写真:もんT
地図を見る公共の乗り物を使っての旅であれば、まずはJR佐原駅を目指しましょう。電車利用なら成田駅から各駅停車で約30分。東京駅からであれば、高速バスを利用すると約2時間で到着でき、早くて便利です。
佐原駅の駅舎は江戸の町並みをイメージした駅舎。観光交流センターもあるので、観光マップや情報など、ここでゲットしておきましょう。
大勢の観光客が訪れる江戸時代の町並み保存地区は、駅から徒歩10分ほど。古代にタイムスリップする前に、まずは江戸情緒に浸るのも良いでしょう。
香取市といえば、この江戸の町並み観光がなんと言っても有名なんですが、実は古墳も数多く存在…。大半はすでに形も崩れていて、判別しにくいものも多いのですが、保存状態が良好なものもあります。その中でも最大の古墳、「三之分目(さんのわけめ)大塚山古墳」に注目です。佐原駅から電車に乗って訪ねてみましょう。
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地図を見る佐原駅から成田線の電車に乗り、銚子方面へ2駅(7.5km)。水郷(すいごう)駅に移動します。水郷駅は小さな無人駅ですが、駅舎内には市の公共施設「小見川ふれあいセンター」があり、展示コーナーには縄文土器の破片などの出土品も…。これから訪ねる古墳への期待が高まります。
駅前の国道356号線を右(東)へ進んでいきましょう。国道は歩道も狭く、交通量もあるので、すぐに国道の南側を平行する脇道に入ったほうが歩きやすいです。歩くこと約20分…、国道沿いの集落内に突如、巨大な土盛りが…!案内表示もあるので、間違いなく「三之分目(さんのわけめ)大塚山古墳」とわかります。
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地図を見る大塚山古墳は西暦5世紀の築造。全長123mと、この地域の古墳群では最大です。大和朝廷の勢力が及ぶ前、この地域を支配していた大豪族の墳墓と考えられています。
古墳というと長年の間に、開発などによって形が崩れたり、壊れてほとんど形がなくなってしまったり…というものも少なくありませんが、この大塚山古墳は、主体部分は失われているものの、前方後円墳としての形をきれいに保っています。そして、階段が作られて墳丘に登れるようになっています。ここはぜひ、高さ9.5mの頂上へ行ってみましょう。
墳丘の上からは、この古墳が確かに前方後円墳であることが良く確認できます。そして頂上には、磨き抜かれた巨大な石板が…。文字は何も記されておらず、どうしてこのように突き刺さるような形で立っているのか、謎です…。
この古墳、誰が埋葬されていたのかは今のところわかっていません。副葬品や埴輪などは出土していますが、主体部である石室が失われているというのも、不思議…。今後の研究や新発見が待たれます。
なお出土品などは、小見川文化財保存館にて見学可能。水郷駅の一駅先、小見川駅から徒歩10分の小見川市民センターの2階です。この謎を解明したいという方!ぜひ足を運んでみて!
○小見川文化財保存館
開館時間:午前9時〜午後5時
休館日 :月曜日、祝日の翌日(火曜日を除く)、年末年始(12月29日〜1月3日)
写真:もんT
地図を見るこの地域は利根川下流域を意味する水郷地帯と呼ばれますが、利根川がこの地を流れるようになったのは江戸時代からのこと。それ以前は、鬼怒川水系の河川のみがこの地を流れていました。鬼怒川は、その穏やかな流れのさまから、実は近世までは「衣川」あるいは「絹川」と表記されていました。そして、すでに古墳時代からこの河川を通じて交易が広く行われていたようです。
そんな水郷地帯の原風景を満喫したいのなら、最後にJR鹿島線の電車に揺られてみることをおススメします。
鹿島線は、水郷駅から佐原方面へ一駅戻った香取駅より分岐して、鹿島神宮駅へと向かう、全長14.2kmの路線。ほぼ全線が高架線なので、車窓からの見晴らしは抜群です!
香取駅を出るとすぐ、車窓両側には利根川や霞ヶ浦、そしてその周辺のパノラマが次々と展開…。古墳時代は海岸線であったと思われる水郷地帯の長閑な風景に浸れます。終点までわずか20分弱の旅ですが、豪族たちが割拠していた古代の時代に思いを馳せることができるでしょう。
途中の潮来駅や終点の鹿島神宮駅からは、東京駅への高速バスも発着。本数も多いので、帰り道のルートとしてもぜひおススメのコースです。
水郷観光で有名な香取市のちょっとマイナーな観光スポットを今回は紹介しました。他にも紹介しきれないほど、多くの古墳が眠る香取市…。考古学や歴史が大好きな方には、本当に魅力的な町です。古代ロマンに浸る水郷観光、ぜひ楽しんできてください。
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(2024/4/26更新)
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