JR予土線の絶景車窓は四万十川が左へ右へ!

JR予土線の絶景車窓は四万十川が左へ右へ!

更新日:2020/02/25 14:46

風祭 哲哉のプロフィール写真 風祭 哲哉 B級スポットライター、物語ツーリズムライター、青春18きっぷ伝道師
JR四国の予土線は、愛媛県の宇和島駅と高知県の窪川駅を結ぶローカル線。四万十川に沿った風光明媚な車窓が楽しめる路線として知られていますが、最近ではトロッコ列車やホビートレインなどの観光列車が走ることでも人気です。

そこで今回は、四万十川が左へ右へと目まぐるしく移り変わる絶景の車窓はもちろん、ホビートレインや、沿線の見どころなど、予土線のさまざまな楽しみ方を紹介します。

予土線は伊「予」と「土」佐を結ぶローカル線

予土線は伊「予」と「土」佐を結ぶローカル線

写真:風祭 哲哉

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予土線の名前の由来は、伊予の「予」と土佐の「土」。その名の通り、区間運行の列車を除き、伊予の宇和島駅と土佐の窪川駅を結んでいます。

予土線の伊予側の始発駅、宇和島駅は明るい色合いの駅舎。駅前には「ワシントンヤシ通り」と呼ばれる南国情緒溢れる景観が広がっていて、温暖な南予に来たことを実感します。

予土線は伊「予」と「土」佐を結ぶローカル線

写真:風祭 哲哉

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高松から延びる予讃線の終点でもある宇和島駅は行き止まりの駅。車輪止めの砂利が置かれた3本のホームに予讃線の特急や普通列車、そしてこの予土線の列車が並んでいます。予土線の列車はすべて各駅停車で、約80キロの距離を2時間15分前後で結んでいます。

宇和島を出ると、しばらくはのどかな南予の里山を走ります。宇和島を出て1時間弱、途中、真土(まつち)の駅を出ると、線路に沿うように美しい川が現れるので、いよいよ四万十川の登場か、と思ってしまうのですが、これは広見川。四万十川の支流で、このあと江川崎駅の先で四万十川に合流します。

日本一アツい?江川崎駅

日本一アツい?江川崎駅

写真:風祭 哲哉

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江川崎の駅は愛媛県から高知県に入ったところ、予土線のほぼ中間にあり、沿線では最も大きな駅となります。
ここは四万十川中流のアクティビティの中心基地となっていて、カヌーやラフティングなどの川遊び体験施設、レンタサイクルやキャンプ場、宿泊施設などが集まっています。

日本一アツい?江川崎駅

写真:風祭 哲哉

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また、この江川崎地区で2013年8月12日に日本最高気温となる41.0℃を記録したため、駅には日本一暑い駅「江川崎」という看板と、日本一あつい「らぶらぶベンチ」というベンチが置かれています。
このベンチ、緩やかなX字型になっていて、両側にカップルが座るとあれよあれよという間に真ん中で寄り添ってしまう、というシロモノ。アツいカップルを自認する皆様、これからぜひそうなりたい、とお考えの皆様、一度その効能お試しください。

名物駅「半家」からは歩いて行ける四万十川の沈下橋も

名物駅「半家」からは歩いて行ける四万十川の沈下橋も

写真:風祭 哲哉

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最後の清流と呼ばれる四万十川を象徴する風景である沈下橋。四万十川には本流に21、支流に26の沈下橋がありますが、この予土線沿いにもたくさんの沈下橋があり、その中には駅から気軽に歩いて行けるものもあります。

予土線にある珍名駅として有名な「半家(はげ)駅」。この半家駅から徒歩20分ほどで行けるのが「中半家沈下橋」。

名物駅「半家」からは歩いて行ける四万十川の沈下橋も

写真:風祭 哲哉

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沈下橋というのは、欄干のないコンクリート造りの平べったい橋で、増水時でも川の水の下にすっぽり沈んでしまうため、洪水時でも流されることのない橋のこと。それは同時に、集落同士をつなぐ生活道だったり、住民たちの憩いの場だったり、子供たちの遊び場だったりして、四万十に暮らす人々にとってはなくてはならない場所です。

名物駅「半家」からは歩いて行ける四万十川の沈下橋も

写真:風祭 哲哉

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沈下橋の近くまで降りてみると、子どもたちがここから川に飛び込んだり、虫取り網を振りまわしたりしている姿が目に浮かんできます。そして一面の緑の中を悠然と流れる清流、四万十川。100年後にも残したい日本の原風景だと実感します。

予土線のユニークトレイン3兄弟

予土線のユニークトレイン3兄弟

写真:風祭 哲哉

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予土線にはユニークな観光列車がたくさん走っています。「しまんトロッコ(長男)」、「海洋堂ホビートレイン(次男)」、「鉄道ホビートレイン(三男)」のことを予土線3兄弟と呼んで、只今絶賛売り出し中!

「鉄道ホビートレイン」は、団子鼻の新幹線0系のお面をかぶったディーゼルカー。日本一遅い「四国新幹線」として人気で、車内のショーケースには鉄道模型が飾ってあるのが特徴。

予土線のユニークトレイン3兄弟

写真:風祭 哲哉

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「海洋堂ホビートレイン」は、フィギュアで知られる海洋堂がこの沿線の四万十町に「海洋堂ホビー館 四万十」を開館したのがキッカケでできた列車。
現在の走っているのは3代目の「かっぱうようよ号」。コンセプトは「かっぱの世界」で、外観は清らかな川を楽しむかっぱ達をイメージ、かっぱと一緒に写真が撮れる人形や、ショーケースに展示された数々のかっぱのフィギュアなど、かっぱの世界を満喫できる列車となっています。

また「しまんトロッコ」号は、水戸岡鋭治氏がデザインし、黄色く塗られたディーゼルカーに窓のないトロッコ車両が連結され、土日を中心に運転されています。

予土線の高知県側は、トンネル、鉄橋、絶景の連続!

予土線の高知県側は、トンネル、鉄橋、絶景の連続!

写真:風祭 哲哉

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半家の駅を出て窪川方面に向かうと、いよいよ四万十川の絶景区間となります。
四万十川を渡る最初の鉄橋から上流方面を見ると、先ほどの中半家沈下橋を見ることができます。

予土線の高知県側は、トンネル、鉄橋、絶景の連続!

写真:風祭 哲哉

そのあとは四万十川の流れに忠実に沿って進みますが、目の前に山が現れて、四万十川が急カーブを描いて山を迂回する時だけ、列車はそのまままっすぐトンネルへ。トンネルを出るとすぐに鉄橋があり、再び四万十川と合流。そんな景色が何度も続きます。

車窓の右左の景色の素晴らしさですが、四万十川は左に右に、目まぐるしく移り変わりますので、どちらでも変わりません。あえて言うならば、列車の一番後ろ、運転席の横あたりから列車の進行方向と反対向きに立って眺めるのがおススメです。

予土線の高知県側は、トンネル、鉄橋、絶景の連続!

写真:風祭 哲哉

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写真のように、トンネルを出た直後に鉄橋を渡る絶景シーンが何度も満喫できます。この絶景区間は半家から家地川まで、およそ40分に渡って続きます。

四万十川と離れると、若井駅で土佐くろしお鉄道中村線と合流して終点の窪川に到着します。

予土線はユニークトレイン+沈下橋+絶景車窓がおススメ

予土線の楽しみ方は実に豊富。

お気に入りのユニークトレインに乗って四万十川ほとりの駅で途中下車し、沈下橋をぶらりと散策。そしてもちろん車窓から絶景劇場を楽しむのもよし。
あるいはカヌーやラフティングなどの川遊びやレンタサイクルで沈下橋をめぐり「海洋堂ホビー館 四万十」を楽しむのもよし。

魅力あふれる予土線の旅ですから、ぜひ1日じっくりと時間をかけて楽しんでいただきたいと思います。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/07/18−2018/12/30 訪問

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