正面から見る「渋・辰野館」は寺院かと思わせる佇まいである。一歩中に足を踏み入れると、山小屋を大きくした吹き抜けの開放感が漂うロビーが来る客を迎えてくれる。「渋・辰野館」の建物は、昭和20年代から40年代に建てられたものであるが、お手入れが行き届いているので古臭くは感じない。
「渋・辰野館」を訪れる人は必ずこの看板の前で記念写真を撮ると言われている。この看板、横は1メートル、高さは3メートルくらいはあるだろうか。この大きな板に、宿の名前が書かれている。建物もそうだが、この看板も年期を感じる。
温泉は、「信玄の薬湯」「森の温泉」「展望風呂」の3つの湯船がある。この中でぜひ入湯していただきたいおすすめの湯船が、「信玄の薬湯」。
「信玄の薬湯」の由来は、戦国時代以降、雄将・武田信玄が上杉謙信との合戦のため、八ヶ岳を巻いてこの奥蓼科を通る「信玄の棒道」の建設時にこの湯の薬効に驚き傷兵たちを湯治させた事に始まるそうだ。さて、この「信玄の薬湯」は内湯のみで、冷泉湯船と加温湯船がある。冷泉湯船には、18度前後の源泉をドバドバと滝のようにかけ流ししており、加温湯船は、40度前後に加温されている。冷温浴で新陳代謝が高められるが、温泉成分が強いため湯あたりを起こさないよう湯船に長湯できない工夫がされている。
「森の温泉」は、内湯と露天風呂があり、内湯が加温湯船、露天風呂が冷泉湯船になっており、露天風呂の周りには、白樺林がおいしげっているので森林浴を楽しみながら入湯する事ができる。
「渋・辰野館」の料理は、山菜料理が中心になる。館主の料理レパートリーは豊富で、その日に採れた食材を活かしたメニューになるので、お品書きはない。一品一品心のこもったおもてなしになっている。
「渋・辰野館」は、中央自動車道 諏訪ICから30分ほどの場所にある。周りは白樺の木々に囲まれた人里離れた秘湯で、ヘルシーな山菜料理が楽しめるとあって、今ひそかに女性に人気の宿にもなっている。女子会で、カップルで、ひとときの癒しを求めてみるのも良いものである。
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