写真:Hiroko Oji
地図を見る南ドイツ一帯に広がるバイエルン地方に、アルプスの山々に囲まれて、美しいフレスコ画が民家の壁を飾る町オーバーアマガウがひっそり佇んでいます。鉄道駅のすぐ前にバスターミナルがあり、町の中心地へは徒歩10分ほど。どれもこれも色鮮やかで見事な壁絵が目を引き、ホテルやレストラン、お土産物屋さんや民芸品店が軒を並べています。
その中心地から教会を通り過ぎて町外れへ向かうと、お馴染みの童話が民家の外壁を飾る一角に辿り着きます。狼に話しかけられている赤ずきんちゃんやベッドに横たわっているおばあさん、ヘンデルとグレーテルの兄妹二人が魔女にとらえられたりやっつけたり、さらには7匹のこやぎにブレーメンの音楽隊・・・。この一角だけでも見応えたっぷりなオーバーアマガウの町並みです。
写真:Hiroko Oji
地図を見る壁絵にばかり目を奪われがちですが、変化を求めるなら、アマー川に流れ込む小川・グロースレイン沿いにオーバーアマガウの町外れに向かいましょう。レーバーベルグバーン(Laberbergbahn)というゴンドラが出ていて、山上まで簡単に運び上げてくれます。
山上からはオーバーアマガウの町並みが小さく見え、遠くはドイツ最高峰のツークシュピッツェまで見渡せる素晴らしい眺め。レストランもありますので、休憩がてらここで眺めを楽しむことができます。たっぷり眺めを楽しんだら、再びゴンドラに乗り込んで下りましょう。また、時間に余裕があれば、オーバーアマガウの町や山の反対側にあるエッタールへのハイキングルートが延びていますので、ハイキングを楽しんでもよいでしょう。
写真:Hiroko Oji
地図を見るバイエルン王ルートヴィヒ2世が建設した3つの城には、ノイシュヴァンシュタイン城、ヘレンキームゼー城、リンダーホフ城がありますが、唯一完成した城が、このリンダーホフ城!オーバーアマガウの駅前から9622番のバスで約30分の所にあります。1874年に建築が開始され、1878年に完成し、彼は長い期間そこで過ごすことができたそうです。
城内は、ロココ様式の豪華な装飾で埋め尽くされ、庭園内には金色の女神像の噴水があり、あちこちにルイ14世、ルイ15世、ポンパドゥール夫人やマリー・アントワネットの像が置かれています。黄金の貝の船を浮かべた地底湖のある洞窟、万華鏡を思い起こすようなムーア風の建物キオスク、さらに広大な敷地を埋め尽くす緑の中に点在する施設など、見所満載のお城です。
写真:Hiroko Oji
地図を見るリンダーホフ城からオーバーアマガウへ戻る途中に、チョコっと立ち寄るのにちょうどよい位置にあるのがエッタール修道院。といってもなかなか見応えある修道院なのです。
神聖ローマ皇帝ルートヴィヒ4世により1330年に建造されたもので、18世紀にバロック様式に改築。内部の丸天井はロココ様式のスタッコ装飾家ヨゼフ・シュムッツァーと画家のツァイラーが制作。内部一面華麗で素晴らしい装飾で覆われていて見惚れるばかり!見上げていると首が痛くなってしまうほどです。前に広がる庭園も美しく手入れされています。
修道院周辺には、お花と壁絵で美しい家並みが続き、ホテルやレストランも建ち並びますので、この辺りでもゆっくり過ごすことができますよ。
写真:Hiroko Oji
地図を見るユネスコの世界遺産に登録され、ヨーロッパで最高の美しさを誇るロココ様式の教会のひとつとまで言われるのが、ヴィース教会。オーバーアマガウからフュッセン(Füssen)行きのバスに乗れば、40分ほどの距離にあります。
周りをのどかな草原に囲まれた中にポツンと建っている教会は、外観こそありふれた目立たないものですが、ひとたび足を踏み入れると、そこは別世界のようです。華麗で鮮やかな色彩の装飾で埋め尽くされており、目を瞠るばかりです。
しかし、なぜ、こんな辺鄙なところにある教会に人が集まってくるのでしょうか。実は、ここには「奇跡」のキリスト像が祀られているのです。1738年、あるひとりの修道士が彫った「鞭打たれるキリスト」の木像が涙を流したという奇跡です。このことから「ヴィースの涙の奇跡」として噂が広まり巡礼者が集まるようになったため、1746年から建築開始。1757年、最終的に完成したのがこの教会なのです。
教会ではミサの時間帯に、とても美しい天使のような少女たちの合唱を聴くことができます。その美しい歌声に聴き入りながら教会を見るなんて、ほんとに贅沢な限りです。
見事な壁絵に囲まれたオーバーアマガウですが、それだけではない楽しみがあることがわかっていただけたでしょうか。
周辺の見どころへお出かけするには、やはり数泊したいものです。この町に宿泊するとゲストカードを貸してくれます。チェックイン時からチェックアウト時までの利用になるのですが、これが、とってもありがたい存在。ガルミッシュ・パルテンキルヒェンからフュッセンまでのバスなら、どこで乗り降りしても無料になるのです。なので、ご紹介した見どころをはじめ、ノイシュヴァンシュタイン城へ行くにも、交通費はかかりません。また、見どころでカードを提示すると、入場料が割り引かれるのも嬉しいところです。
ぜひ、宿泊の特典を利用して、あちこちお出かけしてみてくださいね。
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(2024/4/19更新)
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