明治〜昭和の名建築が健在!わたらせ渓谷鐵道のトロッコ列車で訪れたいレトロスポット

明治〜昭和の名建築が健在!わたらせ渓谷鐵道のトロッコ列車で訪れたいレトロスポット

更新日:2015/08/10 14:25

北関東の桐生駅(群馬県桐生市)と間藤駅(栃木県日光市)を結ぶローカル線、わたらせ渓谷鐵道。多くの魅力を持つ路線ですが、なかでも列車からの眺めのよさと、トロッコ列車は特に有名です。沿線に点在するレトロ建造物も見逃せません。ここでは、2種類のトロッコ列車と、駅から行きやすいレトロスポットをご紹介します。

2種類のトロッコ列車

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わたらせ渓谷鐵道は、2種類のトロッコ列車を運行しています。「トロッコわっしー号」と「トロッコわたらせ渓谷号」です。

「トロッコわっしー号」は、全線(桐生〜間藤)を、4月〜11月は土休日中心に1日2往復、12月〜3月は日曜中心に1日1往復します。2両編成(トロッコ1両+普通列車1両)。冬季はトロッコ1両だけの運行もあります。2012年4月にデビューした車両のため、車内はきれいで、空調の効き具合も良いです。

「トロッコわたらせ渓谷号」(写真)は、一部区間(大間々〜足尾)を、4月〜11月の土休日中心に1日1往復します。5両編成(機関車1両+トロッコ2両+普通客車2両)。桐生駅から乗ることができないので、途中の大間々駅まで、別の列車で移動する必要があります。本数が少なく不便ですが、機関車+客車列車はいまや貴重な存在です。

両列車とも、沿線の観光スポットに近づくとアナウンスが入り、時にスピードを下げて運転してくれます。駅弁の販売もあります。

運行日にご注意。月によって運行日が大きく変わります。リンクにある、わたらせ渓谷鐵道トロッコ列車の「運転日について」から、乗りたい列車の運行日と時刻を必ずご確認ください。

桐生明治館は和洋混在。大河ドラマにちなむ企画展も

桐生明治館は和洋混在。大河ドラマにちなむ企画展も
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桐生から2つ目の相老駅から徒歩10分。もとは前橋にあった群馬県衛生所兼医学校でした。1928(昭和3)年に、村役場として利用するため、現在の場所へ移設しました。

擬洋風の建物です。洋風の柱と鬼瓦が混在しています。門柱・門扉は創建当時の写真をもとに復元したもの。2階へ上がることもできますが、階段が急なのでお気をつけください。県の保健衛生行政を推進させたのは、当時の県令であった楫取素彦。2015年の大河ドラマ「花燃ゆ」にちなんだ企画展が、1階展示室で2015年12月23日まで行われています。素彦の生涯や、当時の家具などが展示されていますよ。

喫茶室もおすすめです。重要文化財では初の官営喫茶室と言われています。紅茶とアップルパイがおいしいです。土曜日の午後は、不定期でピアノ・ハープ・琴などの生演奏が行われます。

時が止まったかのような上神梅駅の駅舎

時が止まったかのような上神梅駅の駅舎
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相老駅から間藤方面へ3つ目に、上神梅という駅があります。トロッコ列車は停車しませんが、大正時代に建てられた駅舎が今も残り、是非ご紹介したい駅です。

木造の駅舎とガラス窓に懐かしさをおぼえることでしょう。正面奥に見えるのは改札口。駅舎内には地元の子どもが描いた絵や、書道の作品が掲示されています。ホームも魅力。100メートルを超える長さのホームは、普通列車しか停まらない駅には長すぎるようです。ここには、ラベンダーやキバナコスモスをはじめとする季節の花が咲きます。地元のボランティアの方が、日々、掃除や手入れをしてくださっているのです。

古河掛水倶楽部に残る鉱都足尾の面影

古河掛水倶楽部に残る鉱都足尾の面影
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桐生駅から1時間半ほどかけて足尾駅に着いたら、徒歩2〜3分の「古河掛水倶楽部」を見学してはいかがでしょう。

足尾銅山は、1610(慶長15)年に発見されてから、4世紀弱にわたって銅を産出しました。足尾銅山は一度廃れた時期があったのですが、古河市兵衛が明治時代に復活させました。足尾には鉱山事務所が置かれ、政府要人等が訪れました。彼らを迎え、会合や宿泊させるために用いられたのが古河掛水倶楽部です。

見学は土日祝日のみですが、予約すれば平日もOKです。内部の写真撮影はNG。和洋折衷で、洋寝室のすぐ前に日本間があります。食堂には長テーブルやドイツ製の木製ピアノが置いてあります。この食堂で喫茶もできます。窓の外はシラカバの林、落ち着いた雰囲気です。

敷地内には、鉱山を運営していた会社の重役の邸宅があり、こちらも見学できます。応接室と庭が見もの。なぜか防空壕があったり、囲炉裏のある庭園があったりと、細かなみどころに富んでいます。

おわりに

いかがでしたでしょうか。わたらせ渓谷鐵道は、途中の大間々駅から本数が少なくなるため、事前に列車時刻を確認しておきましょう。

できれば通して乗っていただきたいところ。桐生から間藤まで、トロッコ列車で1時間半ほどかかりますが、印象的な景色が見られる場所は後半に集中しています。沢入(そうり)駅を過ぎると、水の澄んだ川沿いを走り、眺めの良い所では停車してくれます。通洞駅付近には採銅工場の遺構が今も残ります。10〜11月はトロッコ列車の運行日が増え、紅葉見物も楽しめますよ。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/07/25−2015/07/26 訪問

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