写真:津田 泰輔
地図を見る駐車場に車を停めて、受付兼お土産屋さんでお金を払って鍾乳洞に向かうことになるのですが、入口はかなり下に降りた場所にあります。
深い谷底に下りていくかのように進んでいくと、終点には大地の裂け目のような縦に長い洞窟の入口にたどり着きます。
洞窟の中は一年中同じ気温が保たれており、夏はひんやり冷たい空気が、冬は生暖かい湿気を帯びた風が洞窟の奥から流れ出してきます。
ちなみに入口までの道中には7月の上旬になるとヒメボタルの大発生を見ることができます。洞窟とホタルの競演もなかなか幻想的ではないでしょうか。
写真:津田 泰輔
地図を見る備中鐘乳穴の中に入っていくとその巨大な空間に驚かされます。
天井には無数のツララがぶら下がっていて、それが色とりどりの照明に彩られて、地底の別世界に来たような感覚になります。まさに「夢の宮殿」呼ばれるこの場所の名前の通り、迫力の大空間が広がっています。
そして中でも目を引くのが「洞内富士」と呼ばれる大石筍。巨大な空間のほぼ中央に地底の富士山が鎮座しています。
写真:津田 泰輔
地図を見る日本で一番高い山はご存知の通り富士山ですが、こちらの洞内富士も石筍の中では日本一とも言われています。
高さ3m、直径5mもの巨大な鍾乳石で、洞内富士の頂上には洞窟の天井から常に水が滴り落ち続けていて、これが気の遠くなるような年月をかけて今のように成長したのでしょう。富士山は地底からマグマが噴出して作られたのに対し、洞内富士は天井から落ちる水が作りだしたという、まったく逆の作られ方なのが面白いですね。
写真:津田 泰輔
地図を見る備中鐘乳穴はとにかく広い空間が特徴の鍾乳洞で、足場も良いので非常に歩きやすいです。奥に1箇所狭い場所はありますが、その他は身をかがめたりして進むような場所もないので、子供やお年寄りでも簡単に訪れることができると思います。
広い空間に伴って、そこに形成される鍾乳石もスケールが大きく、洞内富士の奥にある五重の塔と呼ばれる巨大な鍾乳石もまた日本一と言われています。
22階層もの鍾乳石からなる五重の塔は一見の価値ありです。
写真:津田 泰輔
地図を見る備中鐘乳穴が知られたのは古く、平安時代に記された「日本三大実録」にもその名が記載されています。これは国内に残っている文献の中でも最古の鍾乳洞になると言われえます。
また、桃太郎のモデルとなった吉備津彦命が鬼退治のための作戦会議をした場所という伝説もあり、奥にはまさにその作戦会議を行った「評定の間」と呼ばれる空間も残っています。
でもどちらかと言うと、青や緑にライトアップされたこの場所が鬼の住処のような感じですね。
平安時代から知られている鍾乳洞にもかかわらず、備中鐘乳穴は岡山の人にもあまり知られていない穴場スポットです。その分、洞窟内にも観光客は少なく、秘境探検のような気分が味わえるのではないでしょうか。
岡山の鍾乳洞と言えば、まず井倉洞の名前が挙がりますが、それに比べると小さな鍾乳洞ではありますが、備中鐘乳穴は大物の鍾乳石が凝縮されていて、お手軽に地底の世界を満喫できる場所と言えるでしょう。
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(2024/4/24更新)
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