洞窟に包み込まれた「大谷寺(宇都宮)」!日本最古の石崖仏が持つ癒しの空間

洞窟に包み込まれた「大谷寺(宇都宮)」!日本最古の石崖仏が持つ癒しの空間

更新日:2015/12/03 19:14

Ise Shinkurouのプロフィール写真 Ise Shinkurou
宇都宮市大谷町は、古くから建築材料として利用されてきた「大谷石」が特産物。また市内にある坂東三十三観音第19番札所「大谷寺」は、弘法大師により開基された寺として知られ、洞窟内の岩壁に彫られた日本最古の石崖仏が御本尊になっています。さらには地下30メートルにある「大谷資料館」は古代ローマの宮殿のようなお洒落な空間が話題に。「石の里・大谷」で1200年の時を遡る旅はいかがでしょうか。

古代の横穴式住居に包み込まれる「大谷寺」

古代の横穴式住居に包み込まれる「大谷寺」

写真:Ise Shinkurou

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宇都宮市の北西部では、約2千万年前の火山活動により生まれた「緑色凝灰岩」が多く産出され、大谷石として様々な建造物に利用されてきました。

今回ご紹介する「大谷寺」の内部は古代の横穴式住居を利用しており、本堂がすっぽりと洞窟に覆われているとても珍しい寺院です。

洞窟内にある本尊「大谷観音」は4メートルの岩彫りの千手観音で、日本最古の石崖仏として知られており、一歩洞窟に入り込めばヒンヤリとした厳粛な空気が流れ、一言で言い表す事が出来ない程の不思議な空間が広がります。

堂内には10体の磨崖仏がありますが、全て国の特別史跡となっており、縄文時代の住居に刻まれた磨崖仏には本当に驚きですよ。

平和観音像を見上げて世界平和を祈る

平和観音像を見上げて世界平和を祈る

写真:Ise Shinkurou

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大谷寺のすぐ前にある「大谷公園」には大谷石採掘場跡が残っています。公園内には戦没者の慰霊と世界平和を願い、昭和23年から6年の歳月をかけて、全て手彫りで完成された、高さ27mの「平和観音像」があります。

観音像の横手に階段があり、そこを登れば大谷の町並みを一望することが出来ますので是非上ってみて下さい。

またこの公園内には、採掘場跡の地下空間が残っていますので、そちらに入ってみるのもおもしろい散策です。

公園内はペットと自由に散策できますので是非ワンちゃんも一緒にお散歩させてあげて下さい。旅連れ小太郎は、周りの空間があまりに巨大すぎるのか、キョロキョロと視線が定まらない様子でした。本当に目を瞠る大きさです。

地下30メートルの巨大空間「大谷資料館」

地下30メートルの巨大空間「大谷資料館」

提供元:宇都宮観光コンベンション協会

http://www.utsunomiya-cvb.org/photo/地図を見る

「大谷資料館」は東日本大震災後、安全確認をする目的で閉鎖されていましたが、2013年4月2日から営業再開となりました。

地下30mにある地下採石場跡を利用して造られた「大谷資料館」は石の大谷ならではの資料館として有名です。また館内には古代ローマ遺跡を思わせるような幻想的な空間が広がり、大谷石の歴史を学ぶ事ができます。

最深部では地下60mにもなり、異次元の世界に迷い込んだよう!ですが館内の温度は低いですので、入館される時には何か上に羽織れるものをお持ちになる事をお勧めします。

またこの資料館は、大谷石の幻想的な雰囲気を利用した様々なイベントも立ち上げ、映画「るろうに剣心・京都大火編」の一部もここで撮影されました。

岩肌に52個の穴「長岡百穴古墳(ながおかひゃくあなこふん)」

岩肌に52個の穴「長岡百穴古墳(ながおかひゃくあなこふん)」

写真:Ise Shinkurou

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宇都宮市長岡町には古墳時代末期に掘られた横穴式の古墳が残っており、大小あわせて52個の横穴が不思議な景観を作り出しています。

全ての穴の内壁には馬頭観音像・地蔵菩薩像などが彫られ、これらの仏像は室町時代から江戸時代の作品と考えられています。

保存状態があまり良くないのが残念ですが、この地域の特徴を示す興味深い古墳ではないでしょうか。お勧めの立ち寄りスポットです。

岩肌に登って内部を覗くこともできますが、足元にはお気をつけ下さいね。


日本最古の石崖仏と平和観音の旅はいかがでしたでしょうか?この地域は大谷石を利用して建築された住宅が多くあり、車の窓からは趣のある町並みを眺めることもできます。是非「石の里大谷」へお出かけ下さい。

古代の息吹を感じる旅になりますように・・・By Shinkurou

縄文人の人骨も出土!

当寺院の周辺は縄文人が生活した痕跡が多く残り、大谷岩陰遺跡として重要な地域でもあります。

さらには大谷寺の洞窟内地下からは、屈葬されたほぼ完璧な縄文人の人骨が出土しています。大谷寺に隣接する資料館には、現物の人骨、出土時の様子、さらには学術的な検証資料等が展示されていますので是非お立ち寄りください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/05/18 訪問

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