相撲と花火と鼠小僧。江戸の文化が香る、東京・両国へ!

相撲と花火と鼠小僧。江戸の文化が香る、東京・両国へ!

更新日:2015/08/07 13:37

カノオミツヒサのプロフィール写真 カノオミツヒサ フリーライター
東京都墨田区にある両国は、言わずと知れた相撲の街。場所中でなくても、JR両国駅構内の装飾や、国技館にある相撲博物館などで、大相撲の雰囲気を味わえます。また、当地は江戸の歴史や文化が色濃く残っていて、回向院には鼠小僧のお墓があるほか、両国花火資料館では隅田川花火大会のルーツを探ることができます。
今回は両国で、江戸の文化にふれる旅をご紹介します。

イッツ ア 相撲ワールド! JR両国駅西口の装飾

イッツ ア 相撲ワールド! JR両国駅西口の装飾

写真:カノオミツヒサ

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まずはJR総武線の両国駅へ。東京駅から電車で約15分、羽田空港からは45分ほどで到着です。ホームに降りたら、西口改札へ行きましょう。2013年にリニューアルされた構内には、大相撲の雰囲気を盛り上げる装飾が施されています。床には土俵を模したパネルが埋め込まれ、さらに天井には「満員御礼」の垂れ幕が!駅の中なのに、国技館へ迷い込んでしまったかのようです。
壁面には大きな優勝額が掲げられていて、その下には歴代横綱の手形とサインが展示されています。身長・体重ほか、優勝回数や幕内成績などのデータも添えられており、相撲ファンならずとも見入ってしまいますね。

次は国技館のなかにある、「相撲博物館」へ向かいましょう。

蘇る横綱の雄姿!「相撲博物館」

蘇る横綱の雄姿!「相撲博物館」

写真:カノオミツヒサ

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西口改札を出て、右手にあるのは両国国技館。屋根の向こうにはスカイツリーが見えますね。1階には「相撲博物館」があり、見学は無料です。ただし、場所中は国技館への入場券が必要になるのでご注意を。

メインの展示替えは年に6回。化粧廻しや番付表など、テーマに沿ったものがその都度公開されます。常設展示されているのは、歴代横綱の写真です。千代の富士、大鵬など懐かしい名前が並び、写真だけでも迫力がありますね。古いものは浮世絵になってしまいますが、威風堂々とした姿とともに、当時の歓声まで聞こえてきそうです。

見学のあとは国技館通りを進み、甘味処「両国国技堂」に立ち寄りましょう。

人気ドラマに登場した甘味処「両国国技堂」

人気ドラマに登場した甘味処「両国国技堂」

写真:カノオミツヒサ

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国技館から総武線のガードをくぐり、国技館通りをまっすぐに進みます。道の両脇に並んでいるのは、「横綱手形モニュメント」。横綱の土俵入りを表現した銅像で、土台の部分には歴代横綱の名前と手形が埋め込まれています。立体の手形もありますので、駅の展示とは違って、手の厚みまで感じることができますよ。

「横綱手形モニュメント」を眺めながら歩くと、5分ほどで「両国国技堂」に到着です。店内には名物の「あんこあられ」や「ねばりごし」など、珍しい商品がズラリ。また、奥の喫茶スペースでは、人気ドラマ『孤独のグルメ』で紹介された「だんごセット」を味わえます。あんこ、みたらし、いそべの3本は食べ応えバツグン!焼き立てで香ばしく、ひと口食べるごとにチカラがみなぎってきます!

パワーをチャージできたら、今度は「回向院」へ参りましょう。

鼠小僧のお墓がある「回向院」

鼠小僧のお墓がある「回向院」

写真:カノオミツヒサ

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両国国技堂を出て左に進みましょう。徒歩1分で、回向院に到着です。開創は明暦3年(1657年)。明暦の大火で亡くなった犠牲者を弔ったのが、はじまりとされています。
かつて回向院では、勧進相撲や興行相撲が行われ、北側に旧両国国技館が完成するまでは相撲の定場所でした。昭和11年(1936年)に建立された「力塚」は、相撲と両国の街とのつながりを示す象徴となっています。

また、境内の奥にあるのは「鼠小僧供養墓」。映画やドラマの題材にもなっている、鼠小僧次郎吉のお墓です。墓石を削って懐にいれると、『金回りがよくなる』『運気が上がる』といわれています。墓前には、墓石本体に傷を付けないよう、代わりに「お前立ち」(欠き石)が設置されています。鼠小僧の運にあやかりたい方は、少し削ってみてはいかがでしょうか?

さて、次は「両国花火資料館」へ行きましょう。

花火について分かる「両国花火資料館」

花火について分かる「両国花火資料館」

写真:カノオミツヒサ

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回向院を出て左に進み、住友不動産両国ビルに沿って歩くと、1分ほどで「両国花火資料館」に着きます。入館料は無料です。

毎年夏に、下町の夜空を彩る「隅田川花火大会」。享保18年(1733年)から始まった「両国川開き」が、そのはじまりとされています。館内には「江戸三十六興 両国大花火」や「東京両国橋 両国橋川開大花火之図」などの絵が飾られ、江戸・明治期の花火大会の様子を伝えています。
あわせて紹介されているのは、打ち上げ筒や、原寸大の花火玉。特に、断面図のように中身が見える、花火玉のカットモデルは面白いです。3、4、5、7、10号の順に並んでいて、火薬の配置と構造が一目で分かります。

ひときわ目立つ展示物は大型の2尺玉で、直径は60センチ、重さはなんと80キロです。開いたときの直径は400メートル以上になり、まさに大輪の花が夜空に咲きます。残念ながら隅田川花火大会では5号玉までですが、他の花火大会では2尺玉ほか、4尺玉が上がる場所もあります。各地の花火大会のスケジュールが貼り出されていますので、次に出かける場所の参考にしてみてはいかがですか?

おわりに

両国の地名は、隅田川にかかる両国橋に由来します。この橋はかつて、「武蔵野国」と「下総国」を結んでいました。2つの国から様々な人やモノが往来し、文化の中心地として賑わいをみせていたことでしょう。
そして、相撲や花火などは、今なおこの街にしっかりと息づいています。現在の両国は、街自体が「江戸」と「東京」の両者を結ぶ架け橋になっているのかもしれませんね。

江戸時代の文化が色濃く残る両国の街へ、出かけてみませんか?

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掲載内容は執筆時点のものです。 2015/07/27 訪問

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