万病に効く霊水求めて行く!富山・上市町「穴の谷霊場」

万病に効く霊水求めて行く!富山・上市町「穴の谷霊場」

更新日:2017/07/02 20:41

井伊 たびをのプロフィール写真 井伊 たびを 社寺ナビゲーター、狛犬愛好家
富山県中新川郡上市町黒川に「穴の谷(あなんたん)」と呼ばれる山深い谷がある。昔からこの谷にある洞窟での修行僧は多く「行者穴」とも呼ばれている。ある女行者がこの洞窟から湧き出る水は「万病に効く霊水である」と遺言し去った。霊水が出るこの「穴の谷霊場」の評判が全国に広まり、NHKでも取り上げられ参詣者が絶えない。4年間腐らないといわれるほど不純物の少ない霊水は、環境省の「全国名水百選」にも選ばれている。

三十三の観音像が並ぶ参道

三十三の観音像が並ぶ参道

写真:井伊 たびを

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「穴の谷(あなんたん)霊水」の湧き出る霊場は、富山地方鉄道「上市駅」から北東へ約6km、スーパー農道を車で15分ほど走って、黒川地区の丘陵地を登ったところにある。

最寄りの有料駐車場に車を停めて、霊場の入口から三十三観音像が並ぶ参道を、約8分ほど歩けば、約30m眼下に霊場を見つける。

参道から霊場へ続く108段の石段

参道から霊場へ続く108段の石段

写真:井伊 たびを

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参道から霊場への30mの高低差は、108段の石段で結ばれている。階段を下りきった谷間に、薬師如来堂がある。「穴の谷」は砂岩と粘板岩でできた三つの洞窟からなり、第一の洞窟の正面に薬師如来の石仏が祀られている。

「全国名水百選(環境省)」に選ばれている。

「全国名水百選(環境省)」に選ばれている。

写真:井伊 たびを

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薬師如来像の側横より年中つきることのなく湧き出ている清水が「穴の谷(あなんたん)の霊水」だ。こちらの霊水は、昭和60年に「全国名水百選(環境省)」に選ばれている。

全国に広める契機を作った「弘真上人」

全国に広める契機を作った「弘真上人」

写真:井伊 たびを

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嘉永4年(1851年)、美濃国の「白心法師」が、この穴で3年3ヶ月修行された。諸国からその法を聞きつけ、参詣する人が多くなったと伝えられている。

それ以来、この穴での修行僧は数多く、近年では明治30年、能登の「雲外悟道禅師」が3年修行して、「真の解脱」を得たと伝えられている。このころから、この「穴の谷」のことを「行者穴」と呼ぶようになった。

また、昭和32年には広島の「岡本弘真」という女行者が訪れ、6年間修行して「私はもうすぐ死ぬけれど、この洞窟から湧き出る水が、万病に効く徳水であるとのお告げを聞いた。病に苦しむ人に一人でも多く飲んでもらいたい」と遺言して去った。

この話に感銘した配置業者は、行商で秋田に行った際、6年間も寝たきりで動けない24歳の女性に会い、医者にも見放されたこの女性に「霊水」の話をしたところ、兄に背負われて霊場にやってきた。

その女性は「穴の谷」にお詣り、行をすること110日間に及んだという。霊水を飲みお風呂に入って祈願したところ不思議なことに、帰りには松葉杖をついて自分で歩けるようにまで快復したという。

この奇跡の話が当時のNHKテレビで紹介され、全国に広まり「穴の谷」ブームが巻き起こった。

霊水口

霊水口

写真:井伊 たびを

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「穴の谷の霊水」は、アンモニア性窒素の含有量がゼロだ。これは、飲料水としての基準が1リットル中10mgということからも、この「霊水」がいかにきれいかが分かる。

塩素イオン量は、4.3mgと基準(200)を大きく下まわり、さらに溶解中の有機物の量を示す生物化学的酸素要求量と化学的酸素要求量は、それぞれゼロと0.1という極めて低い値だ。

また溶解性蒸発残留物も基準値(500)に対して、43.8という1/10以下である。

おわりに

昭和54年、NHKテレビでこの「霊水」のことが紹介された。それからというものは、年ごとに「霊水」を求める人が増え続けているとか。

「難病に苦しむ母を助けたくて・・・」「名医に見放された手足が動くようになったお礼に・・・」「霊水を飲むようになってから家中元気で・・・」と、「霊水」の評判を聞きつけた人々が、全国から毎日こちらの「霊場」を訪れている。

また、こちらを管理する「一般社団法人・穴の谷弘真会」は、電話、FAX、インターネットなどによる注文に対して、全国発送も行っている。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/08/15 訪問

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