仏様が歩く?タイが生まれた場所・世界遺産「古都スコータイ」

仏様が歩く?タイが生まれた場所・世界遺産「古都スコータイ」

更新日:2015/08/23 20:02

Saito Junsoのプロフィール写真 Saito Junso 旅ブロガー、トレッカー
煌びやかな寺院に美しい海、美味しい料理とタイの魅力は尽きませんが、そのタイが生まれた場所をご存知でしょうか。
今回はタイ初の独立国家として繁栄した古都スコータイをご紹介します。独自の文化が生まれたスコータイには珍しい歩く仏様もつくられ、その文化は現在のタイへと繋がっていきます。
美しい歴史公園として、そして「古都スコータイと周辺の古都」として世界遺産にも登録されている貴重な遺跡群をご案内します。

タイ初の独立国家「スコータイ」

タイ初の独立国家「スコータイ」

写真:Saito Junso

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バンコクから北へ440km、スコータイはタイ北部の南端に位置します。
1238年に当時のタイ族の人々は、クメール人からの支配を抜けタイで初めての独立国家を樹立しました。3代目ラームカムヘーン王の時代には、領土拡大やタイ文字を発案するなどの絶頂期を迎え繁栄します。

上座部仏教を信仰する国では仏舎利(マハタート:仏陀の遺骨等)を奉る習慣がありますが、スコータイ遺跡では中心にある「ワット・マハタート」がそれに当たります。当時は様々な仏塔や関連施設があったとされていますが、今はレンガや石造りの建物が一部残るのみです。
ここはスコータイの中でも非常に重要な遺跡になる為、多くの観光客が訪れています。

動かぬもの、変わらぬもの

動かぬもの、変わらぬもの

写真:Saito Junso

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スコータイへアクセスは、バスや電車などを使って移動します。
バンコクの北バスターミナルから毎日スコータイ行きのバスが出ています。所要約7時間。電車の場合はピサヌロークまで行き、そこからバスで1時間ほどで到着します。時間のない人は飛行機の利用も便利です。
スコータイの遺跡自体は、街の西約14km程と少し離れた場所にあります。移動は市街から出るソンテウ(乗り合いタクシー)が安くて便利です。

そのスコータイ歴史公園の北西に「ワット・シーチュム」と言う寺院があります。ここではスコータイを象徴する「アチャナ仏」と呼ばれる仏像を見る事が出来ます。アチャナとは「動かぬもの、変わらぬもの」と言う意味で、今も静かにスコータイの遺跡を見守っています。優しいお顔がとても印象的な仏像です。

仏様が歩く?

仏様が歩く?

写真:Saito Junso

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スコータイ歴史公園は70平方Kmととても広大な敷地を誇ります。
遺跡見学はタイ名物のトゥクトゥをチャーターするか、レンタルサイクルを利用しましょう。運転に自信のある方は、市内でバイクを一日レンタルするのもいいかもしれません。タイは日本と同じ右側を走りますので、それほど違和感なく運転できるかと思います。

スコータイ歴史公園の南約2kmのところに「ワット・チェトゥポン」と言う寺院があります。ここはスコータイ王朝後期を代表する寺院ですが、特に仏様が歩く姿を見せる「遊行仏」で有名な寺院です。建立当時は、東に遊行仏、北に坐仏、西に立仏、そして南に臥仏があったとの事ですが、今比較的きちんと残っているのはこの遊行仏だけとなっています。
「お釈迦さまが、民衆に説法を行いに出掛けられようとしている姿」という説などがありますが、そんな有難いお話ならば是非聞いてみたいですね。

クメールの遺跡

クメールの遺跡

写真:Saito Junso

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タイ族がスコータイ王朝を建てる前には、クメール人による支配が続いていました。当然その当時に建てられた寺院はヒンドゥー教のものが多くなります。

ワットマハタート南側にある「ワット・シーサワイ」は、まさにそんな時代の変遷を感じさせてくれる寺院です。
アンコールワット遺跡群を彷彿とさせるその形はまさにクメール様式。もともとはヒンドゥー教の神殿として建てられましたが、スコータイ時代になってから仏教寺院に変えられました。細部に彫られた装飾も美しく、まさにスコータイの歴史を感じるとても興味深い寺院です。

シーサッチャナライ歴史公園

シーサッチャナライ歴史公園

写真:Saito Junso

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スコータイ遺跡は、「古都スコータイと周辺古都」として世界文化遺産に登録されています。「周辺古都」とはスコータイ近くにあるシーサッチャナライやカンペーンペッ等をさしており、最後にスコータイ王朝第二の都市として栄えたシーサッチャナライの遺跡をご紹介します。

シーサッチャナライ歴史公園はスコータイの北約50kmの場所にあります。
この歴史公園の一番の見どころは、39頭の象に支えられた仏塔が有名な「ワット・チャーンローム」です。ラームカムヘーンの命によって建てられたスリランカ式の仏塔で、シーサッチャナライの遺跡群を代表する寺院となっています。スコータイ遺跡の中にも同名同式の仏塔がありますが、こちらの方が保存状態が良いのでお薦めです。
「チャーン(象)」の名が付けられており、タイ人がこよなく愛する象が取り入れられているので、とても人気があり参拝者も多く訪れます。

タイの始まりを感じる場所

今回はタイの北部にあるスコータイ遺跡をご紹介しました。
タイ文字などの文化に宗教など、今のタイの基礎が作られた場所です。アジアの中でも非常に重要な遺跡として、世界中から多くの人が訪れています。
魅力的なタイの、一番最初の歴史に触れる事が出来るスコータイ。次回の旅行の行き先は、歴史溢れるスコータイを訪れてみませんか。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2006/04/06−2006/04/07 訪問

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