東日本唯一の本丸御殿遺構も!様々な遺構を楽しめる、「川越城」の見所紹介

東日本唯一の本丸御殿遺構も!様々な遺構を楽しめる、「川越城」の見所紹介

更新日:2015/08/14 12:25

小江戸と呼ばれる街、川越。
川越にはたくさんの見所がありますが、中でもオススメしたいのが「川越城」です。
「川越城」の有名な遺構としては「川越城本丸御殿」が挙げられます。
この本丸御殿遺構は東日本にはここ、川越にしかありません。
さらに「川越城」は他にも櫓跡や掘跡といった様々な遺構を見ることもでき、ぜひ見ていただきたい場所です。
そこで今回は多くの遺構を楽しめる「川越城」を紹介します。

風情ある廊下を歩き、縁側から庭を眺めてのんびりと

風情ある廊下を歩き、縁側から庭を眺めてのんびりと
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川越城は扇谷上杉持朝が長禄元年(1457)に太田道真(資清)・道灌(資長)父子ら家臣達に命じて築城されました。
一方、本丸御殿は江戸時代末の弘化3年(1846)に二ノ丸御殿が火災で焼失してから建てられました。
江戸時代、将軍は鷹狩等で川越を訪れており、本丸御殿は将軍のための「御成御殿」だったと考えられています。

しかし明治時代になると、本丸御殿をはじめとした多くの建物が移築・解体されました。
現在は本丸御殿を訪れると玄関・広間部分・家老詰所等を見ることが出来ます。

本丸御殿は風情ある廊下や畳の匂いのためか、とても落ち着く場所です。
縁側(写真)で陽の光を浴びながら、庭を眺めてのんびりと過ごすことが出来ます。

さらに本丸御殿で見ていただきたいのは、天下三名槍の一つである「御手杵」の鞘、「杵黒熊毛槍鞘」。
御手杵は室町時代に刀工の五条義助が鍛えた大身槍です。

御手杵の鞘は、本丸御殿に入ってすぐに見える広間に置いてあり、一際存在感を放っています。
参勤交代の際に使われたこの槍は、鞘だけでも重さ約26.3kg、長さは約1.52mもあり、この長さに驚く方も多いのでは。
武具に興味のある方は必見です。

かつては富士山も見えた?!天守閣代わりの富士見櫓

かつては富士山も見えた?!天守閣代わりの富士見櫓
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本丸御殿から5分程度歩くとたどり着く、「川越城富士見櫓跡」も川越城の見所の一つ。

富士見櫓は川越城には無い、天守閣の代わりを務めていました。
川越城で一番高い場所に建てられた三重の櫓であり、長さは8間3尺(約15m)、横は8間(約14m)もあったとか。

今も富士見櫓跡は登ることが可能であり、登れば櫓が建てられていた場所の高さを実感するでしょう。
昔はその名の通り、富士山を見ることが出来たのではないかと言われています。
ただし、今はだいぶ木々が生えていて、周りの景色は見ることは出来ません。
また、残念ながら頂上に櫓らしきものはありませんが、川越城跡についての案内板や、御嶽神社・浅間神社があります(写真)。

しかし、がっかりするのは早いです。
なんと、喜多院に富士見櫓の復元模型が展示されているのです!
喜多院へは川越城本丸御殿から自転車で15分もあれば行けるので、ぜひ参拝ついでに足を運んでみて下さい。
拝観券を購入する必要がありますが、客殿(徳川家光公誕生の間)や書院(春日局化粧の間)を見ながら進むと、隅の方に展示してありますよ。

敵の心を折る、そびえ立つ堀

敵の心を折る、そびえ立つ堀
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最後に紹介する川越城の見所は、「川越城中ノ門堀跡」です。
富士見櫓跡より少し距離がありますが、本丸御殿から川越市役所の方に向かって5分程度歩いた場所にあります。
門を潜ると、すぐに川越城の堀跡(写真)が目に飛び込んできます。

そもそもこの中ノ門堀は、西大手門(市役所方面)から攻めてくる敵を想定して作られました。
また、敵の進撃を阻むために、城の内側と外側で、堀の斜面の角度が異なっています。
城の内側の斜面は60度、外側の斜面は30度となっており、敵が川越城に向かって攻め入る方の堀の斜面は、壁のようにそびえ立っていたのです。
実際に堀を目にすると城の内側の堀はかなり急勾配であり、とても登る気にはなりません。
さらにこの堀は、当初深さ7m、幅18mもあった上に、城から弓矢や鉄砲で攻撃される訳ですから敵はかなり戦意喪失させられるでしょう。

中ノ門堀は、寛永16年(1639)の川越城大改修の際に造られたと考えられています。
まだ天下が治まって間もなかったために、このような立派な堀が造られたのでしょう。

数少ない川越城の遺構の一つ、「川越城中ノ門堀跡」は、史跡巡りやお城好きの方にオススメします。

※開園時間:午前9時〜午後5時

数少ない遺構を存分に楽しもう

以上、川越城の見所でした。

今回紹介出来ませんでしたが、三芳野神社も川越城の鎮守として城郭内に祀られており、川越城に関わりのある場所です。
本丸御殿のすぐ近くにあるので、寺社巡りが好きな方にもオススメです。

川越城というと東日本唯一の本丸御殿が真っ先に浮かぶ方もいると思いますが、今でも残る数少ない遺構として、富士見櫓跡や中ノ門堀跡があります。
実際に城内一の高さを体感したり、堀跡を近くで見たり出来るので、史跡やお城好きな方は大変楽しめると思います。
本丸御殿から徒歩圏内ですので、ぜひ足を運んでみて下さい。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2015/07/22 訪問

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