まるで絵本の世界に迷い込んだような台湾・宜蘭駅のジミー広場

まるで絵本の世界に迷い込んだような台湾・宜蘭駅のジミー広場

更新日:2015/08/17 11:29

泉 グルンのプロフィール写真 泉 グルン フリーランスライター
台湾出身のジミー・リャオという絵本作家をご存知ですか? 全世界で1,000万冊以上ものセールスを記録する人気の絵本作家です。
絵本といっても、ほとんどが大人向けでナイーブな主人公たちがつむぐストーリーが現代人の共感を呼んでいます。
彼のポップでファンタジックな作品のオブジェで埋めつくされた鉄道駅が台湾にあるのです。
ジミーを知らなくても楽しめるファンタジックな宜蘭駅を紹介しましょう。

駅の上にキリンが!台湾一メルヘンな駅舎

駅の上にキリンが!台湾一メルヘンな駅舎

写真:泉 グルン

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ジミー作品が見られる鉄道駅は、台湾の北東部にある宜蘭(イーラン)駅。台湾の国鉄に当たる台湾鉄路の台北駅から特急の自強号に乗れば約1時間30分で到着します。

ジミーの作品が見られるのは宜蘭駅の西口(前駅)になりますが、わからなければ駅員さんに「ジミー・グワァンチャン(ジミー広場)」と尋ねれば教えてくれます。

駅舎を出たら、まずは後ろを振り返ってみましょう。屋根の上には大きなキリンのモチーフが見下ろしています。これをみて、動物園と間違える観光客もいるとか。壁には森のイラストが描かれ、早くもジミーの世界を体感できます。

旅の思い出写真撮影にぴったり!ジミー広場

旅の思い出写真撮影にぴったり!ジミー広場

写真:泉 グルン

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駅を背にして左手に歩きましょう。すると、カラフルなスーツケースや宙を舞う鹿のオブジェが目に飛び込んできます。ここからジミーの作品が展示された「ジミー広場(幾米廣場)」が始まります。

スーツケースやカバンはあちこちにランダムに置かれていて、どれも巨大です。これらはジミーの絵本「地下鉄」のモチーフになっています。「地下鉄」は、盲目になった少女が幸せを探して地下鉄に乗って旅をするストーリー。台湾で大ベストセラーとなり、海外の文学賞も受賞しました。

これらのオブジェは、観客がその空間を自由に体感できるインスタレーションとして設置されています。そのため訪れる人は皆、作品とともに自由なポーズで写真を撮っています。

あの映画の主人公たちに会える!

あの映画の主人公たちに会える!

写真:泉 グルン

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ジミー氏の代表作の多くが映画化や劇化されています。日本では金城武主演の映画「ターンレフト・ターンライト」が2003年に公開され、話題になりました。原題は「向左走・向右走」で、すでに出会っているのに、お互いに気づかない運命の男女を描いています。

ここには、大きな荷物を引っ張るヒロインのイブと、楽器をかかえてとぼとぼ歩く引っ込み思案のジョンが等身大の大きさで立っています。お互いに別々の方向に向かうかのような二人。

日本語の説明レリーフには、「彼らは別々のバスに乗り、すれ違うのでしょうか?それとも現状の歩道に沿ってひと周りしたところで再び出会うのでしょうか?」と問いかけています。結末は見る人にゆだねているようです。
たとえストーリーを知らなくても、想像力を働かせて楽しんでもらいたいという作者の意図が感じられますね。

お土産によろこばれそうなジミーグッズ

お土産によろこばれそうなジミーグッズ

写真:泉 グルン

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道路を渡った反対側にもジミー作品が点在しています。一番のハイライトは、駅正面の公園に浮かぶSL列車。アーケードの天井に吊り下げられているこの列車は全長約30mもあります。こちらもまた「星空」というジミー作品をモチーフにしたオブジェです。

そしてなんと、ジミーの絵葉書を売る自動販売機も。海外の自販機はちゃんと作動しないものが多いのですが、ここは大丈夫。「コイン投入口」と日本語で書かれています。そう、日本製なんですね。1枚35元、セットで190元で販売されています。

もっとジミーのお土産が欲しい、という人は駅の近くにあるビジター・インフォメーション・センター(宜蘭旅遊服務中心)に行ってみましょう。カードやバッジなどのジミーグッズのほか、さまざまなアーティストのグッズが販売されていますよ。

いつでも無料で体感できるアートな広場

まるで屋根のない美術館のようなジミー広場。しかも無料で、いつでも誰でも見学できるのです。ライトアップされた夕暮れの広場もステキです。

ところで「どうしてジミー広場が宜蘭駅に?」と疑問に思われるかもしれませんね。実はジミー・リャオ氏は宜蘭県出身のため、宜蘭県政府と共同で故郷にこの広場をつくったのです。一種の町おこしですね。

すでに国内外から延べ14万人以上の人々が訪れ、今ではすっかり観光名所となりました。ここに来ると、誰もが忘れかけてしまった何かを見つけるのかもしれません。
時には台北からひと足伸ばして、ジミーの世界に浸ってみてはいかがでしょう?

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/05/27 訪問

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