家族旅行にぴったり!「SL人吉」の5つの魅力。

家族旅行にぴったり!「SL人吉」の5つの魅力。

更新日:2015/09/03 15:20

天草野 黒猫のプロフィール写真 天草野 黒猫 元バックパッカー
JR九州の路線は魅力的な列車がたくさんありますが、一番のお勧めはこの「SL人吉」です!

SL人吉を牽引する蒸気機関車は「ハチロク」の愛称で知られる大正11年生まれ、2015年現在、93歳。煙をふきあげて昔ながらに走る外観の魅力に加えて、列車内はレトロと和のモダンを組み合わせ考え抜かれた水戸岡鋭治さん(工業デザイナー)のおしゃれなデザインです。

ぽぉーっと鳴くSL人吉の5つの魅力をご紹介します。

魅力1:外観 燃料は石炭と水!黒光りのボディが緑に映えて美しい雄姿。

魅力1:外観 燃料は石炭と水!黒光りのボディが緑に映えて美しい雄姿。

写真:天草野 黒猫

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SL人吉の大きな魅力は、昔ながらに煙をふきあげて山々や川辺を走る勇壮なこの外観です。ぴっかぴかの黒光りのボディはとても93歳とは思えませんよね。いや、この年輪からくる魅力も大いにあるのかもしれませんが、勇壮な姿で颯爽と走る姿は一見の価値があります。

見るだけでもわくわくするのですが、乗っていると「ぽぉー」という少し高めの汽笛の音の後に、車内がガタンとゆれて走り始める全てのリズムが心地よい。流れる煙、煙の香。これは乗らないと味わえないものです。

燃料の石炭も先頭の蒸気機関車部分にたくさんつまれていて、機関士、機関助士の方が石炭を入れている姿も直にみることができます。熊本と人吉間往復で石炭2トン。水16トンを消費するとか。びっくりの食欲ですね。それもそのはず。8620形58654号機。動輪が3個のC形機関車で3両の客車を牽引している力持ちです。

魅力2:内装 1両ずつ違う!考え抜かれた客室のデザイン。

魅力2:内装 1両ずつ違う!考え抜かれた客室のデザイン。

写真:天草野 黒猫

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熊本から人吉は2時間28分の旅です。長いと思いますか?
ところが全く飽きる事のない車内とおもてなしなんです。

工業デザイナーの水戸岡鋭治さんのデザインはデザインだけでなく機能的にもすぐれていて、長時間座っていてもあきない空間が工夫されています。木をベースに作られた車内は、列車の中に棚があったり、本棚やゆったりしたソファーがあったりと人を運ぶだけではない楽しめるデザイン。

1両ずつのシートのデザインも皮のシートであったり布の模様であったり、それぞれの車両で同じものを使わないこだわり。窓には木の簾。車両の区切りには通常のドアの他に暖簾が使われていたり、ごみ箱は竹の籠。椅子や机のカーブはやわらかく、シートの布は木のぬくもりと調和のとれたモダンなカラーが使われています。デザインの工夫をみてまわるだけでもあきない車内です。

アテンダントをしてくれる客室乗務員の方のサービスもぴかいちで、常に笑顔のサービスです。車掌さんは切符をきるときに、記念はがきを配ってくれます。客室乗務員の方が各車両をまわって乗車記念のフォトサービスをしてくれたり、子供達には帽子や乗務員の制服着用での写真撮影。何気なくお母さんに質問している声をひろってきちんと答えてくれたり、気持よく車内でのひとときを楽しめます。

魅力3:子供目線 子供達も楽しめる工夫がもりだくさん!

魅力3:子供目線 子供達も楽しめる工夫がもりだくさん!

写真:天草野 黒猫

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SL人吉には家族旅行の方が多いです!
それはなぜか。子供目線でも楽しめる様に作られているからです。

1号車、3号車に作られた展望ラウンジには子供用の座席がつくられていて、真ん中で列車からの風景をみることができます。興味津々で座っている子供達はさわぐことなく、楽しそうに座っています。横で大人たちはゆったりと長椅子に腰かけて風景と共に子供達をみまもれる様になっています。

ミニSLライブラリーやSL文庫には絵本もあって、自分のシートに座っているだけではなく、色んな車両に移動して動き回る楽しみもあるので、子供達もあきることがありません。子供達用のお絵かきのできる色鉛筆や塗り絵。子供達が乗車記念のスタンプを自分で押せるのも楽しいイベントです!

昔を懐かしむ年配の方や大人だけでなく、子供達にも昔からの蒸気機関車を知ってもらうのにいい機会です。おじいちゃん、おばあちゃんやお孫さんでにぎやかに写真をとっていらっしゃる姿もいっぱい。家族みんなで日程調整して乗ってみませんか?ステキな家族旅行の思い出の一枚が撮影できることうけあいです。

魅力4:車窓の景色 田園をぬけ山あいをぬけ橋をわたり球磨川沿いをゆく

魅力4:車窓の景色 田園をぬけ山あいをぬけ橋をわたり球磨川沿いをゆく

写真:天草野 黒猫

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熊本から人吉に続く肥薩線は、熊本市内から山を越え、鉄橋を超え球磨川沿いを走る、見所いっぱいの景色の中を走っていきます。

熊本から、7つの駅に停車していきますがゆっくりガタンゴトンと走る車窓からの景色は、新幹線とはちがって風景の良さをより強く感じます。SLが「ぽぉーっ」と音をたてて通過すると、路線沿いの人たちが手をふってくれるのもあたたかい景色。

春には桜や菜の花、夏は米やい草の緑の絨毯、秋の黄金色の穂波達。赤い鉄橋、線路沿いに涼やかに流れる球磨川には白鷺や鵜の姿。魚釣りをする人たちの影。車窓はまるで窓の額縁の中にかかれた絵の様な風景です。

停車の「一勝地」では「必勝お守り記念入場券」も買えます!地元の方々の農産物やお惣菜などが販売されていて、各停車の駅での写真撮影も楽しいのでお見逃しなく!

魅力5:車内販売 「おごっつお弁当」「焼酎アイス」ここでしか買えない魅力

魅力5:車内販売 「おごっつお弁当」「焼酎アイス」ここでしか買えない魅力

写真:天草野 黒猫

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SL人吉の車内販売も魅力的です。
なによりもこのシンプルな「おごっつお弁当」がおいしいんです!

「おごっつお」は熊本弁で「ごちそう」の意味。人吉にある国宝「青井阿蘇神社」のお祭りで昔から食べられてきた赤飯、煮しめなどを再現したお弁当。竹皮でつつまれて素朴さいっぱいのこのお弁当。贅沢さはないけれども味付けが絶妙においしい!なぜおいしいのか…そう、塩梅がいいんです。いわばおばあちゃんが田舎の帰りにもたせてくれる様なお弁当。やさしい味わいは乗車するとついつい買ってしまう人も多いはず。

お芋パイに、焼酎アイスや地ビール!ピンバッチやポストカードもとてもかわいい。大人でもついつい買いすぎてしまいそうな車内販売も大きな魅力です。

独特の音とゆれ、風景。なんどでも乗りたい列車!

SL人吉を5つの魅力でご紹介してみましたが、いかがでしたでしょうか?文字だけでは紹介できない、音やにおい、ゆれ。ぜひ乗車してみてくださいね!

そして人吉についたら、球磨川下りが有名ですが2015年5月にオープンした人吉鉄道ミュージアム「MOZOCAステーション868」の見学もお勧めです。

また時期が合えば「青春18きっぷ」もお得。座席指定料金の大人820円、子供410円を支払えばSL人吉にも乗車できます。「青春18きっぷ」は11,850円で1枚のきっぷを1人で5回利用できるほか、5人での旅行も可能。周遊を考えている方には発売時期さえあえばお勧めです。

ちょっと高音の「ぽぉーっ」という汽笛の音をききながら、ゆっくりゆられてみませんか?
忘れられない旅になります。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/08/23 訪問

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