天草「崎津教会」潜伏キリシタンの世界遺産と集落・見所5選

天草「崎津教会」潜伏キリシタンの世界遺産と集落・見所5選

更新日:2020/05/24 15:35

天草野 黒猫のプロフィール写真 天草野 黒猫 元バックパッカー
2018年7月に世界遺産登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」。その構成遺産のひとつ「崎津教会」は天草下島の小さな漁村の集落にあります。「海の天主堂」とも呼ばれ、日本家屋の中に突然現れるゴシック様式の教会。
2019年8月に、休憩スペース旧網元宅「よらんかな」もオープン。禁教の中、250年もの間信仰を守り抜いたキリシタン。長く信者に守られた教会と、集落の見所をご紹介します。

見所1:禁教の歴史残す山側

見所1:禁教の歴史残す山側

写真:天草野 黒猫

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神社の鳥居からが覗く教会。これは潜伏キリシタンの歴史を象徴している風景です。
集落山側の「崎津諏訪神社」は禁教の中、密かに信者が祈りをささげていた場所。仏教徒を装いつつも参拝時に「あんめんりうす(アーメン、デウス)」と唱えていたと記録が残っています。写真は1685年銘の鳥居。境内の配置も禁教時代のまま現存しています。桜の季節はさらに美しい風景です。

見所1:禁教の歴史残す山側

写真:天草野 黒猫

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体力のある方は「崎津諏訪神社」裏手の階段の頂上、「チャペルの鐘展望公園」もおすすめです。
「海の天主堂」と呼ばれる「崎津教会」。日本の渚百選にも選出されている崎津集落が一望できます。羊の角のような形から羊角湾と呼ばれ、入り組んだ入り江で島の南端の集落。一揆の連絡が届きづらかった事も信仰が続いた要因と言われています。

見所1:禁教の歴史残す山側

写真:天草野 黒猫

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山側の駐車場前、マリア像が立つ日本家屋は「木造崎津教会跡」。現在のゴシック式教会が立つ前の教会です。
古くから神父様1人、シスター1人。保育園のような役割もはたしていたとか。現在の教会だけ見がちですが、集落裏手の山側は潜伏し信仰を守り続けた歴史が多く残されいる場所です。

見所2:集落の中心「崎津教会」

見所2:集落の中心「崎津教会」

写真:天草野 黒猫

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2018年7月、世界遺産の構成資産として登録された「崎津集落」。その集落に立つゴシック式の教会は、1934年にハルブ神父と信者の協力によって再建されました。施工は長崎五島出身の鉄川与助氏。

特徴的なのは、教会の中が畳敷きであること。また、この教会は絵踏みが行われていた庄屋屋敷をハルブ神父が買い取り、祭壇を置いたと言われています。写真撮影はできませんが、心動かされる空間です。

見所2:集落の中心「崎津教会」

写真:天草野 黒猫

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「崎津教会」は横からの眺めにも歴史があります。そう!色が違う、いえ…素材が違うのです。灰色の部分はコンクリート、白い部分は木造。これは建設資金が足りなかったからと言われています。制約や負い目を考え、行政の力にたよらず足りない部分を木造で完成させているのです。信念を感じる素材の違い。歴史感じる側面です。

見所2:集落の中心「崎津教会」

写真:天草野 黒猫

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「崎津教会」から海側へ徒歩1分程の所にア津資料館「みなと屋」があります。潜伏キリシタンの信心具や、交易により栄えた昭和のア津集落がわかり易く展示される資料館で、入場無料。二階から見る「崎津教会」の景色も一見の価値ありです。

見所3:教会周辺でみる集落の歴史

見所3:教会周辺でみる集落の歴史

写真:天草野 黒猫

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集落を歩くと目に留まるのが小道。「トーヤ」と呼ばれ、そのまま船に乗船できる機能的な道でもあります。狭い土地で肩が触れ合う程の小道は、独特の風景です。

見所3:教会周辺でみる集落の歴史

写真:天草野 黒猫

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2019年8月に旧網元宅「よらんかな」が改修整備されオープンしました。中は、網元宅が再現されていて、当時の様子のパネルや生活用具の展示。休憩スペースとして開放されています。

見所3:教会周辺でみる集落の歴史

写真:天草野 黒猫

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集落のもう一つの特徴が「カケ」。漁師の作業場でテラスのような場所です。海にせりだし、網の手入れや魚の干物作り。船の乗り降りの場でもありました。「よらんかな」ではこの「カケ」も見学できます。

見所4:崎津集落路地に御朱印も

見所4:崎津集落路地に御朱印も

写真:天草野 黒猫

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崎津集落ならではの風景が路地でくつろぐ猫達です。大漁の守り神と言われていた猫。ゆっくり道端に寝転んでいる姿をあちこちでみかけます。

見所4:崎津集落路地に御朱印も

写真:天草野 黒猫

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マンホール好きな方にお勧めなのが、ア津集落のマンホール。踊りだしそうな魚達のかわいいマンホールです。崎津教会の前の小道で出会えます。

見所4:崎津集落路地に御朱印も

写真:天草野 黒猫

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世界遺産登録後、世界初の神道・仏教・キリスト教の三宗教一体の御朱印もいただけるようになりました。
三宗教一体の理由。それはキリシタンが潜伏できたのが、他宗教との融和の心が一因といわれているからです。潜伏を知りつつもお互いを尊重し、時代を乗り越えてきた三宗教。崎津教会から徒歩約2分、曹洞宗・普應軒でいただけます。

見所5:遠景に見る漁村風景

見所5:遠景に見る漁村風景

写真:天草野 黒猫

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少し離れて、漁村全体を見る風景もおすすめです。車の場合サンセットラインをア津バイパス側にもどり、バイパスの下をくぐった対岸。海に囲まれた漁村、よりそう日本家屋に守られるように建つ教会。象徴的風景のひとつもお見逃しなく。

見所5:遠景に見る漁村風景

写真:天草野 黒猫

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ご紹介したア津集落は狭い道も多く、駐車場が集落内に少ない場所。自転車に乗れる方は、入口の「崎津集落ガイダンスセンター」で自転車のレンタルも便利です。1日200円。自転車で周るにはちょうどよい大きさのア津集落。自由自在に観光してみませんか。

崎津教会の基本情報

住所:熊本県天草市河浦町ア津539
電話番号:0969-78-6000(ア津集落ガイダンスセンター)
アクセス:車 熊本駅〜2時間40分 九州自動車道松橋IC〜2時間10分 天草空港〜60分
バス 九州産交バス 本渡バスセンターから「一町田中央」乗換「教会入口」下車徒歩1分

※教会内部は写真撮影禁止。現在も祈りの場のため、静かに見学をお願いします。
※崎津の崎は正式には立崎(タツサキ)です。


2018年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/06/30−2020/03/29 訪問

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