写真:Hiroko Oji
地図を見るエーゲ海の中では最大規模のクレタ島は、そのわずか300キロメートル先にはアフリカ大陸が広がります。冬でも温暖ですが、中央に続く4つの山脈は2000メートルを超え、10月を過ぎると雪に覆われるというバリエーションのある気候によって古くから農業が盛んです。品質の良いオリーブやブドウ、アーモンドなどのナッツ類、バナナやアボカドなどの特産品があり、観光と並ぶ重要産業となっています。
そのクレタ島で、メインの空港(国際線も発着します)や港があり、島内各地への交通の起点ともなるのがイラクリオンです。歴史上クノッソス全盛期のころに登場したあとは、アラブ人たちによる占領中には町を守るための城壁が築かれ、ビザンティン帝国、ベネチア時代と変わっていきました。現在もほとんどがその姿をとどめている城壁が歴史を物語り、現代の建物の間には、あちこちに遺跡のような廃墟を目にすることができます。この写真の奥に見えているベネチアン時代の要塞もその一つ。オールドハーバーに延びる突堤の先に海上を見張るように建っています。
写真:Hiroko Oji
地図を見るイラクリオンからバスで20分ほどの所にあるのがクノッソス宮殿跡です。クレタ島にある青銅時代最大の遺跡で、ミノア文明下で儀式や政治の中心だったとされています。ギリシア神話によると、ミノア王が、一度入ったら二度と出ることができない迷宮を建て、怪物を閉じ込めていたという伝説があります。
実際の宮殿跡は、約3700年前のものを復元したもので、中庭を持つ複雑で巨大な建物。部屋の数は1200以上、4階建ての部分もあり、まさに迷宮そのもの。一部には色鮮やかな柱や壁画が残され、古代の人々やイルカなどの絵が描かれており、「牛の上のアクロバット」という壁画も鮮やかそのもの。その広い遺跡は城壁で囲まれているわけではないので開放感あふれ、緑もいっぱい。平和な時代を思い起こすばかりです。
写真:Hiroko Oji
地図を見るイラクリオンから西へバスで2時間40分、到着するハニアの町には、ベネチア時代の面影が残る美しい町並みが広がります。特に、古い町並みが縁取るベネチアン・ポートは、透明度が高い海の眺めとベネチア時代の町並みと背後に控える雪山の眺めが素晴らしい!ポート沿いにレストランやお土産物屋が建ち並び、観光客で賑わっています。
旧市街の周囲には城壁が残り、所々には廃墟となった部分が見られます。ベネチアン・ポートを挟んで延びる突堤の先の灯台までその城壁が続き、城壁の上を歩くことができます。風に吹かれて紺碧のエーゲ海の透明度の高さをしっかり鑑賞してくださいね。が、とっても凸凹が激しく歩きにくいので、海に落っこちないように!途中には、これまた城壁の一部だった建物が残っています。以前レストランとして利用されていましたが、2015年現在は修復中で、中には入れません。その屋上テラスには上ることができ、町を挟んで雪山まで見渡せ、思わず美しい眺めに見惚れてしまいます。
写真:Hiroko Oji
地図を見るイラクリオンから東へバスで走ること1時間半、バス便はほぼ1時間毎にありますが、日曜日や祝日ともなると2時間毎となってしまいます。クレタ島東部ではシティアと並んで中心地であり、高級リゾート地となっています。
丘の上から見下ろすハーバーの周りには、レストランやセンスのいいお店が建ち並び、のんびりと寛ぐリゾート客の姿で溢れています。白い家が建ち並ぶ町並みに、所々ホッとさせるような緑の並木道や公園が続き、特に見どころといったものがなくても、歩くのが楽しくなってきます。丘の上のアギオス・ニコラオス教会には美しいフレスコ画があり、休憩がてら立ち寄ってみてもよいかもしれません。
写真:Hiroko Oji
地図を見るイラクリオンとハニアのちょうど真ん中にあるのが、レシムノの町。頻繁にバスの便があり、訪れやすい町です。
丘の上にはベネチア時代の城塞がそびえています。オスマン・トルコによる攻撃が激しくなってきたため、ベネチア人が町を守ろうと築いたものですが、現在はほとんど土台しか残っていないような建物ばかり。しっかりと形を残しているものは、広い敷地のほぼ中央に残る、トルコ支配時代に教会からモスクに建て替えられた丸屋根の建物と、その近くにある小さな礼拝堂くらいです。この礼拝堂についているロープを引くと、屋根の鐘を鳴らすことができますので、挑戦してみてください。案外難しいですが、鳴らせると願い事が叶うとか・・・。城塞の淵から眺める海は絶景そのものです。透き通った海が手に取るように見渡せますので、ぜひこの眺めを楽しんでくださいね。
クレタ島の見どころをご紹介しましたが、この他に、ハニアから訪れるサマリア渓谷があります。ヨーロッパ随一と言われる深い渓谷で、5月から10月がシーズン。クレタ島で一番人気のアクティビティの一つで、全長16キロメートルにも及ぶ渓谷を、5〜6時間かけてトレッキングするというもの。時間と体力に余裕があればぜひ、体験してみてください。
イラクリオンから各町へは、バス網が整備されていますので、たいへん訪れやすいと思います。エーゲ海に囲まれたクレタ島をたっぷり楽しんでくださいね。
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(2024/4/20更新)
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