此処は新潟!天然記念物の野鳥が飛来する水の公園「福島潟」

此処は新潟!天然記念物の野鳥が飛来する水の公園「福島潟」

更新日:2015/09/21 11:49

福島潟は、新潟市東北部に位置する全国でも有数の湖潟です。特にその自然は希少で、環境保全地域として環境省の「21世紀に残したい日本の自然100選」に選ばれるなど高い評価を受けています。また、国の天然記念物であるオオヒシクイが飛来することでも知られ、220種以上の野鳥がやってきます。四季折々、貴重な動植物を観察できる数少ない場所。バードウォッチングなど、双眼鏡を持って思う存分自然観察を楽しみましょう!

撮影スポット満載!何処を写しても絶景写真になる!

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福島潟は新潟市の東部に位置し、五頭連峰が湖面に映える自然豊かな場所です。「日本の自然百選」「にいがた景勝百選」などに選ばれるなど、市内でも有数の景勝地であり、数多くの動植物が生息しています。

地元では「水の公園」として親しまれ、バードウォッチングが盛んな場所でもあります。熱心な写真愛好家からの支持もあり、市主催のフォトコンテストが行われているほどです。

敷地内は舗装されている場所が限られているので、履物にはしっかりとしたウォーキングシューズを準備して行きましょう。特に雨天時には地面がぬかるんでいるところがありますので、足元には充分注意して下さい。

江戸時代から続いた干拓の歴史。住民と自然との共生へ。

江戸時代から続いた干拓の歴史。住民と自然との共生へ。

福島潟は海岸沿いにあった新潟砂丘により河川の流れがさえぎられ、砂丘の内陸部に徐々に土砂が堆積し形成されました。

江戸時代になると、阿賀野川を日本海へ直接流す干拓工事が始まりました。阿賀野川の松ヶ崎開削で、広大な開発可能な土地ができると、幕府は1754年、福島潟周辺の33ヶ村を幕府領とします。その後、福島潟開発の先駆者となる山本丈右衛門が幕府の許可を得ると、加治川や新発田川の改修、新太田川の掘削などを行い約89haを開発します。

しかし、幕領であった土地も1855年には地元住民に譲渡され、事実上の干拓が放棄される結果となりました。この政策により、人々は当時の土木技術の限界を悟りました。その後、干拓は幾度も挑戦しては失敗をしながらも紆余曲折を経て、現在の姿に辿り着くまでに246年という途方も無い歳月を要すことになったのです。

意外にも娘の名前が起源?福島潟にまつわる伝説。

意外にも娘の名前が起源?福島潟にまつわる伝説。

潟周辺の集落には、水にまつわる生き物の伝説が数多く残っています。潟には大亀や大蛇が棲むとされていて、勝手に埋め立てをしたり、魚を捕ろうとすると罰が当たると言われてきました。

有名なのが村の長者の娘お福が、恋い慕った坊さんを追いかけた後、一緒に紫雲寺潟に身を投じて大蛇と化し、「お福大蛇」となって福島潟に移ったというはなしです。「福島潟」の名の由来はお福さんの逸話が元になったと言われています。それ以外にも、今では存在しない「旧鎧潟」には、源義家が地元の豪族を討つためにやって来た際、鎧を潟で洗ったことから「鎧潟」と名付けられたなど、数多くの伝説が残されています。

このような伝説は人々が潟を守るため、また水に対する畏敬と畏怖の念から伝承されているものもあり、いかにこの土地にとって潟の存在が重要であったかを物語っています。

充実の展望施設!絶景パノラマと迫力映像で満足度120%!

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福島潟は193haのうち8割以上の地区が「国指定鳥獣保護区」に指定されています。越冬地としてだけではなく、鳥たちの繁殖や渡りの中継地として、潟では多くの野鳥が観察されています。冬になると、水辺はオオヒシクイやコハクチョウ、カモたちで溢れ、オジロワシやオオタカなどの姿も観ることができます。

これらの様子は「ビュー福島潟」でより詳しく観察、展望することができます。特に4階、映像展示室に設置された80インチの大型スクリーンは必見です。映し出される福島潟の四季折々の風景や動植物の生態の様子は肉眼では見ることのできない迫力あるシーンで構成されています。また有料になりますが、6階、展示ホールでは360度全面ガラス張りのなかで全景を眺望することができます。

このように野鳥の種類、数ともに豊かな福島潟は、鳥たちの野生の生態を観察する絶好の場所で、国内はもちろん海外からも注目されています。

自然とは不便なもの。ありふれた日常生活への警鐘。

JR豊栄駅から徒歩30分。交通の便は決して良いとはいえません。駐車場に自動販売機はあるものの、見渡す限り水田と湿地、そして雄大な五頭連峰の山々。我々はそのスケールに圧倒されるばかりです。

人間にとって、「何もない」ということはそれだけ自然が「豊か」である証拠です。なんとも皮肉なものです。それと同時に草木の音や花の匂いにいつもよりも敏感になっていることに気づかされます。

自然に身を委ねると、リフレッシュしていつのまにか時間の流れを忘れてしまいます。毎日、時間に追われる生活を送っている人にとって、福島潟の景色は人間も自然界の一部だということを教えてくれているようです。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2015/08/23−2015/08/24 訪問

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