写真:やま かづ
地図を見る黒沢湿原に着いたら、まずはイベント広場の「黒沢活性化センター」で案内リーフレットを手に入れましょう。散策に便利なイラスト地図のほか、湿原で見ることができる草花が写真つきで紹介されています。小さくて、時には立ちどまって目を凝らさないと見つけることができない草花もあるので、リーフレットの写真が大切なガイドとなります。
ちなみに「黒沢活性化センター」は通常は閉館しており、行事のあるときのみの開館となりますが、リーフレットなどの資料類はエントランス脇に準備されています。
写真:やま かづ
地図を見る黒沢湿原は縦長で、南北は約2キロ、東西は狭いところで100メートル、広いところでは300メートル程度あります。そんな湿原内には遊歩道が整備されており、歩いて1周できるようになっていますが、一般的には、湿地入口から続く木製の遊歩道を反時計回りに進んでいくことになります。
遊歩道の両脇には背の低い植物が、水のせせらぎに揺れながら静かにたたずんでいます。その間をミズスマシがすいすいと滑っていきます。時折、野鳥の鳴き声が遠くの山々にこだまします。
そんな自然のなりわいを感じながら湿原をゆっくりと進んでいきましょう。また、遊歩道の途中には休憩所や野鳥観察小屋が整備されていますので、さらにゆっくりと時間を過ごしたい場合はご利用くださいね。
写真:やま かづ
地図を見る湿原では春、夏、秋と、非常にたくさんの水生植物やその花々を見ることができます。その種類はざっと60種類以上、さあ、あなたは何種類の草花を見つけることができるでしょうか。
そんな中で、7月から8月に開花を迎えるのが徳島県の天然記念物「サギソウ」です。小さな花びらですが、ちょうどサギが翼を広げたような形でとっても優雅です。風に揺られているサギソウをじっと見つめていると、今にもこちらに向かって羽ばたいてきそうな錯覚に陥ります。
写真:やま かづ
地図を見る湿原の中の遊歩道を1.5キロほど進むと黒沢湿原南端の「たびの尻滝」に行き当たり、ここが折り返し地点となります。
黒沢湿原の水は「たびの尻滝」を流れ落ちて松尾川へ、やがて祖谷(いや)川、そして大歩危(おおぼけ)・小歩危(こぼけ)の吉野川へとつながります。決して高低差のあるダイナミックな滝ではありませんが、黒沢湿原の植物を育んできた源水が流れ落ちるさまには非常に風情を感じます。
写真:やま かづ
地図を見る黒沢湿原のあるこの地方は祖谷(いや)と呼ばれ、「そば米雑炊」と「祖谷そば」が名物となっています。
「そば米雑炊」は、そばの実からとったそば米と鶏肉、野菜などの具材を薄味で煮込んだものです。大昔、平家の落ち武者が都をしのんで食べた正月料理だと言われています。
また、「祖谷そば」はそば粉100%でつくられたそばで、ぷつんぷつんと切れる短い麺が特徴です。麺をすすりながら食べるというよりも、お汁と一緒に流し込むように食べます。
いずれも田舎料理で、決して豪華とは言えませんが、昔ながらの製法が息づいた、とっても味わいのあるものです。黒沢湿原まで来たら「そば米雑炊」と「祖谷そば」、ぜひご賞味ください。
昔からこのあたりは黒い土と泥の湿地が広がっていたので黒沢と呼ばれていましたが、その後、「くろさわ」がなまって「くろぞう」となったようです。
そんな標高500メートルの湿原地で、あなたも1日たっぷりとマイナスイオンを浴びてみませんか。
<黒沢湿原への行き方>
公共交通機関:JR阿波池田駅から四国交通バスで終点の「漆川八幡バス停」にて下車し、徒歩約50分(約3キロ)です。
自動車:徳島自動車道「井川池田」出口から40分程度(約20キロ)で到着します。国道、県道、林道とどんどん道が狭くなります。運転には気をつけてください。
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(2024/4/19更新)
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