写真:松縄 正彦
地図を見る旧江戸城跡にあるのが皇居です。天皇陛下の御所や宮殿には、我々一般人はめったな事では入る事ができません。
しかし、宮殿と反対側にある江戸城本丸・二の丸跡(また、三の丸跡の一部も)は東御苑として一般公開され、自由に入れるのです。さあ大手門(写真)から中に入って見ましょう。
いろいろなコースで苑内を回る事ができますが、まずはオーソドックスに本丸跡から二の丸跡という順が良いでしょう。なおこの大手門、大名が本丸に登下域する際の正門でした。大名気分を少し味えるかもしれません。
写真:松縄 正彦
地図を見る本丸跡への道を歩き始めると、まず城壁の石の大きさにびっくりするはずです。大きな石が加工され、ピシッと角を合わせて積み上げられています。さすが徳川将軍の権威を示すのにふさわしい石垣です。家康と同盟していた信長の安土城は山城で、自然石などを巧みに使っていましたが、真逆の作り方になっています。
石垣に沿って坂を上ると本丸があった広場にでます(メモ欄の略図参照)。ここが本丸の”表”で大広間や書院がありました。また広場の一番奥に天守がありましたが、現在は石垣(天守台)のみが残されています。
まず天守台に登ってみましょう。広場全体を見渡す事ができます(写真)。広いですね・・。写真奥の左手が先ほど登ってきた場所で、”表”です。ここで将軍謁見や役人の執務が行われました。その手前には主に将軍の生活空間であった”中奥”があり、天守手前に、かの有名な”大奥”があったのです。
また、写真右手の木々の中に”松の廊下”がありました。”表”の側面に位置する廊下ですが、襖に松が描かれたのが名前の由来だそうです。松の廊下跡には説明看板と石碑がありますので歴史好きの方はお立ち寄りください。
また天守台を登る途中に”江戸城本丸のマップ”を記した看板がありますので説明を読んでみてください。この広場全体に建物が建てられていたのです。さすが300年続いた徳川将軍家の本丸です。
なおこの広場の両脇には、バラなど季節の花が植えられています。広場をぐるっと周り、四季おりおりの散策を楽しむ事もできます。疲れたら広場の脇にある”本丸休憩所”で一休みして下さい。写真左手側にあります。
苑内の休憩所(3か所あります)では皇居にちなむ品物が販売されています。“菊のご紋章入りの品々”で、まさにここだけにしかない東京土産といったら大げさでしょうか?記念に購入するもよし、親戚の方々へのお土産や話題作りにも好適です。
天守台を下りられましたら写真左手側にある”汐見坂”を下って二の丸跡に向かってみましょう。ここが秋の紅葉の見どころです。
写真:松縄 正彦
地図を見る汐見坂を下りてゆくと、直ぐ目の前に、雑木林の紅葉が眼に入ってきます。坂を下りている途中ではまだビル群が目に入りますが、雑木林の中を歩くと、都心にいるとは全く思えず、高原の林の中を歩いている錯覚に陥ります。また、あまり人もおらず静かです・・・。
二の丸跡は徳川時代からの庭園と新たに作られた雑木林からなっています。雑木林は「昭和天皇」の発案で“武蔵野の面影を伝える”ものとして造園され、武蔵野からわざわざ木々を運んできたのだそうです。
現在、武蔵野でもなかなかこのような場所にお目にかかる事はできません。ここは貴重な場所になってしまいました。紅葉の写真をとるならこの場所です(写真)。さあ、しばし現実を忘れて、自然を満喫しましょう!
また、そのまま行くと庭園が見えてきます。この庭園は、造園で(茶道や建築も)有名な「小堀遠州」の回遊式庭園を復元したものです。
また庭園の池(二の丸池)には鯉が泳いでいますので一寸見てください。この鯉、実は普通の鯉ではありません。天皇陛下が皇太子時代に、”インドネシアのヒレナガゴイと日本のニシキゴイを掛け合わせてみれば”、という提案をされ、日本で作られた独自の品種なのです。名前通り、ヒレが長い鯉さんです。
庭園の一画には茶屋(諏訪の茶屋)もあります。明治期に吹上御所に建てられていたのだそうですが、ここに移築されたものです。
皇居、東御苑いかがでしょうか、徳川300年を支えた江戸城の本丸跡、また武蔵野の面影を残す二の丸跡。都心の真ん中で日常からタイムスリップできる穴場です。仕事の疲れを癒す場所、あるいはデート・スポットとしてもお勧めです。但し帰途は紅葉を見ながらゆっくりとゆかれると良いでしょう。門をくぐって苑外に出ると一挙に現実に戻ってしまいますので・・。
東御苑は入場無料ですが、行かれる際には開苑日に御注意くだい。通常のお休みパターンとは異なり”月曜と金曜日は閉苑”です。。なお、宮内庁のホームページでは花の開花情報も公開されています。事前に参考にされると良いでしょう。
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(2024/4/25更新)
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