヒャエリス教会は、早期ロマネスク様式の重要な教会のうちの1つで、4つの角にはそれぞれ尖塔が立っています。教会本堂の天井にはキリストの系統樹が描かれた13世紀の天井画が残されています。第二次世界大戦で爆撃を受けたのですが、この天井画の天井板は外されて安全な場所に保管されていたため、創建当時のもので唯一残っているのがこの天井画となっているのです。
写真:Hiroko Oji
地図を見るメインストリートを歩いていると、路地の奥に見えるのがこのお家です。マルクト広場に面して建つ建物とは比較にならないくらい小さくて地味な木組みのデザインで、縦長の五角形! 1階部分の狭さに比べて上階に行くほど広くなる、とんがり屋根のお家がとってもキュートです。昔は、1階部分の面積に応じて税金が課せられていたため、できる限り1階部分を狭く、上階はできる限り広くスペースを! とのことで建てられたといいます。その典型がこのお家でしょう。
日本ではマイナーな町ですが、木組みの豪華さでは、ほかの町にも引けを取らない素晴らしい町並みのヒルデスハイムをご紹介しました。ドイツには、このような素晴らしい家並みをもつ町がたくさんあります。鉄道やバスに乗って、気に入った町や村でヒョイと途中下車して、ブラブラ散歩する・・・そんな気の張らない旅で、小さな素敵な町を楽しんでみませんか。
この記事の関連MEMO
- PR -
トラベルjpで250社の旅行をまとめて比較!
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2024/4/19更新)
- 広告 -